5日目 子が子なら親は…
今回はリハビリがてらの投稿なので質が悪いかも…
忘却の箱庭、幻想郷。生憎の曇り空で今にも雨が降り始めそうな予感を漂わせるが、夏の風物詩達の合唱はそんなの関係なしにと開催されている。
しかし……
「……ねぇ、私、だんまりされるのって嫌いなの、知っているでしょ幽香ちゃん?」
「はいお母さん。ですがこれにはマリアナ海溝よりも深い深~事情がございましてですね――」
「黙らっしゃい幽香ちゃん。見苦しいわ」
「はいすみません!」
太陽の畑にある風見家の家内は曇を通り越し、既に天候が荒れ気味であった。
親の夏香は素敵な笑みを浮かべ、ソファーに座りながら相手の懺悔を聞き、娘の幽香は執行されるであろう刑を前に、恐怖に染まりながら正座をしている。
そしてその親子の間にあるのは今回の事件の発端と思われる上品なティーカップの残骸。一目瞭然だが、既に生きていない。
「では被告人さん? もう一度、事件の概要と弁明を。ついでに不服申し立ては受け付けていないわよ?」
「えっと、そのですね……」
その証拠品を間に挟みながら被告人風見幽香に概要と弁明の余地を授ける夏香。
対し怯えながらもポツポツと語り始める幽香。
彼女の話をまとめるとこうだ。
今日は人里に用事があった夏香が外出中、あまりの虚無感――寂しさに耐えかねた幽香はせめて少しくらい和らげるようにと夏香ご愛用のティーカップで素敵なティータイムに洒落込むはずだったのだ。だがミスとは如何なる者でも平等に訪れるもの。
ティーポットはどこかと椅子から立ち上がったが最後、よくあるパターンにはまり込んでしまった。
立ち上がる、立ち上がった拍子にカップと接触、あとはお察しの通り、落下による大破。そして今に至るということだ
「ですからね、これはそのぅ、不可抗力というものでして――」
「はぁ……良いわ、今回は不問よ、不問」
「だからでしてね、できれば罪のほうを……え?」
突然の言葉に不意を突かれ唖然世する幽香。それもそのはず、母の夏香は自身か家族にとって重く関係すること、または害があることには一切の手加減容赦ないタイプの妖怪だからだ。
その証拠に夏香にとって重要な事や害があることは今まで全て『物理的』もしくは『精神的』または『世間的』に叩き潰している。
例を挙げれば大分前に起きたグラス粉砕事件。
この事件は紫を土下座に追い込むという賢者にとって一生の汚点を残した凄く貴重な一件であった。
ただし、先も述べたが、『自身』か『家族』のみであり、それ以外に対してはおちょくる側に回るのが常、いじられ役に回ることはまずない。いや、ありえない。
その容赦ない母親が不問にするなどと言う事は天変地異が起きた事と同意義、幽香が唖然とするのも肯ける。
「お母さん、熱でもあるの?」
「失礼ね、私が不問と言うのがそんなにおかしい?」
「……」
何も答えない、それは肯定の意を示すには十分な対応。
夏香はそん沈黙の肯定に内心ため息をつくものの、今までのあれがあれだからと、どこか納得し、改めて幽香に、もういいから、しばらく時間潰してらっしゃい、と告げる。
時間を潰してこいと言われた幽香は未だ衝撃を受けているらしく、言われるがままに外に出るとどこかに飛び去っていった。
「……そんなに変かしら、私」
そして先ほどの幽香に少し傷ついたのか、どこかションボリとした雰囲気を纏いながら、事後処理を開始するのであった。
ついでに何故幽香に対し不問と告げたかというと、里の方で一悶着あって疲れていたからである。
お疲れ様お母さん……




