2日目 彼女は娘と仲良し?
暑いっす…
「何であんたは毎日毎日飽きもせずにここに来るのよ! 邪魔だから消えてちょうだい!」
「あら、何故? why? 夏香は皆の者よ?」
座っているガーデンチェアから腰を上げガーデンテーブルから身を乗り出し母親とは違う喋り相手に怒声をぶちまける凶暴生物、風見幽香。
それに対してそんな怒声を一身に浴びながらも余裕たっぷりで胡散臭い笑みを浮かべる客人、八雲紫。
その二人の様子をBGMに家の台所で微笑ましい表情でティーセットの用意をする風見夏香。
三者三様である。
「はぁ!? お母さんは皆のじゃない! 私の!!」
そんな微笑ましくも刺激的な最中、紫の皆の者という言葉がプッツンと来たのか、物凄くブチギレな幽香。
よほど母親を盗られたくないのだろう。
余談だが、夏香を求めてこの自宅に乗り込んできたチャレンジャーは山程いる。
一部例で上げれば紅魔館の吸血嬢や泥棒人間や鴉天狗など。
ついでだが、現在進行形で幽香をいじって楽しそうにしている性わr、じゃなく素敵なお姉さんもその一人。
理由は簡単
私の桃源郷はすぐそこだ。
桃源郷とは膝枕のことだそうだ。
そんなに欲しくばお宅の才色兼備な九尾様にしてもらえば良いものを…
閑話休題。
とりあえずブチギレている幽香さん。そんな状態の危険生物に油を放り込むなんてことs
「あらあら大変ねえお子ちゃまでマザコンな娘って」
ここに居ました。
紫はまるで笑止! とでも言いたげな表情でそう切って捨てる。
もちろんそんなこと言われて黙ってられるような大妖、風見幽香でh
「それがどうしたのよ! 私はマザコンでも万事OKよ!」
…現実とは常に姿を変えるものだ。
胸を張って堂々と紫の言葉を受け入れる幽香の姿に呆気にとられる紫。ショックのせいか口が空いている。
「そ、そう、ななな、なら良いんじゃないかしら」
そしてようやく喋ったかと思えばこの動揺。賢者とはこれ如何に。
「あらあら、愛されてるわね私」
そんな賢者様はともかく、正しく聖母と呼んでも間違いない程の綺麗で微笑ましい表情を浮かべながら自宅から現した夏香。その手にはティーセットの乗ったトレイがある。
「はい紫。紅茶とちょっとしたお菓子」
「あ、あら夏香、ありがとう」
その手に持っていたトレイをガーデンテーブルの上に置くとどこから取り出したのか、もう一つ椅子を用意してそこに座る。
「今日はクッキーにしてみたの」
「あら、美味しそうね。流石お母さん」
テーブルに置いたお菓子の内容を見て褒める幽香に夏香は笑顔でありがとうと返す。
流石親子、親子愛を感じるぜ。
そしてそんな状況の中、ただ一人ポツンと忘れ去られ、その光景を見て、私、忘れられてる、非道い、等と寂しげに言葉を漏らす紫。
心なしか身体が透けていっている気がするが…迷彩効果?
「あら紫、クッキー食べたくなかったの?」
そんな中、ふと紫がお菓子に手をつけていないことに気づいたのか、夏香は優しく紫に言う。
もちろん寂し状態でカムフラ効果100%に近い紫にそんな事を言えば
「もちろん! 貴女の作ったお菓子を食べないわけないじゃない!! いただきますわ!」
とテンション鰻上りになるに決まっている。
紫はいただきますと言うと早速クッキーを一枚手に取り、口内に入れる。そして口に入れて間もなく
「ああぁぁぁぁ~ん最高! やっぱり貴女の手作りは幻想郷一ね!!」
両手を頬に当て、マジ美味いっすと身体で表現した紫がそこに現れた。流石賢者、やること一つ一つダイナミックだ。真似できん。
そんな最っ高! な紫と対的な奴も、ここに…誕生した。
「…」
それは当然、風見幽香である。顔が危険な笑みです、マジ勘弁。
娘としても親を愛し、独占したい彼女にとってやはりそういう些細なことも嫉妬の対象というかなんというか…そういった部類に入るらしく、現在進行形で紫を睨みつけている。
勿論美味しいクッキーを頂いて気分がメルッヘン!!! な紫がそんな視線に気づくはずもなく
「お母さん! 私も食べたいから食べても良いよね!?」
と承諾を得る前にクッキーに特攻、そして一枚略奪し口になかに放り込む。
それを見て夏香は、あらあら、と娘を見る母親そのもので幽香を見守る。
そんな中、未だにメルッヘン!! な紫は流石賢者だと言いたい。
「追加しなくちゃいけないわねぇ」
そう言うとそんなメルッヘン! と羨ましい! 混合フィールドから自宅に戻り、再度クッキー製作を開始するのであった。




