MMOでの戦闘2
私達が所属する緑の国はかつて最強ギルドが存在し、その時は圧倒的な強さを誇っていました。
その余勢をかりうちのギルドも領地を何度か取る事が出来ていました。
しかしそのギルドが解散すると、次に台頭してきたのが赤の国でした。高レベルユーザが集まり赤の国に最強ギルドが出来たのです。しかもかつて緑の国が強かった反動で、緑の国が標的にされたのです。
元の緑の国の最強ギルドは解散しているので、今の緑の国に矛先を向けられてもっていう感じはありますが、まあ仕方がない面もあります。ですが仕方がないからと、やられっぱなしでいる訳にも行きません。しかし戦力では歯が立たないのも事実でした。
各国、1つか2つの強いギルドが暴れまわり、他のギルドはその支援の元領地を取る。すべての国がそうではありませんが、基本的にはそんな感じです。
当時の緑の国の最強ギルドはFギルドといい、全世界ではおそらく3、4番目くらいの強さで決して弱くはありません。ですが、1番強い赤のギルドにはかなわず、さらに標的にされたのです。その為戦力的には上位にもかかわらず、領地がとれない事もありました。
緑の国最強ギルドがその有様では、他のギルドは察してしかるべき。緑の国は領地0という日もありました。
このままでは緑の国はジリ貧です。当時私達のギルドはどことも組まず単独で戦っていましたが、交友のあるKギルドに話をつけFギルドと連携する事にしました。Kギルドはその少し前からFギルドと共闘していたのです。
こうしてFギルド、Kギルド、そして私達と3ギルドが共闘したのですが、それでも赤の最強ギルドには歯が立ちません。しかも、なまじFギルドのメンバーは高レベルなので「功績」稼ぎにはちょうどよく、粘着されたのです。
「功績」が溜まると爵位があがり、攻撃力何%アップ、防御力何%アップといった恩恵があります。ゲームとして、狙われるのも当然かも知れません。
結果、Fギルドと組んでも良い目が見られるどころか、一緒に赤の最強ギルドから粘着される、という事になり、早々にKギルドが共闘から抜けました。Fギルドすら自身の領地を取るのが精一杯で、他のギルドの支援をする余裕がなく、手伝い損な状態だったのです。
いやそれどころか、領地には上級と下級があり、強いギルドは上級を狙います。Fギルドは赤の最強ギルドと上級領地をかけて戦争終了時間後半まで戦い、時間ギリギリに諦めて下級領地を取る、という事をしていました。その為Fギルドは何とか領地を取れますが、Kギルドとうちのギルドは領地を取るどころではありません。Kギルドの判断も止む得なかったでしょう。
ですがうちのギルドは、それでもFギルドと組み続けていました。若気の至りといえばそうなのですが、一度組むと言った以上益がないからとさっさと抜けるのもどうかと思っていたのと、緑の国全体の事などを考えていたのです。
所詮ゲームです。ゲームは楽しむ為にするものであって、他のギルドの為に苦労してまでするものではありません。ですが、ここで緑の最強ギルドが崩壊しては、緑の国全体が崩壊する。当時、私はそう考えていたのです。
結果、うちのギルドメンバーには、苦労を掛けさせた割りに何の見返りもない、という状況が続きます。それどころかうちとFギルドが赤の最強ギルドを引き付けているお陰で、抜けたKギルドが領地を取れている有様。そこで私の考えをギルドメンバーが見れる掲示板に書いたりして説得しました。
さらにそこに、C君という高校生でそれなりに高レベルのメンバーが書き込みました。「強い相手と戦うのはシンドイのは仕方がない。低レベルの奴は高レベルの奴の盾となるべきだ」という内容です。
過激な発言で、当然低レベルメンバーは不満を持ちます。そしてその掲示板に書き込まれた次の日の戦いで、やはりFギルドは赤の最強ギルドに粘着され、行動を共にするうちのギルドもボロボロにやられました。
その戦闘終了後、なんとC君がうちのギルドを脱退し、紫のギルドに移籍しました。ギルドを変わるのはよくある事です。ですが、舌の根も乾かぬうちに、という思いが込み上げます。私のモチベーションもかなり下がりました。
その後もFギルドとは共闘を続け、それからすぐに赤の最強ギルドは内部崩壊しました。Fギルドも領地を取るのは容易となり、その後も組み続ければうちのギルドもFギルドから支援して貰え、領地を確保するのも易かったでしょう。ですが、モチベーションが下がっていた私は、これで脅威は去ったとIN率が低下し、自然消滅的にほぼ引退状態となったのでした。
その後もC君は強いギルドに所属し続け、楽しくゲームをプレイしているようです。まあ、色々な人がいますが、この手のゲームは気軽にやった方が楽しいみたいですね。




