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000「世界の、色は。きっと、きれいなんだろうなぁ」イラスト付き
※AI生成画像です
雪色の空。
薄墨色の山。
消炭色の道路。
鉄黒の瓦。
鉛色の草花。
銀鼠の雲。
他にもたくさんの色があったのに、思い出せない。
思い出せるのは、鼠色の天井と、砂色の畳。そして、漆黒の瞼の裏。
破れてしまった家族の写真も、どこか懐かしい。これを撮ったのは一体いつなのだろうか。15年以上前であることは間違いない。優しい表情をした父母。間に笑顔で立つ少女。
家族を失ってから、彼女の世界は変わったのだろう。
起き上がる気力もなく、ただただ、懐かしさに――――。いや、羨ましさに目を閉じる。
「世界の、色は。きっと、きれいなんだろうなぁ」
掠れた声が狭い部屋に溢れる。
明日にはまるい月が、空に輝く。




