完成ですよ!?
それから、休み時間や放課後を使って新聞を書き上げた。
いろいろ、思うとこはあるのだけど、これはみんなの力を合わせて書けたもの──。
「やっぱ七花が大活躍してるな」
「あ、ありがとう」
校内に張り出された新聞を見ながら、岳が私に笑いかけた。
……マジでやめて。ドキッとする、笑顔だけはいいんだから。
私が、波瑠の言ったことから思いついた「給食の残りの行き先」と、岳が考えてくれた「都道府県別給食一覧」「世界と給食の違い」の三つの項目を私が清書に書いて張り出した。
ついでに、「給食レンジャーズ」についても書いておいた。一応、給食レンジャーズの活動だし。
「……でも、岳の方が面白い記事考えてくれたじゃん」
「面白いとかなくね?俺が書いた記事に補足したり書き足したの七花だし。最後、清書したのもお前だしな」
「よー、もう新聞貼ったんだなー!」
そこへ、雄治が駆け寄ってくる。
安則も来たけど、相変わらずよく分かってない顔で新聞を見てる。
「さすが、七花だな。この新聞、人気になるぞ」
雄治がそう言っている先から何人か人だかりができてる。
たぶん、私の力じゃなくて岳達の給食レンジャーズの人気の高さなんだと思う。
「たしかにね。ついでに、七花も人気になったらいいね」
いつの間にか来ていた攻唯がちょっと怖いことを呟いた。
人気になっても別に大変そうだから嬉しくないんだけど……。
梨里も隣ですっごく褒めてくれてる。
……みんな、私のこと褒めるなあ。
一番新聞について考えてくれたの、岳なのに。
そっと隣の岳の横顔を盗み見る。意外と顔が整ってた、って前に思ったこともある。
給食レンジャーズが出来る前は一回も話したこともないクラスでの人気者。
だけど、給食レンジャーズが出来てからは私は半強制的だったけど新聞を書けて、岳と話せて、雄治や安則と話せて──。
岳のこと、もっと不真面目な人だと思ってた、正直。
だけど、私が書いているとこを手伝ってくれたし項目を二つも考えてくれた。
初めは嫌がって入った給食レンジャーズだったけど、そのおかげで岳への偏見が解けて知ることが出来たなって思う。
「……なあ」
「何?」
「給食レンジャーズ入る気になった?」
ニッと爽やかに微笑んで聞いてくる岳。
前はずっと断ってたよね。でも、新聞を作ってみて分かった。
このメンバーも居心地がいいなって。
まだ、入る気になったわけでもないけど、もう少しこのメンバーといるのも楽しいかも知れない。
卒業まで近くなった。あと一ヶ月もない。なら、もう最後ぐらい……。
「入ろう、かな」
岳がより大きく微笑んでくれた。攻唯は目を見開いてた。
……案外いいかも、給食レンジャーズって。恥ずかしいけど……。
「よし、じゃあ七花ー!入った記念に今日放送室で新聞発表するぞー!」
「……え!?」
お久しぶりです……二ヶ月も間があいて、本当にすみません。
今回は少し長めでした。
エタらないようにしますので(エタったらすみません)どうぞお願いします!





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