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看護学生日記  作者: 六道
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9月19日

9月19日 危ない。先ほど今は亡き私の祖父が出版していた著書を授業中に読んでいたのだが、危うく授業を行っている外部講師にバレそうになった。事の顛末は私の席の前にいる女子学生と私の席から4mほど離れた女子学生が授業中に睡眠状態に入っていることが講師に注意される処から始まる。講師は女子学生2人に対して「眠いなら帰って寝たらどうだ。欠席扱いにしないから寝た方が良い。」「せっかく授業に来ているから寝てたら勿体ない」といった旨の発言をしていた。この発言をした際に講師は私の席の前の女子学生に近づき、私から約半径2m圏内に講師の体は位置していた。私は滅多に授業中に睡眠をとることはなく被害を免れたが、講師に読んでいる書物が発見されないように手で本を覆い隠すのに必死だった。これからも本を読む事は継続するが、またこのような出来事になるのは勘弁である。話が変わるが私は先ほどまで私の祖父の著書を読んでいた。面白いことに彼の残した文章は今私が書いている文に非常に似通ったものだったように感じる。私と祖父はあまり似ていないが、表面上ではわからない部分で共通点があることを著書を見て感じ少し嬉しく思う。同様に祖父の父、即ち私の曽祖父も同じようなことが言える。著書内での私の曽祖父はどうやら「自分史」を書き溜めていたようなのだ。彼の死後にその「自分史」は発見されることになるのだが、この「自分史」は私が今書いているこの日記と似たようなものではないだろうか。代々泉の男は筆を握り、自分の出来事を記述する癖でもあるのかもしれない。少し彼らに親近感が沸く。彼らは怒涛の時代を生き抜き、恐ろしいほどに語学に精通し、かつ博学な人たちであった。今ここに私の祖父、曽祖父に追悼を致したい。それに加えて彼らには非常に申し訳なく思う側面がある。それは私が学問に対して懐疑的であり、勉強を全くと言っていいほどして来なかったことである。元来が怠惰なこともあり、本当に不真面目な学生だった。恵まれた環境に生まれ、勉強できる事にありがたみを感じずにのらりくらりと学問から身を遠ざけたことをここに陳謝する。授業が暇すぎる。暇なので和歌的なものを作る。「夏季の教授業,無聊に忍ぶ。腹痛に辛し窓辺に視線を傾け,吾郷に於ては思い馳せん。」

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