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BOX・FORCE  作者: hime
第1章 NAMELESS編-序編-
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[第16話:Astilbe]

[第16話:Astilbe]




一方、ウルセウスに対抗する獅蘭一行…


「…さて、どう料理しようか…」


ウルセウスはそう呟くと、両腕に黒いオーラを纏い、鋭い目線で獅蘭達を見た。


「…チャン。指揮官は任せる。 俺たちを最大限生かしてあいつを潰すっ!」


獅蘭はチャンにそう言った。


「…いいだろう。白峰、沫梨は左右に分散。俺と獅蘭は…」


チャンがそう言いかけると、何かに気づいたようにハッとした。

目の前にいたはずのウルセウスが姿を消していた。


「…おいっ!奴がっ…」


獅蘭がそう言った瞬間、沫梨と白峰が吹き飛ばされた。


「「ぐはっ…!!」」


「…何っ…」


2人が吹き飛ばされたのに気づき、振り返ろうとする獅蘭とチャン。

しかし、その瞬間…


「…"ソニック"」


その声と共に、獅蘭とチャンは黒いオーラを纏った脚に蹴り飛ばされた。


「…ぐっ…!」


4人は、それぞれ別方向へ吹き飛ばされた。

4人が立っていた場所に、静かにウルセウスが降り立った。


「…何人来ようが、殴り潰す。」


ウルセウスはそう言うと、全身に黒いオーラを纏った。


「…"魔装:フルソニック"」


ウルセウスの体は、顔以外真っ黒の炎のようなオーラに包まれた。


「…"炎美(えんび)"っ!」


「"斉天大聖(せいてんたいせい):五天門(ごてんもん)"っ!」


「…"豹冷拳(ひょうれいけん)"っ!」


「…"ヴェルダン"っ!」


4人は体を起こすと、一斉にウルセウス目掛けて攻撃をした。


「…ふん。無能どもめ。」


4人の攻撃は、確実にウルセウスを捉えていた。

しかし、ウルセウスは微動だにせず、仁王立ちしていた。

4人の攻撃は、ウルセウスの体に触れてはいるものの、ピタッと止まって動かない。


「…なんでっ…!」


4人は戸惑いを隠せない。


「…"ソニック"の発するエネルギーを全身に纏った姿。それが"フルソニック"だ。この鋼鉄の体を、破壊する事は不可能だ。」


ウルセウスはそう言うと、両腕を思いっきり開いた。

すると、4人は一斉に吹き飛んだ。


「…つまらねぇ。消してやる。」


そう言うと、ウルセウスの右足は、より強いエネルギーを纏った。


「…俺の勝ちだ。"ソニックムーヴ"っ!」


ウルセウスはその右足で、空中に弧を描いた。

すると、黒い輪っかが出現し、それは次第に大きく広がっていった。


「…っやべぇ…ビルがっ!」


獅蘭はそう叫びながら立ち上がった。

黒い輪っかは広がり続け、そして周囲のビルを破壊した。


「…くそっ!下にはみんなが…」


ビルの破片を見ながら、沫梨は叫んだ。


「…ちっ、お前たちは破片を止めるか、破壊だ。やつは俺が食い止めるっ!」


チャンは3人に向けてそう指示した。

そして、豹のようなスピードでウルセウスに突っ込んだ。


「…貴様…っ!」


チャンは、ウルセウスに向けて縦横無尽に攻撃を仕掛けた。


「…ほぅ、まだ動けるか。」


ウルセウスは、その攻撃を冷静に交わした。



ビルの破片は、戦闘地域に向かって無数に落ちてきた。


「…ちっ、らちあかねぇ。"斉天大聖:百敷門(ももしきもん)"っ!」


獅蘭は、破片の向かいくる上空に向けて、両手を広げた。そして、獅蘭の手にある"永猿棒(モンキーマジック)"は、オレンジ色のオーラを纏い、横に長く伸びた。

すると、上空はオレンジ色の膜に覆われ、その膜は、破片の落下を食い止めた。


しかし数カ所から、食い止めきれない破片が抜け出し、落下を続ける。


「…させるかぁぁ!"ベリーヴェルダン"っ!」


「…"炎華(えんか)"っ!」


抜け出した破片を、沫梨と白峰は縦横無尽に追い続け、破壊した。


白峰が、ふと振り向くと、破片が飛来する先に、戦闘により負傷したスミレと菊野の姿があった。


「…危ないっ!」


白峰は咄嗟にその破片の元へ向かったが、既に空中で破壊するには難しい場所まで来ていた。


「…こうなればっ!」


白峰は、両腕を素早く後ろに向け、そして拳から最大限の炎を噴出した。

迫り来る破片を追い越し、白峰はスミレと菊野の元にたどり着いた。


「…白峰さんっ!」


菊野は白峰が来たことに気づくと、そう叫んだ。


「…じっとしててくれ。」


白峰はそう言うと、右腕を後ろに引き、炎ののエネルギーを集めた。


「…美しく、儚く、翔けっ!"炎鳥(えんちょう)"っ!」


そう叫びながら放たれた右拳から、巨大な炎の鳥が現れた。

それは、真っ直ぐ破片に飛び立ち、破片を木っ端微塵に砕いた。


「…白峰さんっ!」


菊野は再びそう叫んだ。


「…危なかった…」


白峰は振り返り、2人の姿を確認すると、安心の表情を見せた。

それも束の間…


白峰の右肩に、鋭い破片が突き刺さった。

安堵が一変し、恐怖になった。

白峰は、そのまま地面に崩れ落ちた。


「…白峰さんっ!しっかりして!白峰さんっ!」


菊野は、涙を浮かべながら、白峰を抱えて何度もそう叫んだ。


「…くそっ!しっかりしやがれ!起きろっ!」


スミレも白峰に駆け寄り、声をかけた。



一方、ウルセウスと交戦しているチャンは…


「…鬱陶しいな。」


ウルセウスは、チャンの攻撃を交わしながらそう言った。


「…まだまだこんなもんじゃねぇぞ!」


チャンはそう言うと、一度ウルセウスと距離を置き、荒々しいオーラを放って"構え"を見せた。


「…"氷豹装:豹霜神衣(ひょうひょうそう:ひょうそうかむい)"っ!」


チャンがそう言うと、構えた拳は次第に氷に覆われていった。

次第にそれは全身に移り、チャンは、1匹の氷の"豹"を背負うような鎧に包まれた。


「…ほぅ。氷の"豹"か。それで何ができる…」


ウルセウスがそう呟くと、チャンは一瞬にして姿を消した。

チャンは、ウルセウスの視覚が追いつかないほどのスピードで、ウルセウスの周囲を囲んだ。

すると、次第に辺りの気温が低くなっていった。


「…"氷豹装:豹牙拳(ひょうがけん)"っ!」


チャンはそう言うと、ウルセウスの目の前に現れ右拳を構えた。

放たれた右拳は、ウルセウスの左肩を捉えた。


「…何度やっても同じだ。この"フルソニック"の前では、お前らの攻撃など虫が止まるも同然。」


ウルセウスは、微動だにせずそう言った。


「…それはどうかな…」


チャンは、ウルセウスの顔を見上げて、ニヤリと笑い言った。


すると、ウルセウスの体が右肩から次第に凍り始めた。

外気が低くなっている事が好条件となり、それは、みるみるうちに全身を凍り尽くした。


「…今だっ!沫梨っ!」


そう言って、チャンは上空を見上げた。

すると、炎の右脚を振りかぶった沫梨が、ウルセウス目掛けて真っ直ぐ落ちてきた。


「…上等っ!"ベリーヴェルダン"っ!」


沫梨は、落下スピードを上昇させ、そのまま右脚でウルセウスを蹴り付けた。

チャンに氷漬けにされたウルセウスは、すぐさま沫梨の炎で焼かれた。


しかし、その炎は一瞬にして消し去られた。


「…"フルソニックウェーブ"」


ウルセウスがそう呟くと、その体から禍々しい黒いオーラが弾け出た。

チャンと沫梨は、そのオーラに吹き飛ばされた。


「「ぐはっ…」」


2人は地面に倒れた。


「…ふん。所詮はこの程度…」


ウルセウスがそう言うと、右肩にオレンジのオーラを纏った"永猿棒"が掠った。


「…"二陽門(にようもん)"っ…」


獅蘭は、ウルセウスの背後から攻撃を仕掛けた。

しかしその攻撃は、ウルセウスにとって"擦り傷"にしかならなかった。


「…忘れてた。いたんだっけ。」


ウルセウスは黒いオーラの解けた右肩を見つめ、そして背後の獅蘭を睨んだ。

次の瞬間、ウルセウスは獅蘭の目の前に現れた。


「…"ソニックホーン"」


ウルセウスがそう呟くと、獅蘭の腹部に黒い拳が突き刺さった。


「…がはっ…」


獅蘭は一撃で失神し、血を吐いて崩れ倒れた。


「…"フルソニック"の前では、貴様らなど"羽虫"同然…」


倒れた獅蘭を見下し、ウルセウスはそう言った。

そして、黒いオーラを纏ったまま、霧のように姿を消した…。




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