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Encounter in the rain Ⅰ

時間軸はカースの家に泊まっている時の会話です。

「そういえばさ、ケイトとユリアってどうやって知り合ったの?」

 カース宅でくつろいでいる弟子五人。そんな中、ルカが唐突にケイトに言った。

「あ、それ私も気になる! ユリアって出会った時から記憶喪失なんでしょ?」

「うーん……まあ、そうだな……」

「アタシとしてはミラさん……出会ったときはエレナさんだろうけど、何があって弟子になったのか気になるな」

「それは俺も気になった。そもそもド辺境に住んでたんだろ?」

「……いつか誰かに聞かれるとは思ってたけど……言わなきゃダメか?」

 あまり面白いことはないんだけど。

「うん」

「気になるもん」

「教えて」

「言えよ」

 四人に揃ってそう言われると黙っていてもいつか話すことになるだろう。

 今はカースさんはミラさんと話しているしヴィオはなぜかユリアと一緒に夕飯のための買い出しに行っている。本人がいるところで話すよりいないところの方がよさそうだ。


「まず、ユリアと出会った時のことだな……。あれは――」



 そう、あれは春の雨の中の出会い。





















 早朝とは言えないが早めの朝、市場に行った帰りに雨が降りだし徐々に体重くなっていく。雨の勢いも増し家が見えたときには全身ずぶ濡れだった。

「あーあ……こりゃ参ったな」

 突然の雨だったので傘もなしだった。次からは気を付けようと決意したところでおかしなものが目に入った。


「人……?」


 遠目からでも綺麗な金髪だとわかる。この町にそんな髪の持ち主はいなかったはずだ。だとしたら旅の人だろうかと思ったがまさか……



「う、うちの前で行き倒れてる……」



 どうしよう、とケイトは悩んでいた。自分の家の前に行き倒れがいる。いや、行き倒れている女の子が我が家の扉の目の前にぶっ倒れている。

 ……この状況をどう形容しようかと悩んでいるわけではなくこれはどう対応するべきなのかという簡単だけど難しい、つまり難問なのである。

 女の子が身につけているのは白い夏などに着てそうなワンピースだ。だいぶ暖かくなってきたとはいえまだ肌寒い日もある季節なのにも関わらずさすがに時期はずれなんじゃないか?と聞きたくなるような薄着だ。

 しかも雨が降っているのでこのままだと間違いなく風邪をひくことになる。放っておこうか、いや駄目だろさすがに、と葛藤する。

 家の目の前に倒れてなかったら無視もできたがここまでご丁寧に家の前でぶっ倒れられたら無視……できないよなぁ。

 結局、雨がさらにひどくなる前に少女を家の中に入れたのであった。


雨の中の出会い、ということでユリアとの出会いです。

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