対策
短いですが本日二話目です。
前話・今話共に大幅に変更する可能性があります。
ご了承ください。
「ご苦労だったな。今はゆっくりと休んでくれ。」
そう言ってレオニードを下がらせた。
自分への怒りを隠しながら、会議を続行する。
内容は完全にアルスロー王国に関して。
いや、違うな。レオノーラ王女に関して、だ。
「デーモンロード達が殺されたと言う事は、恐らく最上位の聖属性、もしくは光属性と言う事になるでしょうか?純粋な魔力の差であれば、レオニードが生還できた理由が解せませぬ。」
そう言うブレオベリスに対して、詳しく説明する様に求める。
「レオニードは、ガウェイン程ではありませんが上位のヴァンパイアとしての能力を有しております。その分、デーモンロードとしての能力はカタリナ達ほどではありません。カタリナ達を殺せたにも関わらず、レオニードは殺せなかった。勿論、レオニードの能力と言う部分も多分にはありますが、それでも疑問が残ります。ヴァンパイアの能力に関してはガウェインから説明した方がよろしいでしょう。」
必死になって感情を抑え込み、説明を聞いているうちに落ち着いて来た。
やはり人間の時とは、かなり違うようだ。
まぁそんな事、今はどうでも良い。
そんな事を考えながら、こちらを見るガウェインに向けて頷きを返す。
「我々ヴァンパイアと言う種は、上位に近付けば近づくほどに弱点と言う物は少なくなっていきます。完全な上位。そうですね、私クラスですと聖属性はもはや弱点ではありません。光属性に関しても同様です。私を滅ぼすには、瞬間的に強大な火力でこの身を灰にした上に、少しづつ小分けにして封印し、徐々に力を弱めていくことが出来れば、百年ほどで消滅する事でしょう。」
「つまり灰にしても時間を掛ければ復活する?」
「左様です。力を失う事を恐れなければ、瞬時にこの身を復元する事も可能です。」
「続けてくれ。」
「はい。レオニードは、私程ではありませんがそれなりに上位のヴァンパイアと同等の存在です。彼ならば、聖属性や光属性を無効化までは出来なくとも、それなりに抑える事が可能かと思われます。一方で、純粋なデーモン種であった、カタリナ・アルゴル・シリウス・サラの四名は強力と言えど、聖属性・光属性は明確な弱点です。恐らくは吸収したとされる勇者達の能力でしょう。」
確かに、勇者と呼ばれる者達が持っていたと考えるなら、聖属性や光属性ほど似合いの物も無いだろう。
それにしても、惨い事をするものだ……。
どの様な者かは知らないが、拉致同然に呼び出した挙句、魂も残さず吸収するなど……。
実際に、どういう状態になっているのかは分からないが、本人が言っていたと言う事から事実なのだろう。
ダンジョンとしての行動だが、向こうの目的が分からない以上は軽率な行動には移れない。
カタリナ達の仇は当然取らせてもらうとしても、戦力を小出しするのは悪手になるだろう。
これ以上、誰かを失うのは御免被る。
それが俺の選択の結果であるなら、尚更だ。
消極的と言われようと、思われようと構わない。
支配者らしくだの、上位の存在としての振る舞いだの、余計な事を考えたのが悪かったのだ。
俺は俺らしく、多少臆病な位で良い。
ガウェインへ防備を厚くする事を命じ、ブレオベリスへはアルスロー王国に関しての情報を集めさせる事にする。
行動する際は複数で行う事を約束させ、全ての眷属へシャドウデーモンを潜ませた。
ノーム達にも対聖属性・対光属性の魔道具制作を命じ、素材は自重無しでダンジョンから運ばせる事にする。
心配は尽きる事など無いが、それでもこの件だけに掛かりきりになる訳にはいかない、今後もこの地でダンジョンを経営していかなくてはならないからだ。
だが、少々ダンジョン内の魔物達や外に居た巨人族達は配置を変える事にした。
多少の物なら問題ないが、彼ら自体を捕らえられたり、彼等の掘り出す物を大量に確保されるのは困るからだ。
態々相手を強化してやる必要はない。
今は、じっくりと相手を観察する事にしよう。
なにせ、ダンジョン内で俺の眼から逃れる事は出来ないのだから。
どうにかして、耳も手に入れなければいけないと思うが、現状では無理だ。
侵入してきた冒険者たち全てにシャドウデーモン達を貼り付けるのは現実的ではない。
色々と考える事が多くなったが、これも俺が適当に後回しにして来た結果だ。
甘んじて受け入れるべきだろう。
差し当たって当面の対応は済ませた。
後は相手がどの段階で動くのか?
直ぐ動くのか……。それとも相手もこちらを窺っているのか……。
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