最強の勇者は釣り人!?
勇者は、基本的には私と言います。ですが興奮したりテンションが上がったりすると俺と言い始めます。そこだけ気をつければ読めるはずです。
勇者。
魔王を倒し、力、富、人の熱い眼差し、そして、美しい姫との結婚。全てを得て、幸せな生活を送る。老後は伝説の勇者として次世代の勇者を育成し、死して名を語り継がれる存在。
そうなるはずだった。はずだったのに!
「ねぇー勇者ー。あなた宛にお手紙届いてるわよー」
田舎住まいの勇者と、姫。金はたくさんあるし、お城も住もうと思えば姫がいるし簡単に住める。だが、私は田舎の方が好きだ。住み慣れたってのもあるし、何より姫あっての御要望だ。
「やっと来たか!そろそろ歳をとってきたからなぁ動けなくなんるじゃないかと心配したぞ!」
30越えればもうおっさんと、誰かが言っていた気がする。なら私はもういいおっさんなんだ。
「何言ってんのよ、勇者なんだからそんなに早く歳を感じるわけないでしょ。神様からの命令があるんだからね!」
神様も実在するし神様からの命令は、本当にある。それが寝ている時もあれば、親を通して聞かされることもあるし、力に目覚めた時ってのもある。私の場合は力に目覚めた時だったが。
「ハッハッハ。相変わらず的をいたことを言ってくれるなぁ、セレナは。」
姫の名前は、セレナ・レナーテ。
かつて魔王に攫われた姫だ。
攫われた理由はなんともお姫様らしい理由だった。
姫、もといセレナは姫様らしい生活がどうも好きではなかったらしい。やりたい事がたくさんあったがそれは姫らしくないと常に止められとうとう痺れを切らし城を抜け出したらしい。
王様なんかはそんなの気づいてたらしく護衛をつけさせたようだが、いくら護衛と言えど姫から溢れんばかりの魔力を抑えることは出来ずそれが魔王の目に止まったというわけだ。
これ以上は長くなるのでやめておこう。聞きたいならまた聞かせてやる。
とにかく姫を救った勇者、魔王と言う悪夢から救った勇者な私の訳だが…
そろそろ引退していいはずなんだ。勇者は、血筋の場合もあれば全くの無関係で勇者を過去の勇者が育てると言った場合もある。今回は後者なのだ。なぜなら、私とセレナはまだ子供は作らないと約束している。勇者が現れた時役目を終えて普通の人に戻った時2人は勇者と姫ではなく家族となれるようにしようと。
この提案はセレナからのものだった。
もちろん若い頃の話でそういった経験をしたくてセレナに近寄ったこともあったが結局まだやれないままなのだ。
そういったものもあり、私は勇者育成の命令を王から届くのを心待ちにしていた。
ん?せがむほど姫は美しいのかって?
それはもちろん美しいと言うか可愛い。
そういえば手紙が届いたと言ってから、こちらに姿を表さないな。
少し心配になったので玄関の方まで歩いていくと、そこにいたのはまだ幼さが残る顔立ちでありながら体はしっかりと女らしい。太陽の日を受けて輝くその銀色の長髪はまるで結晶のようにキラキラとしていた。手紙をじっと見つめるその目は静かな青色をしていた。
その時急にその目と、こちらの目がバッチリあった。
「勇者!大変!お父様が!」
青色の目から大量の涙がこぼれ落ちた。こんな時にあれだがまるで海のようにその輝きは増していた。
だが
「どうした?王様の身に何かあったのか!?」
王様は、優しい人だ、体に多少の異変があってもこちらにわざわざ心配をかける人でわない。
ということはかなり一大事の可能性も大きくある。
などと1人で考えていると
「うんうん。違うの!お父様が!とにかくこれ読んで!」
いきなり渡された手紙は私宛でしっかりと王宮のマークがついていた。
人の手紙を勝手に読んで。と突っ込みたいとこだが今は王様を優先したい。
その手紙に目を通し内容を読み上げた。
「勇者君、大変な自体になった。魔王が再び目覚めてしまった!
へー。王様のみに何かあったわけじゃなく魔王が目覚めたのか、王様の身に何も無くて良かった良かっ……た?」
ん?あれ?確かに王様に何も無かったようだが魔王が目覚めた?
「勇者!ちゃんと最後まで読んでよ!」
おっと、1人で考えてたらセレナに怒られてしまった。だが、こっちも色々追いついていないのだ。
「魔王が目覚めたって?!そんな馬鹿な、ちゃんと契約ではあと2年早くても、まだ1年はさきだったはずだろ!?」
1年は人間の中だとかなり多い時間だ。
1人の勇者育成に1年もかからないからな。半年後基礎を教えればあとは勝手に強くなるもんだが、そんな中2年も早く魔王が復活したという。
「そこじゃない!もっとあとの方!」
セレナがなにか言いたげにそういった。
そこじゃない?魔王復活が早いと言うこと以外の知らせが?
恐る恐る次の文に目を通した。
「勇者の跡継ぎはまだまだ子供のままだ。このままでは間違いなく魔王には勝てん。そこで、かつての勇者だった君にお願いがある。」
お願い?まさか、ほかの勇者を探してこいなんて言わないよな?
勇者は神が定めたものだからその器を持っているやつなんてそんなに世の中いるわけが無いのだ。
「君にもう一度勇者になってもらいたい。」
はぁ?
待て待て。確かに俺はかつては勇者だった。魔王も倒したし、姫とも結婚した。だが、それは所詮過去のものこっちは勇者育成だけでいいと思って毎日釣りの日々を送ってきたんだぞ!今更魔王なんて絶対に無理だ!
「ねぇ…勇者は、どうしたいの?」
まだ涙を流しながらセレナが聞いてきた。その声は妖精の歌声のように…とか言ってる場合ではない。
「俺がどうしたいかって?そんなの決まってるだろ!俺はお前と幸せな生活を送りたいんだ、勇者を育成したあとお前と子供を作って普通の家庭を築きたいんだ!」
これは俺の本音であった。そして裏の話をすると今さら言われてもこっちは腕が落ちまくりだし、そのままやって死んでしまっては姫との幸せライフがなくなってしまう。言わばこの手紙は最悪の手紙だった。
「ありがとう。私も同じ気持ちだよ…でも!」
でも?セレナは泣いていたが、そんなにショックな出来事では無い気がする。俺がそれを無視して勇者の育成を遅れながらでもやれば魔王は待ってくれるはずなんだ。
「大丈夫だよ。あの魔王復活したって言ったてどうせまだ俺にビビって襲ってこないから。」
ビビると言う言い方はおかしかったかもしれないが、似たようなもんだ相手は、魔王はまだ傷を癒しきれるはずがない。そんな状況で1度負けた相手に勝負を挑むほどバカではないはずなんだ。
「違うの。もっとあとなの!1番大事なの!」
これを聞くといるはずのない娘と会話している気になるそれほど可愛いのだ。セレナは。
おっと、見とれてる場合ではなかったもっと奥?
ハイハイ、魁です。
どうでしょう。役終わ物語←勝手に作者が言ってるだけ。
まだまだ序盤ですけど面白そう!とか面白いな!と思って貰えましたか?
もしそうなら嬉しいです。最強
やはり男の憧れじゃないでしょうか。その最強もやはり時が経てば衰えるもので・・・しかし、何故かまた最強の座につかなきゃいけなくなった30すぎのおっさんの話です。
連載予定なので、楽しみにしててください。




