猫を風呂に入れる的な
お風呂回です(全然サービス回っぽくないですが
シャワーを浴びる。
特にする事があった分けではないが、結局1日運転の練習をしてしまった。
さすがに1日みっちり練習したからそれなりに発進はできる様になったが、なんだか疲れた。
「理想はこんな感じね」
手本を見せてくれると言うので席を交代した。
さすがにシートを前に出しているので、ちょっと手元が窮屈そうだ。
身長が低い分腕も短い分けだが、体の厚みは先輩の方がかなり分厚い。一部が…。
ブレーキとクラッチを踏んだ状態でシフトノブをローに入れる。ローは1速のことだ。
ブレーキを踏んでいた足をアクセルに載せ替え微かに踏み込むと同時にクラッチを戻すが完全には繋がない。
それでも車体がカクンと動き出す。同時にサイドブレーキを戻す。
車体がゆっくりと走り出す。
「ちょっと運転しづらいね、さすがに…」
足元を見ようとだいぶ運転席側に傾いていた。
「あ、すみません」
「いやいや、良いよ、よく見ててね」
「はい」
「これはまあ、安全運転って言う意味ではベターなんだけど、別に公道を走る分けじゃないから、ここまでする意味がなくて、これで良い」
さくっとサイドブレーキを戻して、さっとブレーキからアクセルに踏み換え発進する。
コースを半周して直線の端で一旦停止。
「で、これは悪い見本」
サイドブレーキを戻し、ブレーキペダルを踏んだまま、足首を捻って踵でアクセルを数回煽る。
ギヤをセカンド(2速)に入れる。回転数が上がり切る手前でブレーキを離しつつクラッチを繋ぐ。
「んふっ」
急激な加速に変な声が出る。頭が後ろに持っていかれる。
髪を洗い終えてある事に気づく。
自分が持ち込んだ以外のシャンプーやトリートメントがない。
「…」
何度かの失敗の後でアドバイスをくれる。
「ギアを入れない状態でアクセルだけ踏んでみて」
ギュオーと言う良くなさそうな音がしてちょっと不安になる。
「この車の場合7500rpm、このメーターの赤くなってる辺りまで回さない限りそうそう壊れないから安心して」
メーターは4000rpmにも届いてない。
「そして、普通にアクセルを踏んだくらいでは7500まで回らない」
「…」
「あと、利き足にも寄るんだろうけど、どうしても左足は反応が遅れるし、正確な調整が出来なかったりするみたいだから、意識してアクセルを踏んでからクラッチを繋ぐ様にすると良いかも」
「お風呂、先に使わせて頂きました」
「んー、そんな気を使わなくて良いよ、アレだったら他の部屋の使っても良いんだし、って何故全裸?」
ベッドに座り込んでいた先輩の後ろに回り込み両脇に手を突っ込んで持ち上げる。
「にゃーっ」
そのままバスルームに連行し、服を履いで放り込む。
「ぎゃー」
夏とは言え、いちおう手足からシャワーでお湯をかける。
身体を濡らし、最後は頭だ。
逃げない様に首筋を掴んだまま執拗に頭にお湯をかける。
お湯を止め、両手で泡立てたシャンプーで頭を洗う。
さすがに観念したのか大人しくなっているので、時間をかけてじっくりシャンプーを流しトリートメントする。
身体も隅々まで洗いお風呂を出る。
「うううううう」
大人しくなったと言うか、完全に弱ってしまったが、髪を乾かす。
濡れたまま放置は雑菌が繁殖する原因なのだ。
ドライヤーで乾かしている間、ちょっと寂しい気持ちも湧いてきたが仕方ない事なのだ。
ドライヤーの熱は髪を痛めるので直接当てすぎない様に注意して、頭にかぶせたタオルをあぶる様に乾かしていく。
最後に冷風でセットして完成だ。
翌朝、無事?猫耳になっていた。
ほんとうに寝癖なんだろうか…
不穏な感じにしようと思ったのに入らなかったので不穏なのはまた今度