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87.お姫様抱っこ


「リーゼはソラ殿と知り合いなのか?」


アントレ侯爵は来客の前でお嬢様らしからぬ言動をしたことはスルーするらしい。


オレもそのことについては特に気にしないからいいけど貴族の親としてはどうなの?


セスさんの表情は変わってないが目が呆れている気がする。


セスさんの高い執事能力を持ってしても親バカには対処できないのか!


「そうです。このへ・・・・。」


リーゼちゃんが止まった。


「へ」何?


変態じゃないよね。


オレ少なくてもまだリーゼちゃんの前だは変なことはしてないはず。


そんなオレの心配とは関係なく急にリーゼちゃんがアニメみたいに額からダラダラ汗を流し始めた。


あれ絶対大丈夫じゃないよね?


「リーゼ大丈夫か?物凄い汗がでているぞ。」


娘の尋常じゃない様子にアントレ侯爵が慌てている。


リーゼちゃんが壊れたロボットみたいにギギギっとアントレ侯爵を振り返る。


感情表現が豊かな子だな。


そんなリーゼちゃんの動きにギョっとしているのは親であるアントレ侯爵である。


「お、お父様。こちらにいらっしゃる方はも、もしかしてファルスの街を救った英雄ソラ様ですか?」


「そうだぞ。本日謝罪や報酬の受け渡しのためにお呼びすると言っていただろう。」


それを聞くとリーネちゃんは今度は汗がサーっと引いて顔が真っ青になってしまった。


ちょっとこれは拙いかも。


オレの目の前でリーネちゃんの体から力が抜けてフラつき始めた。


「あぶな!」


とっさに倒れるリーゼちゃんを支えちゃったけど貴族のお嬢様を平民の男が抱き抱えるのは良くないよね。


確か中世の貴族では嫁入り前に家族以外の男に肌を触れるのはいけないことだった気がする。


たしかそれが理由でいつも手袋をつけていて手に口付けをするのが特別なことだった気がする。


この世界ではどうなんだ?


アンさんはなぜかニコニコ顔だ。


アントレ侯爵はこの世の終りみたいな顔をしている。


セスさんの表情は読めない。


誰かなんか言ってくれ。


オレはリーゼちゃんを受け止めたままどうすれば良いのか分からない。


「アントレ侯爵。リーゼ様を部屋に連れて行かれたほうがよろしくないですか?」


お~い、侯爵返事して~。


「ソラ様、リーゼ様のお部屋はこちらです。」


おお、セスさんが動いてくれた。


でも部屋の扉を開けるんじゃなくてリーゼちゃんを受け取ってほしいんですけど・・・・。


あ、女性に頼まないとダメか。


「アンさん、リーゼ様をお願いします。」


ニコニコ顔のアンさんにリーゼちゃんをお願いする。


「いえ、非力な私ではお嬢様を落としてしまいかねません。申し訳ありませんがリーゼ様のお部屋まで運んでいただけませんか?」


貴族のお嬢様に触れていても良いのか?


女の子の部屋にオレが抱えて運ぶのはあまりよろしくないと思うんですが・・・。


そんな心配をよそにアンさんとセスさんがオレを急かす。


仕方ないのでリーゼちゃんを抱いてセスさんの案内について行く。


コレが俗に言うお姫様抱っこかな?


贅沢を言えばリーゼちゃんがもっと成長してたら至福の時を過ごせたんだが・・・。


一度でいいからお姫様抱っこしてみたいですね。その前に筋力を鍛えないといけないけどね

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