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新人たれ~転生者はヒキニートを目指す~  作者: 笛伊豆
第一章 0歳児

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4.これからの方針は決まった。

 それでもサラリーマンとしては一応定年までは勤めて結婚もして子供もいた、ような気がする。

 ひょっとしたら妄想なのかもしれないけど。


 とにかく転生したにしては前世の個人情報が曖昧過ぎる。

 忘れたかったのかもしれない。

 でも虚弱な肥満体だったという記憶はバッチリ残っているから、今世で私がまずやらなければならないことは体力の増進と維持だ。

 ダイエットじゃなくてトレーニング。

 別に運動選手(アスリート)になりたいとは思わないけど、せめて人並の生活が送れるくらいの健康は欲しい。


 よし。

 これからの方針は決まった。

 まずは身体を鍛える。

 運動選手(アスリート)なんか真っ平だが細マッチョと言える程度には身体を作ろう。

 勉強は人並に出来ればいい。

 お友達は……正直、いらない(笑)。


 前世でもそうだったけど、私は性格的にむしろ孤独が好きなようだ。

 というよりは人付き合いを面倒くさいと感じるタイプだった。

 その傾向は転生して更に強くなった。

 人間は社会的な生物だから人付き合いを通じて人格を完成させていくとどこかで聞いたけど、私の場合は既に「私」として完成している。

 人格的には既に成人と言ってもいいだろう。

 よってオトモダチも親友もいらない。

 恋人や女房もイラン。

 前世で散々嫌な目にあってきたからな。


 正直、前世での若い頃の記憶がほとんどないのでどうだったか判らないが、性欲がなかったはずがないのでそれなりにはあったのだろう。

 これについては私が自分で制御出来るものではないので成り行きに任せることにする。

 でも積極的には行くのはよそう。

 転生して美少女と恋愛するとか青春をやり直すなどという妄想はいらん。

 どんな美少女だろうが将来どうなるかは嫌というほど知っている。

 ていうか何があったのかは記憶にないが、とても嫌な状況だったことだけは確かだ。

 そういう感情が未だに心の外的障害(トラウマ)になっている。


 後は金だな。

 人がなぜ働くのかというと、原則は金だ。

 生き甲斐とか社会貢献とかはお題目に過ぎない。

 社会的地位も権力も仕事じゃなくて金についてくる。

 逆に言えば金がなければ生きていく事すら難しい。


 働きたくはないが金は欲しい。

 もちろん犯罪に走ったり宝くじとか馬券とかはあり得ない。

 合法的かつ確実に金を得る必要がある。

 苦労することは判っている。

 最初から手っ取り早く大金を稼ぐなんてことは無理だ。


 前世で読んだらしい小説では、転生者はなぜかお手軽で効果的なお金儲けの手段を知っていて、大した苦労もせずに若い頃から大金持ちになったりしていた。

 本人の能力や努力というよりは環境が都合良すぎることが要因だった。

 ふかふかのパンやラーメンや豚カツを作り出して大当たりしたり。

 そんなに簡単に出来るんだったらもっと前に誰かが作っていそうだ。

 本人の魔力だか何だかがないと完成しないというのなら、それはレアケースだから量産出来ない。

 従ってお金にはならない。

 つまり転生者が成功するためには自分の努力よりむしろ環境が重要だ。

 私の場合はどうか。

 環境は後にしても、若くして成功したり大金を稼いだりするような技能は持ち合わせていない。

 前世よりは幼少の頃に既に大人としての人格を備えているからマシではあるが、それはお金儲けに直結しない。

 子供には何も出来ないからな。

 出来るとしたらバイトくらいか。


 ということはやはり、成人するまでは地道にバイトでもして金を貯めるしかないか。

 もしここが日本なのだとしたら義務教育があるはずなので、どうやっても学校に行かなければならない。

 少なくとも中学校を卒業するまでは仕方がない。


 ということで方針は決まった。

 まずは自分を取り巻く環境を確認して、将来上手く引きこもるための方策を考える。

 それと同時にやらなければならないことがある。

 どんな状況でも必要な事は


・体力を作る

・お金を稼ぐ

・嫌われない


 今のところ、特にやりたいこととかないのでこれで十分だろう。

 読書は前世で十分堪能したからもういい。

 スポーツにも興味はない。

 芸術は最初から論外。


 よし。

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