第55話 佐々木、なんでお前がここにいる?
わたしには平和な日常が戻ってきた。
とはいえ不穏は時折入ってくるものだ。
「なぜ佐々木が家にいる?」
「いやぁ~、高橋のお父さんに呼ばれちゃって」
わたしが久美子たちとキャッキャウフフしてきた土曜日の夜。
帰宅したわたしが目にしたのは、わたしの父とキャッキャウフフしている佐々木の姿だった。
「おっ、帰ってきたな明日香」
父は既にお酒が入っていてご機嫌だ。
ちなみに佐々木の頬も赤い。
わたしは思わず時計を見た。
午後七時。
出来上がるには少し早い時間ではなかろうか?
「あら、明日香。お帰り。ご飯できてるわよ」
母がごちそうを手に持って現れた。
晩御飯のおかずは天ぷらのようだ。
それにしては、テーブルの上が少々賑やかではある。
刺身もあるし、焼き鳥もあるし、ロールキャベツもある。
意味の分からない組み合わせだ。
「佐々木君には明日香がお世話になったからね。お礼をしなきゃ」
「いやぁ~、お気遣いいただきありがとうございますぅ~」
父がニコニコして言えば、佐々木もニコニコと返す。
わたしは改めてテーブルの上を見た。
ビールと日本酒、そしてワイン。
なぜお酒の種類をひとつに絞らないのだ、父よ。
あとお礼するなら我が家ではなく、どっか店へ行けよ。
そもそも世話になった当人抜きに話を進めるな。
母がニコニコしながらサラダを手に持ってやってきた。
「まぁまぁ、明日香。あなたも座ったら?」
「ん。手、洗ってくる」
わたしは自室に戻って荷物を置くと、洗面所へ行って手を洗った。
ついでに顔も洗いたい気分だ。
化粧が崩れるからしないけどね!




