第17話 なに?
お風呂から上がってホカホカになったわたしは少し落ち着いたので、久美子に電話してみることにした。
「もしもし? 久美子?」
『あ、明日香! ようやく連絡がきたっ! おめでとっ!』
「ん? よくわからん。なんなのアレ?」
『その反応のほうが「なんなの」って感じよぉ~』
携帯電話の向こうで久美子がケラケラと笑っている。
「だってわたし、わかんないもん。新着ランキング1位ってなに? 公開した作品が1位をとったみたいだけど。一番新しい新着作品ってこと?」
『もちろん違うわよぉ~』
久美子はまだケラケラ笑っている。
わたしはマジでわからんのだが?
ちょっとムッとしつつ聞く。
「ならどういうことなの? 説明求む」
『しょうがないわねぇ、明日香は。あのね――――』
久美子の話を要約すると、わたしの公開した小説が公開開始から1ヶ月以内の新作によるランキングで1位になったようだ。
投稿サイトのほうに来ていた通知は感想が書かれたというものだった。
『えっ⁉ もう感想がついたの⁉』
「うん」
なんだか久美子にとっても驚かれてしまった。
わたしは何もわからなくてポカンとしてしまう。
感想がつくというのは、大変なことらしい。
わたしはひとつ賢くなった。
『ふふ。たくさん読まれたから、明日は期待できるわよぉ』
「え? 何が?」
『もう、明日香ってば。お小遣い稼ぎ目的で書いているのに鈍いんだから。読まれた、ってことは、お金がもらえるってことよ』
「あっ!」
そうだった。
わたしの目的はお小遣い稼ぎだ。
「えー、もうお金になっちゃうの? えー、すごーい」
『ふふ。すごいわよね。お小遣い稼ぎができる投稿サイトでも、ジャンルによって稼ぎが違ったり、ポイントの入り方が違うみたいだから、具体的な金額は分からないけど。新着ランキングで1位ならそれなりに期待できるわよ』
「おお」
そうなのか。
いくらもらえるのか楽しみだ。
『あ、でもすぐにもらえるわけではないからね? えーと、ポイントで入ってきて、お金に換金するときにはレートがあるから。あと申請の仕方とか、入金のタイミングとか、投稿サイトによって色々と違うから、何もしなくても明日にはお金が入ってくるってわけじゃないから勘違いしないでね』
「ん、わかってるよー。そこまでお子ちゃまじゃない」
わたしがブーブー言うと、携帯電話の向こうで久美子が笑う。
『ふふ。ならいいけど。お金のもらえるタイミングとか、申請の仕方とか、分からないことがあったら聞いてね』
「あーい」
他にも注意事項をいくつか受けて、おやすみなさいの挨拶をして、わたしは通話を切った。
「おお。なんか……ラッキー」
事情を理解できたような、できないような状態だったが、わたしは幸せな気分で眠りについた。




