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「耳より近く感じたい1~3」 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~  作者: 有澄 奏
season3 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~
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3-24-4 御守り

3-24-4 御守り 耳より近く感じたい3



ーー翌日、水曜日(8/4)


 大智は朝からスマホと睨めっこをしている。


「…う~ん、」


 スマホの画面に表示されているのはルリの電話番号だ。

 ルリに電話を掛けようと思ってから、かれこれもう1時間も経過している。


 弟成斗の通院の件で大智の方から連絡を取ったことはあるが、それ以外はルリの方から電話が掛かってきたりチャットがきていた。


 いざ大智の方から電話を掛けようとすると、話をどうきり出していいか分からなくなる。


 大智は悶々としながら、話す言葉選びに悩む。


「ルリ、久しぶり。6日に愛知に行くけど、土産、何か欲しいものある?

 …これ、普通な感じだよな…


 ルリ、元気か? ライブで愛知に行くんだ。土産何か買って来るよ。

 …これもアリかな…よし、掛けるぞ」


 テーブルの上のスマホを持とうとしたその時、着信音が鳴る。


♪~♪


 誰からかと思い画面を見ると、電話を掛けてきたのはルリだった。


 大智は驚き、思わず声に出す。

「ルリ?」


 直ぐに通話ボタンをタップし、電話に出る。

「もしもし? ルリ、どうし_」

[おはよう大智ぃ、起きてた?

 明後日(あさって)愛知に行くでしょう?

 その前に大智に渡したいものがあるの。

 もうすぐマンションに着くから、じゃあね]

「え? おい、」


プツッ、ツー、ツー…


 大智は唖然とする。

 そして我に返る。


「もうすぐ着くって、ハッ! 着替えないとっ、」

 大智は慌てて寝室に駆け込み、服を着替える。


 大智が着替えを済ませたと同時にインターホンが鳴る。

 直ぐにリビングに戻り、モニターを見る。

 エントランスにルリが立っている姿が映っている。

 大智はロックを解除する。


 少しして、ドアのインターホンが鳴る。

ピンポーン


 大智は玄関ドアを開ける。


 開けた玄関ドアが勢いよく引っ張られ、ルリが入ってくる。


「大智ぃ~、会いたかった」

 言いながらルリは大智に抱きつく。


 前回同様、ルリに抱きつかれた大智はしっかりと抱き留める。

「直接会うのは久しぶりだな、ルリ」

「うん、会えなさ過ぎて干からびるところだったぁ」

「ハハッ、大袈裟だなあ」


「大智、上がっていい?」

「ああ、入れよ」


 2人は離れ、ルリは靴を脱ぐ。


 リビングに移動し、ソファーに座る。


「で? ルリ、渡したいものって何だよ?」

「そうそう、会えた嬉しさで忘れる所だった。

 ちょっと待ってね、今出すから」


 ルリは背中に背負ったリュックを下ろし、中をゴソゴソし始める。


「あったあった、はいコレ」

 ルリは取り出した袋を大智に渡す。


「何だろう?」

 袋を受け取った大智は、中の物を取り出す。


「…御守り?」

「そう、交通安全の御守りなの。

 大智たち、交代しながら運転していくんでしょ?

 ミラーのところとか、好きな場所にぶら下げてね」


「ルリ…、」

「私の念もしっかり入れておいたから、安全無事故間違いなし!」

 ルリは右手の人差し指を立てて、笑顔で言う。


 久しぶりに直接会って見るルリの笑顔、大智は内心嬉しくて堪らない。

 そしてルリの気持ちも有り難い。


 大智は御守りをキュッと握り、優しい声で言う。

「ルリ、ありがとう。修の車に付けるよ」

「え、う、うん。へへ//」

 ルリは、大智が普段と違って余りにも優しく言うものだから、嬉しくなる。


「大智、セイちゃんが実家に戻ってホッとしたでしょ?」

「ん? ああ。

 あいつもバンド組んでライブ出来るようになったし、安心してる。

 ライブを演ったらファンがつく、以前までの成斗じゃ考えられなかったからな」


「セイちゃん、頑張ってたもん。

 好きな人の為なら、チカラ湧いてくるんだね、凄いなぁ」

「ああ、成斗は変わった、変われたのはオトハちゃんのお陰だ。

 もし高校で出会ってなかったら、オトハちゃんを好きにならなかったら、成斗はどんな高校生活を送っていたのか…、

 その高校生活も、あと半年で終わるんだな、」


「大智は変わらないの?」

「え?」

「大智も恋していいんだよ? もう大学3年生じゃない。

 フフ、まだ恋人作らないの?」


「お、俺は…、」

「うんうん」


 大智は話を変える。

「…っ、それよりルリ、愛知のお土産何がいい?」

「え? お土産?」

「ああ、」


 ルリは上を向いて考えた後、大智を見て言う。

「そうねぇ…、写真! 写真がいいな。

 大智が行ったり見たりした景色や場所が見たい!」


 大智はルリが意外なことを言うので、再度訊く。

「はあ? 写真? 食べ物とかじゃなくていいのか?」

「うんうん、荷物にならないし、スマホで撮るだけで簡単でしょ」

「わかったよ、ルリがそれでいいなら、写真撮ってくるよ」

「うん! 色んな写真撮って来てね」


 ルリはそう言うとソファーから立ち上がり、大智に言う。

「それじゃあ、私今からバイトがあるから、もう行くね」


「ああ、バイト前に悪かったな、ルリ」

「ううん、私の方こそ朝早くから押しかけてごめんね、大智」


 2人はリビングを出て玄関に向かう。


 ルリは靴を履き玄関を出る。

 大智もサンダルを履き、一緒に出る。


「エレベーターまで送るよ」

「ありがと」


 エレベーターが5階に到着し、昇降扉が開く。


 ルリは大智に抱きつき、言う。

「愛知でのライブ、頑張ってね」


 抱きつかれた大智は、言う。

「ああ、頑張るよ」


 2人は離れ、ルリはエレベーターに乗る。


 扉が閉まる。


 大智は部屋に戻り、玄関を閉める。


 リビングに戻り、テーブルに置いた交通安全のお守りを手に取り眺める。


(ルリ、ありがとう、俺、ライブで手ごたえ感じれるように頑張るよ)


 大智は御守りを胸に当て、心の中で思う。


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有澄 奏 mimichika Project「耳より近く感じたい」小説補完用個人Webサイト  https://uzumi-sou.amebaownd.com/
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