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13話 【作業厨】と変態教師

「あんっ! あんっ! あーん!」


 とっても大好きドラ○もんですね、わかります。


「またやっているのね。私はグルコサミン、この洞窟の所有者よ! 早くここを去りなさい! 私は独身なの。私も教え子の一人や二人くらいntrたいわよ! それなのにそうやってあなた達みたいな人が毎日毎日……。ふざけんじゃないわよ! これでも喰らいなさい! テッテレー『ケンジャニナール』!」


 今の状況。洞窟でイチャラブしているカップルを発見。グリコさんがキレた。そんな感じ。

 なんか途中から私怨になっているのでは……? とも思ったが、こっちにトバッチリがきても面倒なので黙っておく。こういうときは言わぬが仏だ。


 グリコさんが何やら怪しいひみつ道具をカップルにぶちまける。すると、赤く染まっていた二人が違う意味で真っ赤になった。主に顔が。


「「私達(俺ら)……! いやっ!」」


「あらーっ? こんな子供にそんな姿を見られちゃうなんてね。フハハハ! 満足満足。これに懲りたらもう私の前でイチャつくな……じゃなくて、この洞窟でそんなことをするな! リア充爆発しろ!」


 カップルは洞窟の外に服も着ないで逃げるように走り去っていった。

 ひでぇ。結局仕事より私怨というね。

 でも俺、ちょっと……! グリコさんには悟られないようにしないと。


「坊や、顔真っ赤よ? もしかして、妄想しちゃった? 可愛い……! ちょっと見せてみなさいよ」


「いや、やめてください」


「遠慮せずに!」


「いや、やめてください」


「もう、子供でもいいわ! 世間体なんてどうだっていい! さぁ、早く……!」


「【結界生成(バリア)】!」


 グリコがヤバそうなのでとりあえず隔離。ぶっちゃけ、【一括破壊(バークデリート)】しちまいたい、こんな変態野郎。俺は腰下美人の花を幾つか摘んで、洞窟の外へ出た。外に出るとギガントさんだけが待っていた。


「おう、もう帰ってきたか。おや、その様子じゃあもうコトは済ませて……」


「ないです! ありえませんから! あれ、父さんは?」


 さっきから父さんの姿が見えない。トイレかな? それとも先に帰ったのか……?


「ディークなら聖水直売店の試用スペースにいるぞ! 防音消臭。ツールも数多く取り揃えてるからな、あのディークのことだ。あと1時間くらいはぶっ通しじゃないか?」


 何がだよ! ちょっと父さん? あなたの威厳が今日一日で相当なくなってますけど。もともとあんまりなかったとかは言わないお約束。


「ね、だから坊や。私と……!」


「嫌です! ギガントさん、グリコさんをどうにかしてください!」


「あーこれはね。おい、もう花に影響されたフリはやめろ! お前は仕事柄、そういうの効かない体質だろ」


 あ。そういえばさっきそんなこと言ってたような。


「黙れ聖水ジジイ! せっかくあと少しで堕とせるところだったのに!」


 え? 落とせるって、何に? と言うか「落とせる」が「堕とせる」だった気がするのは気のせいだと信じたい。さっきから寒気が……。


「そうやってお前は。生徒からも『ビ。チ先生』だとか呼ばれているそうじゃないか! 折角の名門、王立魔法学校の教師になれたんだぞ? もうそういうのには足を洗え」


「アンタだって毎日お客さんと……じゃない! 死んだ母さんが聞いたらどう思うか」


「「……」」


 お互いに傷つくなら言わなければいいのに。なんかこの家庭のすごい闇を見た気がする……。


「おぉリック! 帰ってたのか……ってなんだこの空気は」


 父さんは少し息が上がっていた。ごめん父さん。今この場にいる誰の顔も見たくないんだ。


「ギガント、これはどういう……」


「「「……」」」



「あの……花です」


「おう、採ってきてくれたか! 協力感謝する。これでディーク専用の作り置きができるよ」


 えぇ……。もういいや。母さんに告げ口しよっと。あれ、でも母さんもあの本を。っという事は……! 意味ないじゃん!


 すったもんだあって、俺らはもう帰る事になった。


「また遊びに来いよ! 今度は大きくなってからか、いろいろ」


 もうツッコむのやめた。


「坊や! このアクセサリー、持ってて。何時か絶対に必要になる日が来るから!」


 グリコさんから渡されたのは、小瓶の付いたネックレス。中には花がいくつも入っていて綺麗だ。でも、これって女の子の付けるアクセサリーでは? あのグリコさんにも善の心が残っていたということか。


「でもこの瓶、絶対にあけないでね。絶対よ?」


 唐突の浦島太郎。これは「押すなよ」って言われると押したくなる現象だ。

 開けないよ? うん。


「じゃあギガントさん、グリコさん! またいつか!」


 二度と行きたくねぇ、こんなところ。

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