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桃尻

 「ふん、三十万位か。まだ駆け出しのようだな。貴様に勝っても順位はあがらないが……まぁいいさ。肩慣らしをさせてもらうっ!」


 春李は両拳の指をカッと開いて右手を前に、左手を後ろに構える。


 「おい、ちょっと待てっ! 順位って何? 聖戦って何? 俺なにも知らないんだけどっ! 」


 「……ではっ行くぞっ! 」


 俺の話を聞かないで春李はこちらに向かって猛突してくる。


 おいおい、冗談じゃあねーぞ、行き成り見ず知らずの女に襲われるなんてっ!


 頭の中はパニックで訳がわからないが取り合えず攻撃を回避しないとまずい。


 俺はその場に頭をかかえて低くしゃがんだ。


 シュバっ!


 俺の頭上を春李の右拳が掠める。


 あ、危ねぇ……。


 「私の初撃をかわすとは、中々やるな。だが次はどうだっ! 」


 しゃがんだ俺を目掛けて彼女の拳が振り下ろされた。


 それはまるで、虎が一匹の獲物を仕留める様な強烈な一撃だ。


 やべぇっ! こんな攻撃喰らったら一溜まりもねぇっ!


 「くそがっ! 」


 俺は低い体勢のまま両足に力を込めて前方に滑り込んだ。


 その後、空気を切り裂くような音が山道に響き、そこに風が発生した。


 「ふぅ、なんとか避けれたぜ……ってうん? 」


 何かヒラヒラとした物が俺の顎に当たっている。


 なんだこの感触は。


 正体を確かめようとギュッと閉じた目を開けてみると……。


 「どわっ! 」


 俺の視界にでかでかと映ったのは純白のパンティーだった。


 俺が滑り込んだのは彼女のチャイナ服の丁度切れ目になっている部分のようだ。


 スラっと伸びたしなやかな両脚、その中央には女の子のパンティーが大きな桃尻に食い込まれ苦しそうにしている。


 「な、なななな何をしているこの変態がっ! 」


 春李がそのスラッとした長い脚で俺の腹部を思い切り踏みつける。


 「ごふっ! 」


 もろにそれを喰らった俺は腹の空気が一気に出て行くのと同時に上半身が腹筋運動をしているかのように起き上がる。


 勢いよく飛び出した俺の頭部が行き着く先は……。


 むにゅっ。


 「ひゃんっ!」


 春李がびっくりしたのか可愛い声をあげた。


 俺の顔面は今、彼女の豊満なお尻に直撃した。


 柔らかいお尻がクッションになったのか衝撃はこない。


 代わりにやってきたのはなんともいえない心地よさと暖かい人肌の感触だ。


 例えるなら高級なクッションを触っている感触を俺は顔で感じている。


 「すーはすーは。」


 俺は思い切り息を吸って吐いた。


 その度に少し汗ばんだ女の子のいい香りが鼻腔を刺激し肺に広がっていく。


 ううん、いい香り。


 えっ? 今は戦闘中なのにこんなのん気してていいのかって?


 馬鹿野郎、こんな可愛い女の子の匂いを嗅ぐ機会なんて滅多にないんだぞ、思う存分堪能させろ。


 俺はさっきよりも息の吸う吐くテンポを速める。


 それにそって春李の身体がびくびくと震えるのだ、その振動が俺の顔を通じて伝っってくる。


 「貴様っ! 聖戦中にこんな破廉恥なことを……んんぅっ! 」


 白いカーテンの外で春李が甘い声を漏らす。


 そして。


 「このっ出て行けっ! 」


 脚蹴りが俺の溝を攻撃し、俺は外に弾きだされた。


 春李は耳まで真っ赤にして俺を睨みつける。


 「この変態めっ! 覚悟しておけ、必ず痛い目に合わせてやる。」


 再び彼女が構えをとる。


 が、俺にとってはもうそんなことどうでもいいのだ。


 俺は春李をあざ笑うかのようにニヤリと不敵な笑みを浮かべる。


 そして高々とこう宣言してやった。



 「お前の技はもう見切った。……ここからは俺のターンだっ! 」

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