番外編 ケイトの休みは暇なだけ
見てねー
五月晴れだった。 川辺に薫る初夏の気配を感じながら、京斗は太陽を見上げて呟いた。
「あ、黒点発見。やっぱり太陽が氷河期に入り始めてるのは本当なんかねぇ。」何でも簡単に出来てしまう彼にとって寒冷より温暖化を推進したらしい。
時刻はちょうど11時に差し掛かるところ、なぜ京斗が川辺にいるのか疑問に思う人もいると思うので説明しよう。
昨日の決闘は校長先生に許可を取っていなかったようなので無断決闘になってしまい、介智と共に一週間の自宅謹慎となったからである。
「なんか面白い事ねぇかなあ…」
体を起こすと川辺の向こうで背中に刺繍と気合の入った長学ランを着た、不良の集団の声が聞こえた。 その真ん中には集団でイジメられている少年が泣きながら土下座させられているのが見えた。
「こいつ、鼻水垂らしてやがるよ。汚ねえから川に流そうぜ?」
「どうせなら裸で両手両足縛ってよ」
「ひっ……!」
少年は震えながらしゃがみこんだ。 京斗はゆっくりと立ち上がり数十メートル先で殴る蹴るを続けてる彼らへ話しかけた。
「お前ら楽しそうなことしてるな。どうだい、そこの頭悪そうな戯けども。娯楽を提供してくれたらもれなく長期入院というのをセットでプレゼントするぜ。」
「オラ、さっさと飛び込めよ!!!」
「やっぱり両手ぐらい縛ろうぜ。」
反応は無い。それもそのはず、別に大声をだした訳でもなく、まるで隣の人に声をかける様な大きさだからだ。
京斗は無言で手のひらに炎を灯し、「火の玉≪ファイアボール≫」と、声音でいった瞬間 手のひらに灯した炎が球状になり、今度は盛大に声をあげて…
「俺もまぜろやゴラァァァァ!!!」
川辺ごと吹き飛ばし。訂正はない。
読んで字の如く、火の玉は第三宇宙速度に匹敵する速さを叩き出し、不良と少年を川辺ごと吹き飛ばしたのだ。
「ぎゃあああ!」
「だれだあいつ!!と、とにかく全員逃げろ!!」
「た、たすけ……」
「オラオラ、ドンドン投げ込むぞ!!」
ハハハと豪快な笑いと共に爆撃が起こっている。その一方的な光景にイジメてた不良もイジメられてた少年も、同様に恐怖して逃げ出した。
誤解はしないでほしい、京斗は少年を助けるために攻撃した訳では無い。
「オイオイオイオイ、だらしねぇな!!気合が入ってるのは格好だけかよ!!」
地団駄踏んでわらいつづけた。
「……。 つまんねぇ」
本音を心のそこから吐き捨てるように吐露した。
不良たちや少年を皮肉に思うことはあっても、楽しさなど一欠片もない。
試しに笑転げて見たが形だけだ。
虚しさをため息と共に吐き出した京斗はまた川辺に寝転がった。
物語と物語の間にあるプロローグみたいなやつなので、本編とはあまり関係ありません。次回もよろしくお願いします。




