本当のプロローグ
2人が帰って来て一ヶ月。私の周りは平和だ。虚雨達は2人の事をあっさりと受け入れてくれた。私の恋人は5人に増えた。
催眠災害はもう起きていない。二ヶ月も何もないならもう起きないと思う。万が一起きたとしても今は恋理がいるからどうとでもなるし。
催眠被害に遭った人たちも日常に戻っている。木喪雲さんはもう一度記憶を消す事を選んだ。今は大学に戻って頑張っているみたい。言剥、雨擦、浅間達も催眠の事を忘れて日常に戻った。糸識も様子を見に行ったら友達と仲良く話していた。琴葉ちゃんも今のところは前みたいに学校に通っているみたい。勿論様子は定期的に確認するつもりだけど。志鳥をいじめていた3人だって何だかんだ楽しそうに学校生活を送っている。志鳥は最近お城巡りを始めたらしく今度一緒に行く予定だ。
私も新しい日常に慣れた。少し騒がしいけど幸せな日常。2人が帰って来た後、私はまた催眠に頼る事になった。いなくなった2人が戻って来たんだから色々問題も起こる。それをどうにかするには催眠しかなかった。家族がいる恋理には海外に留学していた事にしたり色々と。胴内さん達の力も沢山借りた。今2人は私と同じ高校に通っている。今日は珍しく6人で一緒に帰っている。特に意味のある話をする訳じゃないけど楽しい。
「結局さ、愛はもう一度告白したんでしょ。何処でどんな風に告白したの?」
皆が話している様子を楽しく眺めていた私は恋理の衝撃の一言で強制的に話題の中心に連れて行かれた。
待って?愛そんな事まで話した訳?
「秘密」
「なんでよ」
「だって私と悲愛だけの秘密だから」
「えー何それ。じゃあ何でもう一回告白したなんていってきた訳?」
「自慢」
「私も知りたい!教えてよ悲愛」
枯花まで参戦してきた。止めてくれ。
「やだ」「秘密でーす」
「悲愛。顔真っ赤にしているけど。何したのさ」
言える訳ないじゃん。中学校に忍び込んで最初の告白の再現をしてもらったなんて。あの時はまともに答えられなかったから今度こそってリベンジしたのに照れすぎて顔を逸らしたなんて。催眠つかないで忍び込むのに凄く苦労したのにそんな事になったなんて恥ずかしすぎて絶対言えない。
「どうしよっか。脳波読み取る機械でも作る?」
「や・め・て。そんなヤバイ物ポンポン作らないでよ」
「え?別に良くない?世界を変えるようなものじゃないよ」
「だ・め。止めて」
「はーい。それでどんな告白した訳?」
「恋理そんな事興味ないでしょ!」
「いやあるよ。だって愛と悲愛の事だから」
「絶対秘密!なんでそんな事聞きたがるのさ!」
「何言ってんの。恋愛話なんて私達の一番の好物でしょ!」
「やめて。それでこの後どうする?折角平和になったんだしどっか遊びに行こうよ」
「話変えた」
「虚雨うるさい。催眠使って黙らせるよ」
「あ、暴君だ暴君」
「そうですけど?あ、まだ膝枕してもらってない」
「あ、開き直った。自分の為には催眠使わないって言っていたくせに」
「出来る限りです。で膝枕は?」
「何の事?」
「そっちの方がひどいじゃん!絶対今度してもらうからね」
「ねえ、私お腹空いた。何か食べに行こうよ」
「否穂今いいとこなんだから待って」
「どこ行く?否穂は何食べたいの?」
「最近できた焼肉店、牛タンが凄く美味しいって」
「話終わってないよ」
「もういいから。終わり終わりこの話終わり!」
こうやってくだらない話をしながら笑い合って帰る。それがとても幸せ。
この世界の正しさとかわからないし、私がしてきたことが正しいとは思えない。きっと世界に迷惑を掛けてしまっているし、世界を変えてしまってもいる。その結果がどうなるのかはわからない。きっと私あったなけなしの正当性は愛の為に使った催眠と恋理を受け入れた事でなくなった。多分、あの世があるなら裁判に掛けられる。地獄に行く可能性も充分あると思う。
それでも今この瞬間幸せなのは間違いない。この先の事なんてわからないし、どうなるのか予想もつかない。結局私の目には催眠があるし、ワープマシンだってある。恋理はこれからもとんでもない物を作り続けるに違いない。きっと考えなきゃいけない事は山積みで、しなきゃいけない事も沢山ある。きっと嫌な思いもする事になる。それでも今私には5人の恋人がいる。
やっぱり現実世界には主人公なんていない。きっと愛と恋理は異世界で物凄い経験をしてきたに違いない。多分物語の主人公になれるような。だけど今一緒に歩いている2人との未来にはそんな物は関係ない。愛はこの世界で特別でいる事を止めた。恋理はこの世界に興味何てない。主人公なんていなくてもこの世界はいつも通りに進んでいる。
私の生活から催眠災害は消えて平穏な日々が戻って来た。一つ違うのは私の周りには前よりも沢山の特別な人がいる事だ。家族や彼女。だから私はこう思うことにした。私の見える世界の主人公は私の大切な人たちでその大切な人たちと生きていけるなら幸せだって。
恋理と愛とまた一緒の時間を過ごすことが出来る。これからも虚雨と否穂と枯花と過ごす事が出来る。だからこの結末は私にとってはハッピーエンドだ。
私はこの世界を笑いながら生きていく。だってこれは私の人生で私達の話だから。
愛と恋理と悲愛と彼女達の話 始まり
ここまでお読みいただきありがとうございました。これでこの物語は完結です。少しでも面白いと思っていただけたなら幸いです。
次は「紗月と詩織の間違った選択~恋と罪と幽霊と~」の第4章を更新する予定です。予定では6月~7月の間です。お待ちいただけたら嬉しいです。
連載中の作品として「紗月と詩織の間違った選択~恋と罪と幽霊と~ 」が現在第3章まで完結済みの作品として「恋は不思議と一緒に」があります。もしよろしければこちらも読んでください。
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