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宇宙人は塩対応。

 雅美が、沙織と三人の食事を用意してる時、Kevinは富井にインタビューを試みた――


「ハジメマシテ。ワタシノナマエハ、Kevinデェ――ス。アナタノ、オナマエ、ナンテェ――ノ?」


「え? あぁ、僕? 僕の名前は、富井敬。皆、TOMYって呼ぶんだ」


「OMG! ヤッパリ、アナタハ、TOMYナンデスネ?」


「え? やっぱりって? 僕の事を知っているの?」


「YES! カワラデ、ロケットノ、ツウシンヲ、キキマシタ!」


「あ? 宇宙放送局を受信したって事……じゃあ、君が、交信したKevinなのかい?」


「YES! アナタハ、ウチュウカラ、ヤッテキタ、ウチュウジン。デスネ??」


「宇宙人って言い方は変だよ? 宇宙で生きている人なら、君だって宇宙人じゃないか?」


「OH、ソレハ、ソーデスケド……」


「でも、面白いのはさ、宇宙人って言葉は、人であることが前提なんだよね」


「UUUUUM」


「で?」


「アー。ツマリ、YOUハ、ナニシニ、ニッポンニ?」


「僕が日本に来た理由? あぁ、良い質問だね。実は、このままだと人類は滅亡するんだ。だからさ」


 TOMYは、あっけらかんと、とんでもない恐ろしい事を言ったが、聞いていたのは、Kevinと恭一だけだった――


 「さぁ、召し上がれ」


「うわぁ、美味しそう」


「夕飯ラッキーだお」


「OH、BEAUTIFUL。ソレデハ、イッタン、ショクジニ、シュウチュウシマァ――スッ!」


 沙織と三人は、雅美の手料理に舌鼓を打った――


「旨す! 沙織さんがお好み焼きをパスする理由が良く分るよんっ!」


「エヘヘ。まぁ、家は貧乏飯ですけど、母さんの料理が一番なの。めぐみさんの口に合って良かったぁ」


「貧乏飯って言うけどぉ、安い食材を使い慣れていないと、この味は、出ないんよねぇ」


「七海ちゃんの言う通り」


「マジデ、カラダニ、ヤサシイ、アジデスヨォ。タイシタコト、ナイヨウニ、ミエテ、マンゾクカンガ、ハンパナイデスネェ」


 食いしん坊の良太は、そんなに美味くない雅美の料理を、皆が褒めるものだから、おかずを覗き込んで、眼を剥いた――


「あぁ――――っ! 魚肉ソーセージ、ウインナーの更に上を行く、豚肉が入っているぅ――っ! しかも、塩昆布で炒めてあるじゃん、ズルいよっ!」


「嫌だねぇ、この子は、お客さんの前で。お客さんなんだから、当然でしょう?」


「差別だよっ!」


「人聞きの悪い事を言うんじゃないよっ! 海外から来た人を雑に扱う分けに行かないだろ? それに、沙織の友達なんだよ? 女の子だよ?」


「だからって……」


「お黙りっ! 女の子が好む小洒落た料理より、ガツンと来る奴にしてくれって言ったのは、お前じゃないか?」


「そうだけどぉ……」


「食い意地ばっかり張っていると、お客さんに笑われますよっ!」


 良太は。指を噛んで堪えた。その姿に一同が爆笑した――


    

 〝 あ――――――っはっはっはっは。きゃっはははははは。わっはっはっは ″



 談笑の中で、夕飯を終え、お開きとなった。元社員寮に戻る恭一とTOMYを、Kevinは引き止め、必死で食らい付いた――


「チョット、チョット、マッテクダサイ。ワタシハ、UFOト、ウチュウジンヲ、サガシテ、ニッポンニ、キタノデェ――スッ!」


「えぇっ!?」


「あぁ、そう。ご苦労さん。さぁ、行こう」


 驚く恭一を余所に、TOMYは意に介さなかった――


「HEY! TOMY! COME、O――N! ワタシニ、キョウミナイノデスカ??」


「無い」


 TOMYは、超然としていて、Kevinに背中を向けて部屋に入ろうとしていた――


「チョット、マッテクダサイ。ッテカ、マテッ! モット、ワタシニ、キョウミヲ、モッテクダサイッ!」


 Kevinを見守るめぐみと七海――


「めぐみお姉ちゃん、Kevinが人気の無い地下アイドルみたいな事を言ってるお?」


「まぁ、宇宙人から見れば、迷惑な追っかけよな。ぷぷっ!」


 TOMYは、暫しの間、Kevinの聞き取り辛い日本語のインタビューに答えていると、KevinはUFOと宇宙人をネタに売名行為をする様な俗物ではない事が理解出来た――


「だからさぁ、僕は、人類を救うために来たんだよ……今、此処にいるのは、日本の神様のお陰さ。きっと何時か、僕も神様に会える日が来ると思うんだよ……君が宇宙人と会いたがっていた様に。分かるだろ?」


「ワカルゥ―――――――――――――ッ! ササルゥ―――――――――ッ!」



 めぐみと七海は、半泣きのKevinに呆れ、帰路に就いた――


「だけどさぁ。あのTOMYって人も分かってねぇよなぁ」


「何が?」


「だって『きっと、何時かって』もう出会ってるじゃんよ――ぉ。目の前に居たっちゅ――のっ!」


「まぁな」


「日本は、神様だらけで渋滞してるっちゅ――のっ!」


「確かになぁ……」



 ―― 三月十八日 仏滅 乙亥



 実は、契約に来た企業の担当者に、恭一が一筆入れた契約書を渡した。すると、その文言に目を通した担当者の顔色が変わった――


「えっと、、これは?」


「は? 契約ですから。こちら側の条件も記載したのですが? 何か?」


「いやぁ……」


「何か問題でも?」


 実が睨むと、担当者は狼狽した――


「あっ、あぁ、問題は、無いと思いますぅ……いえ、有りませんが……」


「では契約を」


「いえ、私の一存では、決定できませんので……一度、持ち帰らせて頂いてからでも、よろしいでしょうか?」


「はぁ。しかし、あなたに決定権が有るはずでしたよねぇ? 持ち帰らないとサインが出来ないのですか?」


「いやぁ、まぁ、組織と云うのは……色々でして……契約書の内容に変更があった分けですから、、一応、持ち帰ってですねぇ……」


「あぁ、そうですか、どうぞお持ち帰り下さい」


「はい……では、失礼します。結果が分かり次第、直ぐに連絡をしますので……」


「あぁ、急がなくて良いよ」


 実の反応に、担当者はムッとした――


「はぁ?」


 すると、実は、吐き捨てるように言った――


「返事は急がなくて良いと言っているんだっ! もう、あなた方には期待していませんから」



 担当者は、急に態度が変わった実に、尻尾を掴まれたと確信した――






お読み頂き有難う御座います。


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