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世界の謎

石碑の間に到達したカイン達。そのカイン達の前に、またもやミノタウロスが出現した。

 このミノタウロスは、石碑の内容を伝える、と言った。ということは、石碑に書かれている内容を、俺達に教えてくれる、ということて間違いないだろう。


「お前達、よくぞ『次元斬』を使用してミノタウロスを倒し、ここまでたどり着くことが出来たな。」


「いや、『次元斬』は取得したが、さっきのミノタウロスとの戦いでは、『次元斬』を使わなかった。」


「なんだと?どういうことだ?」


 俺は、ミノタウロスに、これまでの経緯を説明した。


「なるほど。第4階層にて、そんなことがあったのか。これは、我々の想定外だ。それならば、『次元斬』以外では、お前自体が、対抗手段になるということか。これは、嬉しい誤算だな。」


 俺から経緯を聞いたミノタウロスは、一人で勝手に納得しているような感じだ。だが、俺達は、何に対抗すればいいのか、全く分からないのだ。


「いや、すまん。今のお前達では、我が何を言っているか、検討もつかないだろう。だが、この石碑の内容を伝えれば、我が言っていることも分かるだろう。

 だが、覚悟することだ。この石碑を見たということは、それなりの責任を負うことになる。きっと、ここに来たのも、宝探しの延長ぐらいの軽い気持ちだったはず。だが、石碑の内容を知ることで、お前達の立場は大きく変わることになる。それでも良いか?まあ、ここに来た時点で、お前達には、石碑の内容を知る義務があるんだ。必ず聞いてもらう。」


 ミノタウロスは、俺達に念押しとも言える確認をとった後、石碑の内容について語りだした。


「この遺跡は、『石板の遺跡』という。この遺跡が造られた目的は、防御不可かつ防御力無視のスキル『次元斬』を中心に、強力なスキルを授けるための修行場にするためにある。ただし、何の目的もない者に『スキルの石板』を渡すわけにはいかないので、この遺跡には、3つの封印をかけてある。

 1つ目は、別の場所にある、『封印の遺跡』にて、封印魔法を作動させ、この施設自体を地中深くに封印すること。

 2つ目は、石板を守るために、一定以上の強さを持った石像を配置すること。

 3つ目は、アナゴンダシステムだ。このアナゴンダは、通常のアナゴンダと違い、石像よりも強い力を持たせてある。それは、万が一、ここの遺跡を発掘等により発見されることのないように、普段は地中に隠れて待機している。だが、『封印の遺跡』にて、封印が解かれた時は、例外処理が始まる。それは、アナゴンダが動きだし、沢山の子を産むことで、アナゴンダの数を増やすことからはじまる。そして、遺跡が外に姿を表した後、この遺跡内の石像を破壊し、スキルの石板を大量に出現させること。通常の人間では、石像を破壊することができないから、アナゴンダが人間に変わり、石像を破壊することになる。その間は、人間の邪魔が入らないように、周りの余計な物を排除するのだ。『封印の遺跡』の封印が解かれることは、緊急事態だから、自動的にアナゴンダが作動する、というわけだ。緊急事態だから、スキルの石板を、無限に出現させ、周辺一体の人間全ての強さを底上げさせるということだ。」


 ミノタウロスの説明の途中だが、俺はアナゴンダのことを聞いて、かなり驚いた。

 冷静に考えてみれば、アナゴンダの大群は、大河川フルーメンの周辺の町の船や、船を造る可能性のある施設だけを破壊していた。『ルンソド』の魔草の養殖場には、一切手をつけていなかったのだ。それもそのはず。要は、フルーメンの湖に、全ての人間を近付けないようにしていただけたのだ。

 大群が襲ってきたのも、俺達が船を出発させていた時のみだった。アナゴンダの大群は、決して人間を襲っていなかったのだ。巨大なアナゴンダだって、俺達の姿を確認した際、直ぐには襲ってこなかった。まずは、雄叫びで船を破壊することに専念していたんだ。

 アナゴンダの謎は、これで一気に解決したんだ。ということは、『封印の遺跡』の封印が解かれたということなのだ。これについては、今後直ぐにでも調べる必要がある。何故なら、封印が解かれること自体が、錦秋事態だとミノタウロスが言っていたからだ。


 今後も、ミノタウロスの説明を聞くことで、間違いなく、この遺跡の謎が解明するはずだ。


「この遺跡を修行場にした理由なのだが、それは、ある者に対抗するためだ。その『ある者』とは、『7大怪物』のことだ。

 『7大怪物』とは、千年前に存在した、現在は封印されている厄災とも言える怪物達だ。この怪物達のせいで、世界の半分は壊滅してしまった。

 そんな中、怪物達を何とか討伐しようと、何度も何度も軍が派遣されたのだが、怪物のあまりの強さに、全く歯が立たなかった。

 そこで、世界各国の王が集まり、怪物の討伐会議が行われた。そこで決められたのは、この世界の人間だけでは太刀打ちできない怪物を、『別次元』にいる『魔人』と言われる者達に、討伐の手助けをしてもらうということだった。

 しかし、『魔人』でも、全く倒すことはできず、怪物達を封印するしかなかったのだ。しかし、怪物達のあまりの強さに、封印することもできなかった。だから、『魔人』は、最後の手段をとることになる。

 それは、『弱体の呪い』というスキルを使うことだった。『弱体の呪い』とは、この世界全体を弱体化する、というもの。それは、大地から生物まで、ありとあらゆる者全てを大幅に弱体化するのだ。当然、怪物達も例外ではなく、『弱体の呪い』により、怪物達も弱体化することに成功したのだ。

 だが、1つの問題が生じた。『弱体の呪い』は、助太刀に来た魔人までも弱体化してしまう。弱体化した魔人では、結局怪物を封印することはできない。だから、怪物の封印は、別次元にいる魔人が、別次元から、怪物を封印するという方法をとったのだ。

 これにて、7大怪物を封印することに成功したのだが、ここでも問題が起きた。なんと『弱体の呪い』は、そのスキルを使った魔人が弱体化したことで、この呪いを解くことができなくなってしまったのだ。つまり、この世界は、永遠に『弱体の呪い』がかかっているのだ。

 さらに、別次元から怪物を封印したことにより、封印は不完全なものになってしまった。その封印は、永遠のものではなく、いずれは解けてしまう。だが、怪物の封印がいつ解かれるかは分からない。

 それで魔人は、対抗策をとった。怪物の封印が解かれても、この世界の人間で対抗できるようにと、この『石板の遺跡』を建造したのだ。この『石板の遺跡』は、『別次元』で直接建造してから、この世界に転送したもの。だから、建造物自体は、『弱体化の呪い』の影響が出ないのだ。当然、アナゴンダにも影響が出ない。

 しかし、『石板の遺跡』を封印するための『封印の遺跡』は、長年の影響で弱体化してしまった。だから、怪物と同じように、ある程度時間がたてば、封印が解かれてしまうようになった。本来ならば、怪物の封印が弱まった時に、石板の遺跡の封印を解くというシステムだったのだが。今はどうなっているのか分からないのだ。

 封印した7大怪物は、『怪物の遺跡』となって、この世界に残っている。その姿は、まさに怪物そのもの。しかし、それは、巨大な石像にしか見えない。これが、『世界の謎』の全てである。

 このことが、この石碑には刻まれているのだ。」


 ミノタウロスから、世界の謎についての説明を聞いた俺は、現状の整理をしてみた。


 この『石板の遺跡』の封印は、別の場所にある『封印の遺跡』により封印されていたが、封印が不完全のため、姿を表した。本来なら、アナゴンダが石像を破壊してスキルの石板を大量に出現させるはずが、俺達が討伐してしまったのだ。それにより、パワーアップをしたのは、この国では俺達3人しかいないのだ。

 この事実は、7大怪物が復活したら、俺達3人だけで全てを討伐する必要がある、ということになってしまったのだ。


 

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