↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
成長素質オール1の雑魚だったが裏スキルのおかげで世界最強  作者: 掘削名人
第四章 王都『レジース』
PR
30/59

激突!レオナルド対ノーラン

ついに、レオナルドとノーランの対決が始まる。

 ウルプス大闘技場。ここは、毎年闘技大会が行われる。参加者は、主に冒険者だ。この大会は、王都『レジース』の貴族達も観戦に訪れる。

 優勝者は、ランクSに昇格する者もいる。貴族も観戦することで、貴族に認められる大きなチャンスとなるわけだ。その為、毎年、多くの参加希望者がいるのだ。

 予選を勝ち抜いた16名が、本選へと進むことが出来るのだ。予選を勝ち抜くことが出来るのは、ランクB以上の冒険者がほとんどである。


 今年は、『神速のノーラン』の優勝で幕を閉じた。ノーランは今回優勝したことで、ランクSに昇格。貴族の仲間入りをする。

 だが、『最強のレオナルド』不在の優勝など、本当に価値があるのか?と疑問に思う者がいたのだ。


 そんな中、急遽、貴族の大臣『ベネット』主催による、エキストラマッチが本日行われることになった。

対戦カードは、『神速のノーラン』対『最強のレオナルド』。この事は、国中に広がり、ウルプス大闘技場は、満員となっていた。観戦者の数があまりにも多く、立ち見するものまでいるという混雑ぶりであった。


 対戦予定時刻になり、ノーランとレオナルドが姿を表すと、会場の興奮はピークに達した。完全に場内アナウンスが聞こえないほどである。


 舞台の中心にて、一定の距離を取り、構える二人。レオナルドは、剣を両手で持ち、前上段の構えを取る。ノーランは、左半身を前に出し、両腕をを少し前に出し、顔の高さに置く構え。

 両者とも、試合開始の号令を待ち、集中力を高めていく。会場は、レオナルドとノーランのコール合戦が起きていた。

 闘技大会の本来の優勝候補であるレオナルドの強さを期待している者、ランクSとしてのノーランの強さを確認したい者、人気は、完全に二分していた。

 観客の中には、どちらが勝つのか賭けている者もいる。人気と同じように、オッズも二分していた。


 試合開始の号令が鳴った。両者は、お互いを警戒しているのか、一定の距離を保ちながら、ゆっくりと右周りに円を描くように歩いている。両者とも、相手の出方を伺っているのだ。


 自力で勝るのはレオナルドだ。レオナルドの裏スキル『全能力値2倍』は強力だ。まともに戦っては、ノーランに勝ち目はない。よって、ノーランは能力値アップ系のスキルを駆使するしかない。だが、能力値アップ系のスキルは、WPの消耗が激しいから、無駄打ちはできない。その為ノーランは、レオナルドの出方を待つ戦法を取った。


 一方、レオナルドも攻めあぐねていた。先日のレジース中央広場での前哨戦。ノーランは、能力値アップ系のスキルを2回使用することで、一時的に、レオナルドを大きく上回る強さを誇っていたのだ。迂闊に攻めれば、強力なカウンターを受けてしまう。


 両者とも、出方を伺う様子を見て、どんどん緊張感が会場全体を包んでいった。観客も、その空気を察したのか、静かに試合展開を見守るようになっていく。

 会場が静かになったことで、レオナルドとノーランの集中力がどんどん増していった。


 先に動いたのは、ノーランだった。ノーランは、腕力、体力に速力をスキルにより1回強化し、レオナルドの懐目指してダッシュした。


「おそい!」


 しかし、レベルが60にまで上がっているレオナルドにとって、一回だけしか強化していないノーランの動きは遅いものだった。レオナルドは、ダッシュするノーラン目掛けて剣を振り下ろす。

 剣がノーランの額に命中するかと思った瞬間、急激にノーランの反応速度が上がった。ノーランは、レオナルドが応戦した瞬間に、2回目の速力アップをしていたのだ。

 

 レオナルドの剣は空を切り、一瞬でレオナルドの右懐に潜ったノーラン。その瞬間、ノーランの右拳がレオナルドの脇腹を襲う。


 だが、ノーランの右拳は空振りに終わった。レオナルドは剣を振る勢いを利用して、前方宙返りをしていたのだ。


 宙返り中は、完全に無防備になってしまうのだが、ノーランはレオナルドに追撃をしなかった。何故なら、能力アップ系のスキルを2回使用したことによる制限で、スキルが直ぐに解けてしまったからである。


 この試合のファーストコンタクトは、ノーランの作戦負けであった。レオナルドとの勝負には、能力アップ系のスキルが必要不可欠。だが、MPの消耗が激しいので、短期決戦を狙っていたのだ。しかし、これでは、先日のレジース中央広場での前哨戦と、同じ手段だったのだ。レオナルドに読まれて対応されるのは仕方がなかったのだ。ノーランは、短期決戦を狙うあまり、焦って攻撃を仕掛けてしまったのだ。

 自力で勝るレオナルドに勝つための正解は、距離を保って魔法で攻撃するべきだと、ノーランはようやく気付いたのだった。


 レオナルドは、前方宙返りを終え着地し、ノーランを視界に捉え構えを取った。レオナルドがこの戦法を取ることができたのは、先日の前哨戦で、ノーランの手の内を見ることができたことが大きかった。これで、ノーランは大量のMPを消耗したはず。ファーストコンタクトを終えて、一気にレオナルドが優位に立ったのだ。


「くそ!」


 初撃を失敗したことで、ノーランは戦法を変えてきた。ノーランは魔法を詠唱し、ノーランの周りにいくつもの魔法の槍を出現させてゆく。赤、黄、青色の魔法の槍を3本ずつ、計9本出現させたノーランは、魔法の槍を発車せずに、ノーランの周りを高速回転し始めた。その回転速度は凄まじく、ノーランの姿が霞むほどだ。


 初めて見るノーランの魔法の使用方法に、会場は困惑していた。何故、魔法を発射しないのか、と。

 しかし、レオナルドは、直感でその理由を察知し、構えを速さ重視に切り替えた。


「いくぞ!」


 9本の魔法の槍に包まれたノーランは、レオナルド目掛けてダッシュした。魔法の槍を纏った状態でのレオナルドとの接近戦。

 これは、事実上、ノーランの槍9本対レオナルドの剣1本ということになる。


 いくら、自力の勝るレオナルドとはいっても、たった一本の剣で、9本の槍をさばくことなど不可能なのだ。レオナルドは最初は応戦したが、手数が多いノーランの魔法の槍の前に防戦中心になっていく。

 そして、ついにノーランの赤い槍がレオナルドに命中した。


「がはっ!」


 レオナルドは、爆発の衝撃で後ろに吹き飛んだ。10メートル程吹き飛んだところで、なんとか着地に成功するも、ノーランは、残った8本の魔法の槍をレオナルド目掛けて発射する準備をしていた。


「くそっ。こうなったら!」


 ピンチと見たレオナルドは、自信の最高の攻撃を仕掛けることになる。剣に爆発の魔力を纏わせ、ノーランへ向けて、剣を投げつけた。これは、レオナルド最大の攻撃スキル『ショット』である。


 レオナルドが剣を投げつけたと同時に、ノーランも残った8本の魔法の槍を全て発射した。


 ノーランの魔法の槍8本と、レオナルドの剣がぶつかると思った瞬間に、ノーランの魔法の槍は8方向に飛散し、それぞれ別々の起動をしながらレオナルドを襲っていく。


 『ショット』後、武器を持たないレオナルドは、魔法の槍に対して応戦できるわけもなく、全ての魔法の槍が命中した。


 一方、加速しながら突き進むレオナルドの剣を前に、最後のMPを使用して、速力アップを2回使用し、なんとかギリギリ交わすことに成功したノーラン。しかし、レオナルドの剣が地面に刺さったことにより、レオナルド爆発の魔法剣が発動。ノーランは、爆風までもはかわすことが出来ずに、もろに爆風を受けて吹き飛ばされてしまった。


 魔法の槍全てが直撃したレオナルド。爆風を受け吹き飛ばされたノーラン。二人とも立ち上がることは出来なかった。


 よって、この試合は、ダブルノックアウトで引き分けとなったのである。


 結果として、『最強のレオナルド』はその強さを示し、『神速のノーラン』は、ランクSとしての意地を見せたのであった。


 ダブルノックアウトにより、会場は大いに盛り上がり、幕を閉じたのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。