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予言が語らなかった「英雄」の意味  作者: クリームコーラ


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第11.5章 「汝の友たちよ、その忠誠を試した者たちよ、鋼の輪で魂に縛り付けよ。」[Part 1 of 2]

夜――この聖都から遠く離れた別の場所で。

同じ日のこと、あの青年とカリナが食べ物を分け合いながら宴を続けている頃。


かつて青年を教室へ案内した女――マリーは、罪人たちの村の中央にある、明かりひとつない粗末な家へと足を踏み入れた。


「よぉ! その身体の具合はどうだ?」

マリーは、左手に巻かれた濡れた包帯を外している女に声をかけた。


「この身体の調子が良いなら、わざわざあんたの“ユニーク魔法”なんて頼まないわよ」

女はそう言い放つと、湿って粘ついた包帯を自分から遠くへ放り投げた。


「うわっ、くさっ! ずいぶん酸っぱい匂いね」

マリーは顔をしかめて嘲る。


「悪かったわね。何度も身体を洗ったけど、この傷、ずっと鼻を刺すような酸っぱい臭いを出し続けてるのよ」

女は淡々と答えた。


やがてマリーは慎重に魔法のランタンを灯し、その女の左手を確認する。

そこには、あまりにも酷い火傷の痕が広がっていた。


皮膚はほとんど失われ、赤、白、そして黒が入り混じった、目を背けたくなるような傷跡だけが残されている。


「へぇ……聖都に無断で入っただけで、ここまでの罰を受けるの?」

マリーは仮面を身につけながら問いかけた。


「さあね。あの二人、相当機嫌が悪かったみたいで、その鬱憤を全部あたしにぶつけてきたのよ。でも、この程度の傷、問題じゃないわ。もしこれが“それ”を手に入れるための代償なら――右手だって喜んで差し出してやる」

女は迷いなく言い切った。


「はいはい……その傷がどれだけ醜いか、自分で見たら、そんな台詞も引っ込むんじゃない? それにしても、相当痛むでしょ。私の見立てだと、ただの熱湯じゃないわね……酸も使われてるみたい。あんたの左手、徹底的に壊すために」

マリーは冷静に告げた。


「この傷が痛むって分かってるなら、無駄口叩いてないでさっさと動きなさい」

女は淡々と言い放った。


「はいはい。ったく……こんなグロい傷、滅多に見られないんだから。ほら、これ噛んでなさい」

マリーはそう言いながら、まだ真っ白で清潔なタオルを女の口元へ差し出した。


「は? なんのために? それに、あんたの魔法ならもう何千回も受けてるわよ」

女は訝しげに返す。


「うるさい! このヨボヨボババア! いいから噛めって言ってるの! 今回は――初めて“人間”にこの魔法を使うのよ! 患者は医者の言うことを聞けって、記憶の中の私は言ってなかったの!?」

マリーは苛立ちを露わに怒鳴った。


「……はぁ、分かったわ。ほら、寄越しなさい」

女はそう言って、タオルを口にくわえた。


「……よし、始めるわよ」

マリーは額の汗を拭い、深く息を吸い込む。


静かに、彼女は己だけが持つ“ユニーク魔法”の詠唱を開始した。

それは――


「状態を、元に戻す」


あまりにも常識外れのその魔法。

理屈の上では、マリーはこの世界で不死に等しい存在になり得る。

そして、長年ベッドに伏せたままの母でさえ、救えるかもしれない。


だが――


その代償は、あまりにも残酷だった。


「ア゛……ア゛ア゛ッッ!! ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッ!!!!」


赤髪の女は、タオルを噛み締めたまま絶叫する。


つまり彼女は今、再び味わっているのだ。

踏みつけられ、鞭打たれ、捻じられ、沸き立つ化学薬品を浴びせられ、

そして群衆から吐きかけられた、あの冷たい唾の感触までも。


たとえ今が“治療”であろうと――

この瞬間こそ、彼女がその魂を鍛え上げねばならない時だった。


たとえ気を失おうとも、

痛みは終わらない。

彼女を叩き起こし、何度でも、何度でも、完全に戻るまで蝕み続ける。


「セシリア、耐えなさい! もう少し、もう少しで終わるわ!」


「ッ……!!!!」


噛み締められたタオルは、次第にその柔らかさを失っていく。


(どうして……!? この痛みには慣れているはずなのに……どうして、こんなにも……!)

(くそっ……この身体が、まだ若すぎるせい……!?)


気づけば、セシリアの頬を涙が伝っていた。


(耐えろ……耐えろ……!)


(だって――すべてを終わらせるのは、私なんだから!)

「昨夜、通知をご覧になった方がいましたら、申し訳ありませんでした。」


「その時の私は、少し感情的になってしまっていたようです。」


「この小説は、これまで通り続けていきます。」


「内容を変更する予定もありません。」


「更新方針や執筆予定についても、これまでと変わりません。」


「混乱を招いてしまったのであれば、本当に申し訳ありませんでした。」


「そして、ありがとうございます。」


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「その代わりとして、第11.5章 Part 2 は、2026年5月10日 19時00分に公開予定です。」

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