本当の強さとは忘れることである
お題は強すぎる!
中間テスト前最後の日曜日、俺は机と同化していた。
今日の記憶が勉強しかしてない気がするが、これが普通なのか?
勉強という行為を続けるのは、苦痛でしかない。俺は一旦休憩することにした。
「休みすぎない方がいいよな……。よし、十分タイマーセット」
これで安心だ。仮眠するのもいいが、今はスマホを少し触ろう。
スマホを開くと、大量のメッセージが届いていた。
「倫弥のやつ暇なのかよ」
俺は一通ずつ見ることにした。
えーと……「今日ディズニー行くけどどう?因みにランド」
……は?こいつ強すぎる。テスト前最後の日曜日だぞ?勉強しないのか?
「あ、髙村もくるぜ」まじで!?
あの優秀髙村も来るのか!?
いや、髙村は勉強しなくても取れるからいいか……それにしても倫弥は成績が低空飛行なのに大丈夫か?そろそろ墜落してもおかしくないのに……。
「とりあえず、「勉強しろ」とでも送っておくか」
俺はそう打ち込んだら、残りは仮眠に使うことにした。
こうして、俺の日曜日は有意義なものとなったのだ。
「倫弥、お前今日からテストだけど、大丈夫なのか?」
「心配すんなって!」
朝のホームルームが始まる前の時間、俺は倫弥そんなことを聞いていた。
何を根拠に「心配すんな」と言ってるのだろうか?こいつ自分の立場を分かってるのか?
このテストで赤点一つでも取ったら殺されるぞ?点数がお前の血で書かれるぞ?
「髙村も一緒だったんだから大丈夫だって!あいつも言ってたぞ、「一回くらい終わってもまた次がある」って!」
「それは、髙村が一回コケても大丈夫な成績をこれまで取ってきたからだろ!お前みたいな低空飛行のやつは、次がないんだぞ?」
「そっちの方が、背水の陣って気がしていいだろ?」
「お前強すぎる……!」
少しというか、かなり強気な倫弥に俺は圧倒されるのだった。
「よし……。なんとかテスト初日終わった……。耐えたぞ!」
手応えは、八割くらいと言ったところだろうか?
それでも上々。下振れしても七割は取れただろう。赤点回避はいけそうだ。
「倫弥、お前テストどうだった?」
「テストってなんだ?」
「冗談はいいから。赤点回避はいけそうか?」
「だーかーら!テストとか赤点とか何それ!?いきなり知らない単語使って話しかけてくんなよ」
……えぇ……。冗談きついって。
こういうの怠いんだよな……。
「お疲れ二人とも。拓海はどうだった?」
「俺はなんとか耐えたぜ。髙村のはどうなんだ?」
「僕は八割は余裕かな……」
「昨日ディズニー言ったやつの言葉とは思えねー!」
「まあ、遊んで切り換えるっていうのも大事だからさ」
「つ、強すぎる……!」
髙村はシンプルに天才だ。やらなくてもできるっていうのが本当にすごい。
いや、恐らく陰では勉強しているのだろうが、そんなこと一切感じさせない。
でも、それを自慢しないのでとてもいいやつなのだ。
「倫弥の場合は、忘れるて切り換えるっていう、ある意味一番効果的な方法を採用してるんだよ」
「なるほど。馬鹿で天才とはこのこと……」
「ちょっと意味が違うかな?」
「それ、倫弥をディスっているが?」
まあ、忘れるっていうのもありだが、初日からこれだと最終日には灰になってるんじゃないだろうか?
「今日はこのあと予定ある?」
「ないな。多分倫弥もない」
「じゃあ、サイゼでいいかな?五百円で攻略チャレンジしたいんだ」
「異論なし」
「同じく」
そんなわけで、テスト初日は強いやつが沢山現れたがつつがなく終わりを迎えた。
しかし、本当の強さが発揮されるのは、まだ後の話になる。
「テスト何点だった?」
「九割はいかなかったと言っておく」
「つまり八割以上はいってるのか……。俺は八割まであと一点だぜ」
「そう、惜しかったね」
「ああ。で、倫弥はどうなんだ?」
「は?俺に点数なんて概念ないし。客観的評価なんて塵でしかないだろ?」
「「強すぎる!」」
俺は、倫弥の強さに、ただただ圧倒されるのだった。
書き上げた時間27分。本文24分。推敲3分。




