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掌編小説達  作者: 青い山
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31/38

本当の強さとは忘れることである

お題は強すぎる!

 中間テスト前最後の日曜日、俺は机と同化していた。

 今日の記憶が勉強しかしてない気がするが、これが普通なのか?

 勉強という行為を続けるのは、苦痛でしかない。俺は一旦休憩することにした。


「休みすぎない方がいいよな……。よし、十分タイマーセット」


 これで安心だ。仮眠するのもいいが、今はスマホを少し触ろう。

 スマホを開くと、大量のメッセージが届いていた。


「倫弥のやつ暇なのかよ」


 俺は一通ずつ見ることにした。

 えーと……「今日ディズニー行くけどどう?因みにランド」

 ……は?こいつ強すぎる。テスト前最後の日曜日だぞ?勉強しないのか?


 「あ、髙村もくるぜ」まじで!?

 あの優秀髙村も来るのか!?

 いや、髙村は勉強しなくても取れるからいいか……それにしても倫弥は成績が低空飛行なのに大丈夫か?そろそろ墜落してもおかしくないのに……。


「とりあえず、「勉強しろ」とでも送っておくか」


 俺はそう打ち込んだら、残りは仮眠に使うことにした。

 こうして、俺の日曜日は有意義なものとなったのだ。




「倫弥、お前今日からテストだけど、大丈夫なのか?」

「心配すんなって!」


 朝のホームルームが始まる前の時間、俺は倫弥そんなことを聞いていた。

 何を根拠に「心配すんな」と言ってるのだろうか?こいつ自分の立場を分かってるのか?

 このテストで赤点一つでも取ったら殺されるぞ?点数がお前の血で書かれるぞ?


「髙村も一緒だったんだから大丈夫だって!あいつも言ってたぞ、「一回くらい終わってもまた次がある」って!」

「それは、髙村が一回コケても大丈夫な成績をこれまで取ってきたからだろ!お前みたいな低空飛行のやつは、次がないんだぞ?」

「そっちの方が、背水の陣って気がしていいだろ?」

「お前強すぎる……!」


 少しというか、かなり強気な倫弥に俺は圧倒されるのだった。

 



「よし……。なんとかテスト初日終わった……。耐えたぞ!」


 手応えは、八割くらいと言ったところだろうか?

 それでも上々。下振れしても七割は取れただろう。赤点回避はいけそうだ。

 

「倫弥、お前テストどうだった?」

「テストってなんだ?」

「冗談はいいから。赤点回避はいけそうか?」

「だーかーら!テストとか赤点とか何それ!?いきなり知らない単語使って話しかけてくんなよ」


 ……えぇ……。冗談きついって。

 こういうの怠いんだよな……。


「お疲れ二人とも。拓海はどうだった?」

「俺はなんとか耐えたぜ。髙村のはどうなんだ?」

「僕は八割は余裕かな……」

「昨日ディズニー言ったやつの言葉とは思えねー!」

「まあ、遊んで切り換えるっていうのも大事だからさ」

「つ、強すぎる……!」


 髙村はシンプルに天才だ。やらなくてもできるっていうのが本当にすごい。

 いや、恐らく陰では勉強しているのだろうが、そんなこと一切感じさせない。

 でも、それを自慢しないのでとてもいいやつなのだ。


「倫弥の場合は、忘れるて切り換えるっていう、ある意味一番効果的な方法を採用してるんだよ」

「なるほど。馬鹿で天才とはこのこと……」

「ちょっと意味が違うかな?」

「それ、倫弥をディスっているが?」


 まあ、忘れるっていうのもありだが、初日からこれだと最終日には灰になってるんじゃないだろうか?


「今日はこのあと予定ある?」

「ないな。多分倫弥もない」

「じゃあ、サイゼでいいかな?五百円で攻略チャレンジしたいんだ」

「異論なし」

「同じく」


 そんなわけで、テスト初日は強いやつが沢山現れたがつつがなく終わりを迎えた。

 しかし、本当の強さが発揮されるのは、まだ後の話になる。




「テスト何点だった?」

「九割はいかなかったと言っておく」

「つまり八割以上はいってるのか……。俺は八割まであと一点だぜ」

「そう、惜しかったね」

「ああ。で、倫弥はどうなんだ?」

「は?俺に点数なんて概念ないし。客観的評価なんて塵でしかないだろ?」

「「強すぎる!」」


 俺は、倫弥の強さに、ただただ圧倒されるのだった。

書き上げた時間27分。本文24分。推敲3分。

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