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羅夢 お洒落をする

(ふー、危なかったわ……)と思った妲己だった。というのも先ほど羅夢が持ってきたTシャツはなんと『お兄ちゃん大好き』と書かれたものだったのである。

それを羅夢が着た姿を想像しただけで鳥肌がたった妲己だった。

(もし着せてしまったら私は絶対に関節技で死ぬ羽目になるわね)と内心で安堵する妲己だった。そして試着室のカーテンが開くとそこには真っ白なワンピース姿の羅夢がいた。

「どうよ?似合うか?」と聞く羅夢だったが、妲己はしばし呆然としてしまった。

「へぇ、さすがね……本当にお似合いだわ……じゃあ今度はこっちを」と言ってスカートを色々持ってきて試着を勧める。

(スタイルがいいから何着ても似合うわね。色々着せてみたいわねえ。着せ替え人形みたいで楽しいわ。これ)と思い始めている。

「ちょっとこれって…」そう言いながら試着室からボディコン姿で出てきた羅夢がいた。


「ま、まあ、そういうのもあってもいいんじゃない?」

と動揺する妲己に対し

「えーでも胸とかお尻とか目立つんだけどなあ。なあ、面白がってないか?」と照れくさそうに言う羅夢だった。


それを聞いて妲己は

「そんなことないわよ。すごくセクシーだと思うわ!」と言いながら目を輝かせている。

「本当かよ」と不安げに聞く羅夢に対して

「本当よ!自信持ちなさい!」と励ます妲己だった。

(これはこれでいいかも!)と思いながら見ていると、羅夢は不満そうな顔をして試着室へ戻っていった。そしてしばらく経ってからカーテンを開けるとそこには白いタンクトップにデニムのショートパンツ姿の羅夢がいた。


「あら、さっきのボディコンよりはこっちの方がいいと思うわよ」

と言う妲己に対して「やっぱりそっか。こっちの方がしっくりくるな」と羅夢も納得の様子だった。そしてまた別の衣装を持ってきた妲己は


「じゃあ次はこれ着てみて」と言ってピンク色のワンピースを渡すとそれを受け取って着替えていく羅夢だった。

「お、おお……似合う‥じゃない……それに決めましょうよ!」と言いながらも顔を赤くして照れている妲己。

「なんか、でもスースーするんだが…」

「何言ってるのよ、いつもレオタードのような仕事着を着てる人が」


「レオタード言うな!あれも支給されたものだ!仕方ないだろ」

「それにしても羅夢さん似合うわね。本当に綺麗よ」

「綺麗はやめろよ。気色悪い。背筋が寒くなる」

「もう、羅夢さんらしいわね。もう‥じゃあ……決まったところで、これお会計ね」そう言って会計をすました後、

「次はやっぱり化粧品よねえ」

と妲己が言うので、

「お化粧かあ……」と若干面倒臭そうな顔をする羅夢。

「なんでそんな顔するのよ!女の子なんだから美容にも気を使いなさいよ」と妲己が説教すると

「仕方ないだろ?化粧なんてしたことないんだから。どうせ似合わねえんだ」と不貞腐れる羅夢に対して妲己は

「大丈夫よ!私がやってあげるから!」と笑顔を見せる。

「え?いやいいよ、遠慮しとく……」というと妲己が


「もう!こっちに来なさい!」と言って化粧品店に入っていく妲己であった。そして店内に入るなり妲己は次々と商品を手に取っていき、羅夢に見せていった。と言うよりは羅夢を座らせて化粧をやり始めた。

しかしさすがに上手い。プロ顔負けの腕だ。まあ、男をたぶらかすことが仕事なのだから

当然か、と羅夢も感心した。

「えーとまずはファンデーションね……」と言いながら準備する妲己を見て


「え?ちょっと待って!自分で塗れるから!」

と慌てる羅夢だったが

「駄目よ!せっかくだから私がやってあげるから大人しくしてなさい」と押し切られて椅子に座る。

「さて、まずはベースからね……」と言ってファンデーションを手に取る妲己に対して

「うわぁ、なんか緊張してきた……」と言う羅夢。


「ちょっとじっとしててね」と言うと羅夢は静かになった。そして数分後、化粧を終えた羅夢は妲己の前に立っていた。

「どう?なかなかの出来でしょう」と妲己が聞くと

「…これ本当に私か…?別人みたいなんだが。スゲー美人じゃん」と答える羅夢。

それに対して妲己は

「ふふん!そうでしょ、そうでしょ!これで男どもはイチコロよ!」と得意げに語る妲己だったが、羅夢は

「男?いや別に狙ってる男なんていないし……」と言うと妲己が


「え?じゃあなんでそんな格好してるのよ?」と疑問を投げかけると、羅夢は

「なんかなー、狐っこ見てたらちょっとな」

「誰が狐っこよ!」


と羅夢に詰め寄る妲己だったが、その顔を手で押しとどめながら

「いいからいいから……ちょっとくらいお洒落に目覚めたっていいだろ?そんな怒るなよ」と宥める。

「もう、本当に素直じゃないわね」と言いながらも嬉しそうにしている妲己だった。

「さて、それじゃあ次は何が必要かしら」と考える妲己に対して

「ああ、いいよ。今日はこのくらいで帰るわ」

と言うと妲己は


「えー?まだ終わってないじゃないの!」

と不満そうな顔を見せるが羅夢は

「いや、もうこれだけで十分だ」というので


妲己は諦めたようだ。そして妲己は最後にこう言い残した。

「いつでも相談に乗るからね。また一緒に買い物行こうね♡」


とウインクをする妲己に対して羅夢は「ああ、気が向いたらな」と返すのだった。そしてその後、妲己と別れた羅夢は家路についていた。

「ふー疲れたぜ。それにしても妲己のやつ。しかし意外と優しいとこあるんだな」

と思いながら歩いていると、やたらと声をかけてくる男共が多いことに気づいた。

「あのーすいません、モデルですか?」

「芸能人とかですか?テレビに出てませんでした?」などと聞かれたりしていた。

(うげー。なんだよこいつら。面倒くさいぜ)と辟易した羅夢だった。

(それにしても妲己の奴……すごい腕だな)

#####


「よ!青嵐」と道路を歩いてた青嵐の肩をポンと叩くと振り向き

「?…えっと、どちら様で?」


と誰?みたいな顔してきやがった。ムカつく野郎だな。

「…?えっと、人違いでは‥あれでも私の名前を?あれ?」と必死に思い出そうとしてるが思い出せないでいる。そこで、


「羅夢だよ!この阿呆!よくも私の顔を忘れたな」と言って脳天に踵落としを喰らわしてやった。


「ごぶらー!」と言って鼻血を噴き出し倒れこむ青嵐。

「ちょっとちょっと!なにするんですか!羅夢さん!危ないじゃないですか!」と怒りながら立ち上がるが

「危ないって……あ、羅夢さん?え?でも羅夢さんがワンピース…?え?え?」と理解が追い付かない青嵐。


「え、え、本当に羅夢さん……なのですか?ああ、そうだ‥羅夢さん!」


と言って抱きついてきたので容赦なく回し蹴りを顔面にくらわす。

「この変態野郎!なに抱きついてんだ!」と怒鳴ると


「は?だって羅夢さん!その可愛さに感激しただけです!てか本当に羅夢さんなのですか?羅夢さんぽくないんですけど」と聞いてくるので

色々と説明をしてやると

「へえ…いっつも羅夢さんに虐められてるのに‥妲己さん優しいんですね」

と感心している青嵐だった。


「私も、コーディネイト頼んでみたいなー」

とつぶやく青嵐に対して

「おお、いいかもな。お前も結構かわいい口だと思うぞ」と

羅夢が言うと

「え!本当ですか?なら今度行ってみようかな……」と考え始めている。

「どんな感じで妲己さんにお願いしたんですか?」

「いや、髪掴んで店まで引っ張っていっただけだが‥」

「それ全然参考にならないんですけど」

とため息をつく青嵐だった。そして

「私が妲己さんにそんなことしたら殺されてしまいますって…」と苦笑いしていた。

「まあな。お前弱いし」

「羅夢さん……」

と呆れたようにつぶやく青嵐だった。

「わかった、わかった、じゃあ私から狐っこに頼んでやるよ」

「き、狐っこって…、はぁ…じゃあお願いします」


「ああ、任せとけ」

とニヤリと笑う羅夢。しかし次の瞬間、青嵐はゾクリと寒気を感じた。


「……ねえ?なんで私の悪口が聞こえるのかしら?」

「な!?」

と振り向くと妲己が立っていた。しかし服装がやたら露出の高いボンテージ姿だった。

「お前、帰ったんじゃなかったのかよ?」

と言うと妲己は


「ええ、家に戻ろうとしたんだけどね。せっかく羅夢さんが可愛くなったんだしちょっとね写真でもと思ってね。」

とニコニコしながら言う妲己を見て冷や汗を流す羅夢。

「写真って…撮ったのか?」


と聞くと妲己は


「うん、結構いっぱい撮ったかな?」

とスマホを見せてくる妲己。その画像を見た羅夢は

「おい、勝手に撮るなよ」と不機嫌そうに言うが、妲己はニヤリと笑うと

「これ消してほしかったら‥どうすればいいか分かるよね?」

というと羅夢は


「ち、まあそんなのどうでもいいけどよ。ああ、そうだ青嵐も化け狐にコーディネイトしてほしいそうだ!」

「ば、化け…私そんな事言ってませんからね。コーディネイトしてほしいって言っただけですからね」


「あら、それはいいわね。青嵐さん美人だし。羅夢さんと違って性格が良さそうだし。でも最近の子にしては肌もきれいだし。私好みのスタイルだわ」

とニヤつきながら近づいてくる妲己。

「今、なんかさらっと酷い事言わなかったか?」

と聞く羅夢だったが


「え?何か言ったかしら?それよりも青嵐さん。行きましょうか?」

と言う妲己に

「え、でも」

と困っている青嵐に

「行ってこいよ青嵐。化け狐はコーディネイトに関しては一流だし」

と言って促す羅夢だった。

「え、でも‥え?いいんですか?」

と戸惑う青嵐だったが


「ええ、もちろんよ♪じゃあ行きましょうか♪」と妲己は嬉しそうに言って腕を絡めてくる。

「え?え??あの?」

と困惑している青嵐を妲己は強引に引っ張っていった。

「ま、待ってください!」

「じゃあね~羅夢さん」

と笑顔で手を振る妲己に羅夢は


「おう、じゃあな」と手を振り返すのだった。

一旦エタリます。また気が向いたら続きを書こうと思うので完結はしないでおきます

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