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第2話 もふもふの毛皮か…高く売れそー…

―side エリオス―



「ヴェリス様が言っていたのはあなたのことね?」



 目の前には、黒色のヒョウ?いや……



「アダンダラか……」

「正解〜よく分かったわね〜」



 アダンダラ……神話に出てくるS級モンスター。最強だ。凶暴で出会ったら即終了だと言われている。

 どうやら、二度目の人生は早かったみたいだ。

 それにしても……



「もふもふだ〜」

「ふふっ……そうよ〜触っていいわ〜」

「え?じゃ、えんりょーなくー」

 


 向こうからこちらに近づいてきたので、触らせてもらう。

 アダンダラの毛並みはとても見事なものだった。



「売ったらいくらになるんだろー?」



 ああ、こんな時でも俺はこんな事を思うのか……本当に根っからのクズだ……

 まあもういいか。



「ふふっ……!いい事聞くわね!あたしの毛皮は高いわよ〜」

「……?」



 てっきりもう終わりかと思って諦めていたのに、褒められた……?

 ……というか。



「襲ってこない?」

「……何言ってるの?あなたを保護しにきたのに、襲うわけないじゃない?」



 アダンダラはコテンっと、首を傾げている。

 


「えっ……?」

「えっ……?」



 謎の沈黙が訪れる。



「あっ……!まさか……あなた、あたしたちに出会ったら即襲われるとかいう伝承信じてない?」

「うっ……」



 図星を突かれたので狼狽える。



「違うわよ!あたしたちはそんな野蛮ではないわ!あれはあたし達を狩ろうとした欲深い愚かな人間達が悪いのよ!」

「なんて、命知らずな……」



 よりにもよってアダンダラに喧嘩を売る奴らがいるとは……

 いや、俺も毛皮売ろうとか考えていたので人のことは言えないのだが……



「あたし達は他人の悪意に敏感なの……!それ以来、悪意を持っていると分かった瞬間お帰り頂くことにしたわ!」

「そーだったんだ」



 え?俺の悪意はアダンダラには伝わらなかったって事かな?



「みんながみんな、あなたみたいな純粋な心を持っていたらいいんだけどね〜!」



 そう言って、アダンダラはペロリと俺の頬を舐めた。

 程よくひんやりしていて冷たい。



「えっ……?」

「えっ……?」



 再び謎の沈黙が訪れる。お互いに目をぱちくりさせている。



「俺、けっこー欲深いよ?」

「ふふっ……分かっているわ!でも、大丈夫……汚れて入るけど、あなたの魂自体はしっかりと綺麗なままだわ!」

「そーなんだ……」



 今まで悪役になりたくないと、シナリオに抗い続けたのは無駄じゃなかったって事かな……?

 まだ……都合の良すぎる事を言っているこのアダンダラのことを完全に信じたわけではないけど……


 

「あっ……!その顔!信じていなさそうねっ!まあいいわ!これからたっぷり時間はあるからね!」



 そう言って、アダンダラは魔法でふわっと俺を浮かせる。



「うわっ……!」

「住処へ向かうわよ〜!」



 言うや否や、俺たちは爆速でアダンダラの住処へ向かうのだった。


 

「えええええええええ……!」



 あーれー


 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

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