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第1話 神々のミスによって再度てんせー!

-side エリオス-



「消えた!?追え!」

「まずったか」


 

 悪役貴族家の嫡男に転生した俺は前世の知識を活かして、商人をしていた。でも、結局シナリオからは逃れられない。

 生き残るためにやれる事は全てやった。越えてはいけない一線を越えることもあった。

 だが、人生はそこまで甘くなかった。転生したら、チートで楽しいスローライフしてやろうとかいう甘い考えはとうの昔に捨てた。

 地に足つけて生きる。転生しても相変わらず、俺の人生は厳しい。神様もどうせ俺を見捨てていることだろう。

 俺もここまでか。

 意を決して海へ飛び込む。



 ……。

 ………。



「……」

「……◯※△×!!」



 おかしい、どこからか声が聞こえてくる。

 まだ終わっていない?

 

 

「た……助かった……?」

「……ちょっと、いつまで寝てるのよ!」



 目を開けると、女神様のような女性がいた。俺は信じていないが、自国の国教であるヴェリス教の女神ヴェリス様だ。

 その彼女が目の前にいる。



「ほら?あなた、1度目の転生の時、あたしと会わなかったでしょ?あれ、ちょっとしたミスであなたに会えなくてトラブっていたの!よりにもよって、悪役貴族に転生してしまうとは……」



 とかわけの分からない事を言っている。

 そうか、俺、本来チートを貰って転生するはずだったのか。--って!



「今更そんなことをしたところで許せる訳ねえだろ!第一俺はもう、戻れねえところまで線を越えてしまっているんだ……!」

「分かっているわ!それでも、あたしにはあなたを救済する義務と責任がある」



 そう言って、女神ヴェリスは俺の手に手を当てる。ピッカーー!とその場が光る。



「おいっ!何をした!」

「どうか、あなたの人生が、今度こそ安らかでありますように」



 女神ヴェリスはまっすぐ俺を見る。

 俺は、その純粋な瞳に動揺する……2度目の俺の人生でその瞳を見せてくれたのは……あいつだけだった。

 そして、逸らす。俺にはその救済を受け取る資格はないから。



「それじゃ、あなたには知識と加護とチートで便利なスキルを授けるわ!」

「はっ!そんなもの今更必要ない。俺を地獄にでも落としてくれれば……」

「ダメよ」



 再び真っ直ぐとした瞳できっぱり否定される。俺は、その瞳に対してはめっぽう弱いみたいだ。



「あなたには人より苦労した分、人より幸せになる権利……というか義務があるわ。どうか、次の転生、あなたの人生がとても安らかで幸せなものになりますように」

 


 一方的な女神の凛々しい宣言。



「あの子たちに任せてあるから、きっと大丈夫よ……」

 


 意味深な女神の言葉の後、俺の意識は途切れたのだった。

 


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


 

「まさか、ほんとーにてんせーしてしまうとは……」



 長い夢を見ていた気がする。でも、おそらく現実なのだろう。

 俺--エリオスはちびっ子のもちもち可愛い体を手に入れてしまったらしい。

 まあ、中身は変わらんが。



「あらあら、可愛い子がいるわね〜」



 どこからかそんな声が聞こえてきた。




――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

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