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前章 訪れ
9/13

F9

「まぁいいや、早く仲間集めよ」


俺は、気分が沈んだまま、「ユニオン」の中へと入った・・・


すると、


「もうやめて!私のために争わないで!」


突然、美女が泣きながら俺の隣をすれ違い、「ユニオン」を出ていった。


「レイナ!待ってくれ!」


それに続くように、二人のイケメンが、後を追ってユニオンを出ていく。


そして、ユニオンのロビーには、

先程の三人のパーティーメンバーだったであろう少女が取り残されていた。


俺は、その様子を、良いものでも見るかのような目で眺めていた。


・・・こういうことって本当にあるんだ。


少し驚く。


「でも、あの人可哀想だな」


何が起きてああなったかは、何となくわかる。


あの美女をめぐって、イケメン二人が争っていた。


それが嫌で、美女は逃げ出し、イケメン二人はその後を追った。


そして、あの少女が取り残された。ってとこか。


でも、なぜあの少女は三人を負わなかったのだろう。


・・・いや、追いかける気力がないのか。


ロビーには、呆然とした様子の少女がポツンと立っている。


「・・・なんか可哀想だし、慰めてくるか」


俺は「紳士」だから、ほっといたりはしない。


すぐさま、受付の奥にいる少女の方に歩いていく。


幸か不幸か、周りには誰もいない。


「元気だせよ・・・」


俺は、その少女の方をポンと叩いた。


「べ、別に落ち込んでなんかないです・・・」


明らかに落ち込んだ口調で少女は言った。


明らかに落ち込んでるのに何言ってんだこいつ。


「絶対強がってるだろ」


なんか泣きそうで怒りそうな顔してるもん。


「べ、別につよがってなんかないiiiiii」


強がり


「ま、それはともかく。傍からみたら君、仲間に捨てられた哀れな少女にみえるけど、実際そうなのか?」


「お、おそらく・・・。私はテレポートが使えないので追いつけない、、、それに、あの感じだと戻ってこないと思います・・・」


捨てられたってことか。


「やっぱり、私なんてどうでも良かったんです、、、、どうせ私なんて・・・」


地面に手をつく


唐突に落ちこむ


「で、でも、もしかしたら仲間が帰ってくるかもしれないからさ、ほら」


軽く肩を


別れも告げず捨てるなんてしないだろ。


人の心があれば。


「もう、いいんです・・・。どうせ戻ってきても、気まずい雰囲気になるだけですから」


天を仰いで未来を見るようにそう言った。


なんだよ。


可哀そうじゃねぇかよ。


「それで君、これからどうするんだ?」


「え?・・・あ、そういえば考えてなかったです」


全然未来見てなかった。


ま、「ように」だったんで。


「そこでなんだが、俺といっしょに来ないか?」


「今なんと?」


「いやだから、俺といっしょにこないか?って」


いまは、何がなんでも仲間が欲しい。


I’m bocchi!!!!!!!!


I’don’t like bocchi!!!!!!!!


「うーん・・・、まぁ行く当てもないしいいですよ。というか、私も誘おうと思ってたので」


Fooooo!!!!!!


I’m not bocchi!!!!!!!


心の中と外でむっちゃ喜んだ。



______________




「で、俺に何をしろと?」


ロビーの奥で、少女に問い詰める。


「そんな(あせ)らないでください。

まだ名前も知らないじゃないですか」


・・・言われてみれば、この少女の名前、知らない。


あと、俺の名前も言ってなかった。


「えーっと、とりあえず俺から。

俺の名前は森 未來。

見ての通り、謎の別国人だ」


俺は、着ている部屋着を指差す。


「普通、自分で謎の人とは言わないんですが・・・」


少女が軽く引く。


そんなおかしいことなのか?


「で、お前は?」


少女に尋ねる。


「私の名前はメラ。

見ての通り、魔法使いです」


メラは、着ているローブをかざした。



__________________




メラはかなりの美少女だ。


美しく輝く金色の髪。


人形のように整った顔。


身長は俺より()()()()低く、黄色が少し入った黒のローブを着ている。


「なんというか、そのローブ変だな」


黒に黄色が少し入ってるローブって、あまり見ない。


「変とはなんですか!

このローブはオーダーメイドなんですよ!」


()()()()()()()だと!?


俺も、オーダーメイドの剣とか使ってみたい!


俺は、心がおどった。


「だから、この色も自分で決めたんです!

変とか言わないでください!傷つきます!」


メラが怒りながら言う。


・・・確かに、メラの金色の髪と、この色のローブは合うかもしれない。


・・・()()しれない。



__________________




「それで、俺に一体何をしろと?」


自己紹介が終わったところで、本題に戻る。


「ちょっとスルーしないでください!」


ちょっと罵声が聞こえてきますが、気にしません。


「・・・まぁ、聞かれたので答えますけど」


メラは納得いかない顔をしている。


「あなたにしてもらいたいことというのは・・・・

魔物討伐です」


()()()()、だと!?


異世界に来たらまずしたいことランキング上位のやつじゃないか!


でも・・・


「魔物討伐、嫌なんですけど」


「え!?どうしてですか!?

魔物討伐、楽しいのに!」


メラは、驚きながら、不思議そうな目で俺に問いかけてくる。


俺、どっちかっていうと、採集とかの方が好きなんだよね・・・


「嫌っていうわけじゃないんだけど、あんまり乗り気じゃないというか・・・」


「嫌じゃないなら、嫌って言わないでくださいよ!

でも、採集が好きだなんて変わってますね」


そんな変わってないと思うんだけど。


だって、採集とか発掘とかってなんか楽しいじゃん。


「まぁ、乗り気じゃないだけだからやるけど」


「なら、早速魔物討伐に出発・・・・・・と行きたいところですが、

装備がないと何も始まらないので、武具屋に行きますか」


メラが、ユニオンの出口へと歩き始めた。


どうしてこんなめんどくさそうなことするって言ったんだろう・・・


俺は、落ち込みながら、ユニオンから出ていくメラを追った。

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