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ミッション 領主邸へ向かえ

祝!! 第100話 & ブックマーク100個 です。

みなさんありがとうございます。

引き続き宜しくお願いします。


9月6日変更点

フランシスカさんとお父さんとのコネクトによるテレパシーは精霊銀の指輪を持っていない為に恒久的には使用出来ない設定を忘れていました。2人がその場にいる時のみの限定として今回のフランシスカさんのセリフを一部削除してあります。


よってフランシスカさん達はお父さんに確認しないで領主邸へ向かう事になっています。


申し訳有りませんがよろしくお願いします。



「ぴろりろーん!」

(ミッション ベリス邸の奴隷を助けろ 制限時間 18時間)


「え?!」


「またです?」


「タリリさーん!」


「ん…。びっくりした…。」


「ベリス邸の奴隷を助けろ 残り18時間!」


エイミーさんを除いたメンバーから、口々に驚きの声が上がる。ヨナーちゃんは驚いているのかいないのかよく分からない。


「皆さん何を?どうしたんですか?」


コネクトによるテレパシーが繋がっていない、エイミーさんにはどうやらミッションは表情されない様だ。この説明も難しいな。


悩んでいる内に事態が動いた。タリリが力を込めると扉が開いたのだ。遅れておれも開くがカレン達はタリリ側に移動して中を確認している。


まさか絶滅かと高鳴る鼓動を感じながらも、遅れて覗き込む。


「おや、これはこれは。見目麗しきお嬢様方ばかり、ここは天国か。」


金髪の毛先をカールさせた色白の如何にも貴族らしい貴族の青年と執事とメイドがいた。そのだれも大きな荷物を持っていない。もしかしてポーターの奴隷が殺されてしまったのか。そんな疑念に満ちた心配をしていると執事が16階層へ繋がる扉を開けた。


「あー!何とかかんとかデラックス!」


「お助けポーターデラックスです。」


「そうよ、凄いわね。」


執事が開けた扉のから、5つの車輪が付いた荷車が大量の荷物を積んでボス部屋に入ってきた。その数合計6台もの自動追尾式の自走荷車が執事を追跡している。


「君たち可愛いね。今お茶を淹れるからどうだい?」


どうだいと金髪カールがいうと、執事さんは既にボス部屋にも関わらずにテーブルと椅子をセットし始めている。平民が貴族の命令を断れないのを承知しての事だろう。


カレンのこめかみが若干ヒクヒクしている。マリリさんも露骨に嫌な顔をしている。だが俺はこのパーティには奴隷はいなかったのかと安堵していた。


「結構です。」


「お誘い頂き光栄ですが、急いでおりますのでご了承をお願いします。」


カレンとマリリさんがそれぞれの言い方で断ると、金髪カールは自己紹介を始めた。それを俺たちはフランシスカさんを見ながら聴いた。


「私はカペル プロヴァトンだ、イーベレンジの領主をしている。」


「このお方はプロヴァトン家当主 カペル プロヴァトン伯爵様でございます。お急ぎのところ申し訳有りませんが、皆さまのお時間をご頂戴致します。」


俺たちの前にメイドさんが来ると深々と一礼をした。その言葉は丁寧な物であったが有無を言わさない迫力もあった。


「は、はい。よ、よろしくおねがひひます。」


エイミーさんだけが伯爵様という権力に怯えて、勝手に返事をしている。


「エイミーさん、必要有りませんわ。」


「え、はい!」


そう言うのは我らがフランシスカさんだ。輝いて見える。ヨナーちゃんですら笑顔になっている。


「なんだと?」


「せっかくのお誘いありがとうございます。今日のところは生憎ですが時間が御座いません。後日、王都のアーホルン家へお越し頂ければ、ご馳走致しますわ。」


「アーホルン家?」


「伯爵様、アーホルン家とはアーホルン公爵家と存じ上げます。」


「はい、ロドヴィック公爵の長女 フランシスカと申します。」


「伯爵様、第1王子アインハード殿下の婚約者様でございます。」


「ななな、なんだと!」


フランシスカさんはカペルの視線を受け止めると、にっこりと微笑んだ。それで勝負は決した。


「も、申し訳御座いません、急用が出来た故ここはお暇させて頂く、失礼致します。アイタタ。」


カペル伯爵は腹を押さえながら、急用が出来たらしくテーブルを片付ける執事とメイドを置いて入口の扉を開けて出て行ってしまった。


その後を2人とお助けポーターデラックスはゾロゾロと追いかけていく。


「フランシスカさん、ありがとうね。」


「いえいえ、わたくしもあんな男とお茶などしたく有りませんから。」


「テオドルス伯爵といい、若い伯爵にはロクな奴がいないわね。」


「テオドルスって誰だ?」


「アザリアのダンジョンの奴よ、フランシスカさんと会うキッカケになった伯爵よ。」


「「ああ」」


カレンの伝える衝撃の事実に俺だけではなく、フランシスカさんも驚いていた。


「カレン、どうするんだ?」


そんな空気も何のそのとインターセプトを掛けてくるのはタリリだ。


「あと18時間だろ、ボスは倒さないのか?」


「うーん、ボスまであと5分位よね、倒しましょ。タリリお願いね。」


「ああ、任しておけ!一撃で決めるぞ。」


ブンブンとショートソードを振り回しているを遠巻きにしながら声を掛けておく。


「タリリ、魔方陣の所だけでも、どかしておくと楽だぞ。」


タリリはショートソードを鞘に戻すと、独り鉄のブロックを避け始めた。マリリさんがタリリの方へ歩き出したのを見て俺も渋々とグラつく足場をバランスを取りながら進んで行った。


「フッ」


タリリの吐息と共にショートソードが魔方陣に浮かぶ魔石を撃つ。魔石は身体を構成するはずだった鉄塊とショートソードに挟まれ割れた。


真っ二つに割れたそれは、魔法陣に沿って避けた円に従って左右に分かれてタリリの足元へと転がったて来た。


「カレン、領主の執事の居場所知ってるか?」


「知るわけないでしょ。どうしてよ?」


「不法侵入で捕まらないよな?」


「んー、警備兵が良いって言えばいいんじゃない?」


「それなら、わたくしがお父様に許可を頂きますわ。」


「ありがとう、フランシスカさん。」


「いえ、そろそろ夕刻ですからお父様もお戻りになっていらっしゃると思われますわ。」


新しい領主が来るまで、では無くずっといて欲しい。せめてフランシスカさんだけでもずっといて欲しい。そんな事を思いながら16階層の始まりの部屋からダンジョン1階層の入口へと転移した。


ダンジョンを出ると夕暮れにはまだ早い時間だった。時刻は16時ぐらいと思う。


「兵士にはお父様から許可済みと言えば、通して頂けますから直接向かいましょう。」


(ミッション ベリス邸の奴隷を助けろ 制限時間 17時間)


領主邸の裾野にある臨時の詰所に俺たちはやって来た。フランシスカさんが兵士に要件を伝えると、詰所の中にいた騎士を伴って戻って来た。その騎士は金髪を短く切り揃えた髪型で清潔感溢れる大型犬の獣人だ。


「お嬢様、今からあそこへ行かれるですか?」


「あらランス。お父様には許可は頂いていますわ。」


どうやらランスと言う名の中年の騎士は公爵様が連れて来た騎士らしい。しかもお嬢様呼びだ、結構上の人かも知れない。


「しかし、もう間もなく日も暮れます。危険では?」


「大丈夫ですわ。」


「確かにお嬢様の魔法の腕前はお伺いしておりますが。」


(カレンさん、この方もご一緒してもよろしいでしょうか?この方はわたくしが小さい頃から我が家に仕えてくれている騎士で実力は有りますが、わたくしに対して少々過保護でして。説得には時間が掛かります。)


(いいわ。指輪を使う所だけ気をつければいいわよね。)


しばらくカレンとフランシスカさんは見つめ合った後に騎士にお願いをする。


「心配なら、ご一緒下さいませんか?わたくしも安心出来ますわ。」


「ハッ、お供させて頂きます。」


ランスは兵士に指示をすると門を開けさせた。ランスの装備はショートソードにラウンドシールドにシルバーメイル、シルバーガントレットにシルバーブーツと言った装備だ。ヘルメットや二の腕や太腿を守る装備は簡易的な物になっている。


領主邸までの登り坂は本来、馬車が通る広い道になっていたが今では腕の太さぐらいの蔓が生い茂って道を塞いでしまっている。例の実をぶら下げる蔓だけは直径1メートルは超えるだろう。


「タリリ、エアリアルスマッシュ!」


背丈を遥かに超える高さまで積み重なる蔓の壁に向かいタリリが何の相談も無く、ショートソードを振るう。


「なんと。」


ランスさんだけが驚いているが、その剣は3メートル程先まで切り裂いたに過ぎず、そこまですら人が通れる道幅に程遠かった。


「ファイア、ファイア、ファイア。」


炎の円柱が縦に3本並び蔓を焼き払う。幅2メートル、奥行き6メートル程度の空間が出来たがそれだけだ。先はまだ遠い。


ストーンでも押し潰すだけで、緑の壁は健在だった。


「良かったわ、日が暮れる前で。アンタの精霊さん、まだ起きてるわよね?」


「ああ、多分な。」


「ズバッとやっちゃって。」


「了解した。」


了解はしたが、極太レーザーは領主邸まで貫通しそうだ。どんなイメージで行こう。久しぶりのチート力を見せ付けてやろう。


(イメージはライトサーベル、太さは道幅、長さは山より少し低いくらいで試してと。)


ブツブツと心の中で呟きながら、鞘のままのショートソードを持った右手を真上に伸ばす。


(精霊さん、やっちゃって下さい!)


その瞬間ショートソードの鍔より上の部分に道幅の直径で山の頂の高さまでの光の塊が出現した。危なかった、手を伸ばしていなかったら俺の頭が無くなっていた所だ。その事実にヒヤリとしてながらも冷静を装って光の剣を見つめる。


皆が呆然と見つめる中、坂道へ接触させないようにギリギリの所まで腕を下ろしていく。


「カレン、領主邸に当たりそうな時は教えてくれ。正面からは分からん。」


「はーい。大丈夫でーす。」


「らしいわよ。」


俺はカレンに問い掛けたが、何故か既に緑の壁をよじ登っおり両足をプラプラとさせているジェシカさんから問題ないと返事が返ってくる。カレンを見ると自らが焼き払った道の端の方へ歩きながら、適当に生返事を返して来た。


ジュウジュウと音を立てながら、光の塊は緑の壁を抉っていく。光と蔓が接触する場所からモウモウと水蒸気が立ち昇っている。


「ストッープ!」


ジェシカさんの声を聞き腕を止める。


「ちょっと疲れたー。休憩ー。」


ポンと言う音と共に現れた光の精霊が目の前で大の字になると、光はショートソードの鍔を残して消えた。


「あああー。」


そうショートソードの鍔より上の刃が全て鞘ごと消失していたのだった。あまりの衝撃に膝から崩れ落ちた。


そんな俺の頭をパコンと頭を軽く叩くと、領主邸の直前まで開通した緑の峡谷をカレンは登って行った。


「ランス、行きますわよ。」


俺以外にも1名、放心状態の騎士がいたようでフランシスカさんの呼びかけで我に帰るとお嬢様と叫びながら走って行った。


「ほらほら、行きますよー。」


俺の二の腕を両手で掴み立たせようとする。

おや、ここに天使がいた。適度なスキンシップと優しい声、流石ジェシカさん。


「日が暮れる前に御屋敷まで着きたいから、少し優しくすれば調子に乗って頑張るからってアドバイスをくれたんですよー。」


カレンめ…。

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