085 死の都
運動不足は腰や足にきます。
うみゅ、最近身体が鈍っている気がする。
特に戦闘やら冒険などをしていないし、このままでは勘が鈍る心配がある。
けして食べ過ぎを気にしたいる訳ではない。
「と言うわけで、今日はダンジョンへ行くぞ!」
「ダンジョン?」
「どこのダンジョンですか?」
「んー、そうだな、そうだ!ダンジョンではないが『死の都』はどうだ?」
「えっ!あそこにはモンスターしかいないんじゃ?」
「身体を動かすのが目的だしいいんじゃない?」
「まぁ、いいですけど…」
「死の都ってなに?」
フランが不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「死の都はかなり昔に滅んだ国の遺跡なのさ!」
約1000年前にモンスターが何かしらの理由で溢れてその後死んだ人族がレイスやスケルトンになって今でも3歩歩けばモンスターに遭遇するという都。
以前封印の地の調査では大変な目にあった。
幸い次元の狭間は無かったので放置している。
「遺跡自体はレアなので広域魔法で吹き飛ばすのは勿体ないから出来ないのでめんどくさいけど、今はサクセスがあるしいい運動になると思うよ!」
「でもあそこは本当に溢れているからフランさんは危ないんじゃ…?」
「うーむ、確かに」
フランにはこれといった攻撃手段が無い。
そんな娘を連れて行くのも心配だ。
「じゃあ、今日はマールの修行と私の運動を兼ねて2人で行くか!」
「ハイ!」
「ミクハイクノ!」
「…そうだな、ミクはマールと一緒の方がいいだろう!」
「ミクちゃん、よろしくね!」
「マカセテナノ!」
「フランとタマはお留守番ね!」
「ハイ!」
「ミャァ!」
ロンド大陸北部の死の都。
ココは山岳地帯で四方を山に囲まれているので、他国にモンスターが移ることはない。逆に言えばモンスターがひしめいている。
まずはスケルトンが目の前に100体ほど。
私はサクセスで無双をしているとたまに100m程離れた場所で爆発系の魔法が発動している。マールも2リンクは使いこなしている。
「マール、ミクの補助で色々試していいんだぞ!」
「ハイ!」
「ミクも遠慮しないでマールに色々教えてあげて!」
「ワカッタナノ!」
魔狼やゴブリンが犇めく中、マールはレールガンを試している。まぁ、電子のコントロールがまだまだなのでうまく加速できないようだ。
電解を長距離コントロールするのは大変難しい。色々計算もあるし…。
基礎理論は教えてあるし、ミクが補助しているので任せて大丈夫だろう。
実際コレをこなせれば格段にマールの実力は上がる。今はミクの補助が無いとダメだけど、いずれは…。
その間に私は300匹くらい討伐していた。
…サクセスがあると基本1撃なのでホントゲーム状態である。
周囲にモンスターが現れなくなったので切り上げるとするか。
「どうだマール、科学と魔法の混合技は?」
「まだまだ無理ですけど感じはつかめた気がします!」
「それは何より!今後はよく練習するように!」
「ハイ!」
「じゃあ、帰るか。うーん、いいダイエットになった!」
「…先生?」
「いやっ、結果論だ結果論!」
うみゅ、口が滑った。が、マールにはいい経験になったようだし、また来るか。まだいそうだし…。
マールさんもどんどんミクちゃんの影響が出て来るようです。




