052 慰労会
51話の続きです。
マール視点になります。
ユキ様御一行様!おいでやす!
村の入り口には
大きな幕が張られていた。
今日は影の村の皆さんと一緒に温泉旅行だ。
先生の転移で村人全員を一気に移動させる魔力は流石だ。
私も頑張らないと!ミクちゃんは私の周りをクルクルと飛んでいる。
「マールお姉ちゃん、温泉てなーに?」
「ホッコリできるお風呂ですよ!」
「お風呂?」
村の子供達は初めての温泉だ。とはいえ、私もそんなに回数を入っているわけでもないが、2日前に先生と一緒に下見に来ている。
「では諸君、宴会はこの宿の広間で18:00からなので温泉を満喫してくれ!支払いは全て私持ちなので途中のお土産やお菓子も全て食べ放題飲み放題なので気にするな!」
「「「おおおおぉぉぉぉ」」」
「宿は先程決めた通りなので荷物を置いてゆっくりしてくれ」
各自宿に入って行く。
「では我々も行くか!」
「ハイ!」
「ハイナノ!」
「ミャァー!」
今回は宿に断ってタマも同行している。
既に貸切露天風呂を予約しているので先生と私は離れた風呂へ向かう。
先生はバツグンのプロポーションだ!浴衣を脱いでお風呂に入るが…、浮かぶのだ!普段は特に強調していない胸が裸になるとスっごく主張している。…当たり前か。いや、ウエストが細い分胸に目がいくのか、見惚れてしまう。
私は先生に拾われてそのまま弟子入りしているので見た目、いや精神的にも13歳で成長は止まってる。なので胸も成長が無い。
先生は先日しきりに惜しい事をしたと口にしていた。私も胸は欲しい!今のままでは洗濯板と呼ばれてしまう。それは悲しい!
…と、それはともかく。この国の季節はまだ秋。露天風呂は秋の紅葉が終わりかけでたまに湯船に落ち葉がハラハラと落ちてくる。風流だ。ミクちゃんも桶の中で湯に浸かっている。先生は浮かべた桶の中に徳利を入れてお酒を飲んでいる。
「先生、そろそろ上がらないと宴会に遅れちゃいますよ」
「うみゅ、そんな時間か…。ヤッパリ温泉はイイなぁ」
風呂上がりの牛乳を飲み一息ついて宴会場に向かう。
「諸君!日頃から御苦労様!今日は心置きなく飲んでくれ!乾杯!」
「「「乾杯!」」」
お料理は山菜を使った前菜にお椀、天ぷらもあった。お造りは川魚の刺身で牛のシャブシャブに川海老の姿焼き。デザートはアイスクリーム♡
全て先生の発案である。さすが、美味しい物を食べるためには妥協しない先生だ!
先生はみんなと美味しそうにお酒を飲んでる。
逆に私は子供達に囲まれている。
「マールお姉ちゃん、椎茸キライ」
「好き嫌いすると大きくなれないですよ!」
「マール姉ちゃんも好き嫌いあるの?」
がーん!
無邪気な子供のセリフはダメージがっ!
「これっ!ツバキ!マール様すみません」
母親が子供を叱りつける。
子供達は何が悪いのかわかってないようだ。ってこのお母さんは…。
「シズちゃん?」
「ええ、マール様お久しぶりです」
シズちゃんはこの村育ちなので私もよく知っている。すっかり大人である。ある意味羨ましいが、私はユキ様の弟子で付き人である方がいいのだ!
人の幸せはそれぞれなのだ!
でも、ちょっと胸は本気で悩む…。
乙女?には色々悩みがあるのである。
2話掲載は今日まで。明日から1話掲載に戻ります。




