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最凶  作者: なっしー
33/130

033 四季の森

グルメ回です。

実りの秋である。

世界樹の結界はその後の成長を考えてかなり広範囲に張ってある。

東側には麓の村、南側は3km程度の湖、北側は農耕地、そして西側には5km程の森が広がっている。

この森は四季の森と呼ばれ果樹が多く春には苺にサクランボ、マンゴー、グレープフルーツ…、夏には桃にメロン、あんず、イチジク、スイカ、梨…、秋は柿、ブドウ、キュウイにカボス…、冬にはオレンジ、みかん、りんごなどなど。

世界樹の栄養が豊富なので畑にしなくても勝手に実るので取り放題なのだ!


たまに村の子供と採りに行ったり、マールと一緒にケーキの材料をもいだりしている。


今日も特にやることが無かったので村の子供と栗とブドウ狩りをしている。

(かご)の中が半分くらいになったところで子供の1人が…。


「ユキさまはいいなぁー!」

「うん、どうした?」

「だっていっつもマール姉ちゃんにケーキ作ってもらってるんでしょ?」

「わたしも食べたい!」

「ズルいズルい!」


うみゅ、いつもでは無いんだが…、ケーキだけでなくクッキーやコンポートの時とか…怒られそうなので言わないが…。


「わかったわかった!じゃあ、マールに言ってみんなのケーキも作ってもらおう!」

「ええっ!いいの?」

「ああ、マールにみんなでお願いしよう!」

「「「やったー‼︎」」」


皆大喜びだ!頑張れマール!


「みんなは何のケーキが食べたい?」

「モンブラン!」

「ブドウ!」

「モモのケーキ!」

「桃はもう取れないじゃん!」

「でも、モモ好きなんだもん!」

「秋に食べれるものじゃないとダメなんだぞっ」

「うエェーん」


泣き出してしまった…。仕方ないなぁ。


「大丈夫だから泣かないで」

「ホント?ユキさま」

「私を誰だと思っている?」

「モモ食べれる?」

「ああ、私に出来ないコトは無いんだぞ!」


私達は桃の木に向かった。


「やっぱり桃なって無いね」

「そんなコトは問題無い、よく見ててごらん」


私は『時間操作(タイムオペレーション)』で約1年経過させた。

花が咲き、実をつけ、大きくなる。


「ほら、桃がなったろう!」

「スッゲー!」

「ホントに桃ができた!」

「ありがとう、ユキさま!」


早速もいで


「せっかくだからココで味見しちゃおうか!」

「「「うん!」」」


みんなで桃を食べて桃も籠に入れてみんなで帰宅した。


マールは頑張って3種類のケーキを焼いてみんなを満足させていた。


「マール姉ちゃんありがとう!」

「ごちそうさま!」

「美味しかった♡」

「おウチでちゃんとご飯も食べるんですよ!」

「「「はーい!」」」


子供達はお土産のケーキを持って麓の村に帰っていく。


「…なんでこの時期に桃があるんですかね?」


マールがジト目でこちらを見ている。


「いいじゃない、子供達は喜んでいたでしょ」

「それは…、まったく、先生は無駄に力を使って…」

「デモ、モモノケーキオイシカッタ!」

「ねー!」

「ハイハイ、まだ余ってるので食後のデザートも食べて下さいね」


ちなみに夕飯は栗ご飯だった。

食欲の秋…。ウエストには気をつけ無いと…!

マールさん、マジ、パティシエ!

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