027 ガラスの塔
今回かなり短めです。
マーラン砂漠…。
前回アルル遺跡の探索をした砂漠には『ガラスの塔』が存在する。
全体的に緑色なのは主成分がモルダバイトだからだろう。
「先生、何故こんな場所にガラスでできた塔があるのですか?」
「…、もともとこの塔は石作りであったのだよ。石や砂は超高熱を加えることでガラス化することがある」
「石がモルダバイトというガラス化する温度は大体1500℃。たまにある隕石の落下地がこのような状態になるんだよ」
「へー、それではココに隕石が落ちたってコトですか?」
「…、いや、ココには隕石は落ちてない」
うみゅ、困った。
どう説明したものか…。
この塔がガラス化したのは約400年前。
当時既に遺跡であったこの塔はほとんど砂に埋もれていた。
私は開発中の魔法『獄炎』の実験をしたところ砂漠の砂を溶かし塔を発掘してしまった。ただし超高熱だったため熱が収まった時には周りの砂、岩、塔までガラス化していたのだ。
ちょうど塔を中心にガラスが広がっているような景観になったのは偶然で、計算したわけでは無い。
当時急に現れた謎のガラスの塔ということで畏敬の対象となって今では観光名所の一つである…。
「1夜にして現れたガラスの塔ということで、世界7不思議の1つと言われているんだよ」
「不思議なコトもあるんですね!」
うみゅ、なんとか誤魔化せたようである。
「でも、そうすると『次元の狭間』の可能性もあるのでは無いですか?」
「こ、この地には封印の地に可能性は無いので大丈夫!」
「タシカニ、『次元振』ノコンセキハナイワネ!」
ミクはうすうす気づいているようである。
今日は早めに帰るか…!
「さて、ココは暑いので今日は早く帰ってお風呂に入るか!」
「そうですね。汗ダクです!」
「サンセイ!」
そうして世界7不思議の謎は暴かれることは無かった。
謎は謎のままの方がいいコトもあるようです。




