109 調べ物
さて、不死の魔王か…。
不死は存在しないわけではない。私もマールも不死だし、魔族の中でも吸血鬼、またはリッチといった者たちも不死である。といっても、再生不能まで攻撃すれば倒せるのだが…。
「ムスターファ、沈黙山脈に封じられてる魔王とは何だ?」
「沈黙山脈?…はて、いつの頃の話でしょう?」
「いや、詳しくは聞いてないが守護竜が守っている封印だが」
「…私の活動期間外の話でしょうかね?調べないとわかりませんが…」
ふむ、そうすると1000年以上前の話か?
ムスターファが役に立たないのであれば、世界図書館で調べるしか無い。
もっとも、すでにマールとフランに先行して図書館へ向かってもらっている。特にマールは図書館のホビットと仲がいいからな。
「マール、おそらく1000年以上前の出来事だ」
「わかりました!」
マールには時系列で、フランには魔王伝承を調べてもらっている。
「マール、ここは任せる。私は竜の谷へ行く。帰りは直にウチに帰るから」
「わかりました!こちらもほどほどで帰ります!」
私は竜の谷へ転移するといつも通り竜達は頭を垂れて迎える。奥に進むと中央に竜王が頭を垂れて待っている。
「さて、聞きたい事があるのだが…」
「我らで答える事ができる事であれば…」
「あっ!そういえば竜王よ」
「なんでしょう?」
「バハムートって知っているか?」
異世界の存在ではあるが、名前くらい知っているかな?
「バハムート‼︎…我ら竜族の神の名前ですが、天魔様は何処でそこ名前を?」
「あー、いや、なんだ…。この間、勝負して勝っちゃった」
「なっ!」
「それよりも沈黙山脈の守護竜のコトで聞きたいのだが…?」
「イヤイヤイヤ、天魔様!そのバハムートはどんな攻撃をしていましたかっ?」
「あー、口からフレアを放っていたが?」
うーむ、自分で振っておいてなんだが、こんなに喰いつくとは…。
「間違いなく竜神バハムートっ!どちらで戦ったのですか?」
「…異世界で」
「……倒したのでしょうか?」
「いや、生きているから安心しろ」
「…そうですか、いや、わかりました。で?聞きたいこととは?」
ようやくか…。まぁ、それほど竜神の存在は大きいのだろう。
結局大した情報は得られなかった。




