103 八頭竜
ユキ様、ご立腹です。
アクアの科学省が襲われた!
私のウチに緊急の遠話で連絡があった。
すぐにマールとともに転移すると研究データが根こそぎ奪われていた。幸い人的被害は軽傷者が数名であった。
「ユキ様!」
「お前たち!大丈夫か!」
「私達は…、しかし折角のデータが…」
「安心しろ!私が直接解決して元に戻すから!」
各国はこの国が私の管理下にあるコトを知っての狼藉である。許さん!
私は各研究室からの足跡に『追跡』をかけると、国の外へ出る足跡を発見した。
「マール、私はこのまま追跡する!お前はアクアと100年王国の警戒を!」
「わかりました!お気をつけて!」
「うん!」
その足は馬に変わり、脇街道を進んでいる。私は飛行で追っているのですぐ追いつくだろう。
3時間ほど追っていると騎馬の集団がいた。服装は旅芸人のソレだが、明らかに訓練されている。問答無用で拘束すると、
「何をする!」
「貴様っ!何者だ!」
「ふーん、無駄な抵抗をする…と?」
私は内1人に洗脳をかけて白状させる。
「俺達は…ミッドの…八頭竜の組織…」
「なっ、馬鹿野郎っ!何をペラペラ喋ってやがる!」
「うるさい!」
自害を防ぐ為他の者はサクセスで麻痺させておく。
聞き出せたのは依頼人不明、研究データはアクア内の犯罪組織に預けてあるコト。報酬は金貨1万枚というコト。
規模にしては報酬がデカイ。バックに国がいるのか、ハナから処分する計画なのか…。
私はすぐにマールへ連絡してアクア内の犯罪組織を潰させる。まぁ、ミクもいるので大丈夫だろう。
私はミッド王国の八頭竜なる組織へ殴り込みをかける。
ドゴォォッォォン‼︎
まずは建物を潰して出てくる者を全て拘束!
奥から出てくる裸で出てきた男女のうち男を洗脳して依頼人を突き止める。ついでにミッド国内の拠点は全て潰す。何やら貴族っぽい人が怒鳴っていたが無視する。
結局犯人というか、依頼人は大店の商人だった。この技術を利用して一儲けを考えたらしい。その流通に犯罪組織も噛ませるといった話らしかった。まぁ、幸いにも何処かの国がバックについてるとかは無かった。
念のためミッド国王へ詳細を説明して、後はムスターファへ丸投げにするコトにした。
まぁ、アクアとミッドの犯罪組織を壊滅させたので良しとしてもらおう。
ちなみに八頭竜のアジトから、賠償金は既に徴収済みである。
…てか、八頭竜なんて仰々しい名前の割に対したことのない組織だった。
新技術の独占は色々な問題がありますね。




