少年期45
3日目朝
村で雨宿りさせてもらってる。最悪だ!濡れる濡れる‼︎
昨夜は村の広場で野営させて貰った。宿?有ると思うか?宿が専業で営めるほど、活気なんか無いんだよ!
ちょっと大きめな家…たぶん村長とかの顔役宅に凸して、荷物だけでも雨宿りさせてくれと交渉して、荷馬車を避難させる事に成功した。セメント、大丈夫か?一応袋の上に油を滲みさせた防水布で覆っているけど…
村長(仮)がウチの馬に惚れ込んでる。繁殖期だったら、ゴルが危なかった…ん?おい、やめろ貴様‼︎よそ様のお馬さんにちょっかい出すな!
ゴルが暴走しそうなんで、久々に安眠の魔法を奴にぶつけて、強制休眠。
危うくゴルハザードを起こす所だった。
子孫繁栄は良いけど、自分の立場弁えような?お前、魔物言われてんねん。ウチの村で先ず繁栄してくれ。ハザードはまだ起こすな。
村長(仮)もそんな残念そうな顔すんなや。金取るぞ金。
足止めされた雨も夜には上がり、明日の朝は出発できそう。
村長(仮)になんだかんだ歓待された。裏がありそうな歓待だったけど…おい、俺は一回はちゃんと止めたからな!
悪魔が産まれても責任は取らないからな!来年以降、この村を通るのが少し怖い…
次の朝、出発の準備をしながら歓待に感謝をする。昨夜はお楽しみでしたね!
随分落ち着いているゴルに白い目を向けて、騎乗する。
おい、随分ご機嫌じゃねぇか?あんまりやり過ぎんじゃねぇぞ?ちゃんと立場弁えねぇと、その玉ちょん切るからな。
シカトこいてるゴルに、コイツを連れて来るべきじゃなかったと今更思った。ま、まぁ、俺はちゃんと止めたからな。おれは悪くねーし!
4日目夜、村まで残り半分くらい。
来なきゃ良いのに、訪問者が来た。分かってるってのに。討伐隊が見逃したのか、潜伏が得意な連中なのか…俺の専用装備が騒いでる。俺に害意を向ける相手を見逃さないと言わんばかり。職業を聖者に変えれば、とんでも無い事になる。それはもう一度実験済みだ。だから、まだ変えれない。一網打尽にする為に。
焚き火に木を焚べていると、荷物を担いだ少し腹の出た行商風の、柔和な顔の男が近寄ってきた。
「こんばんは、今夜は降られなくて良かったですね」
「えぇ、こんばんは。昨日は1日雨で大変でしたよ。ところで、あなたお店はどうしたんですか?確かトゥールの…」
「あ、えぇ…お恥ずかしい話ですが…少し店の方でありまして…」
「えぇ、聞き及んでます…何でも、氾濫の時に油と偽って、色水を売っただの、女に血道をあげて商品を横流したとか…散々な言われようだったとか」
「えぇ…」
「挙句が店を放逐され、馬鹿にしていた弟に店を取られ、自身は破落戸に。冒険者では身が立てられず、犯罪に走ったと」
「てめぇ!」
柔和な仮面が剥げて、憤怒の表情を浮かべてる。だが、残念ながら罠にかかったのはお前だ。切り替える。聖別の天秤が共鳴効果で神気を撒き散らす。たぶんここに分銅があったら、公式チートになるスペック。あんまり多用すると相乗効果でアッチから戻ってこれなくなりそう。
「塒はどこだ?言えば楽に死ねる。苦しんで死ぬか、楽に死ぬか、ここで選べ。天秤は均衡を求める。その罪禍に対価を求める」




