少年期35
いつの間にか家の骨組みが完成し、屋根が葺かれてた。また時空が歪んでる‼︎
洗濯機に悪戦苦闘してたら、もう今年の麦が育っていて、見慣れぬ子羊が跳ねてる。
それといつの間にかご近所さんの家が建とうとしている。
井戸の広場に建とうとしてる⁉︎全然気づかんかった!
誰だこの野郎、俺の縄張りに!って見に行ったらネロ兄だった。オッス、どんな感じ?え?今度嫁さんもらって独り立ちする?で仲間と俺の家建てた経験で、今度は自分達の家を建てる?この後3軒は建つ予定?
えぇ?ネロ兄マジか⁉︎結婚するのか⁉︎え、半年前には言った?なんなら家立てる前に嫁も紹介した?この間の糸巻きにもいた?
…
……
ネロ兄、聞いてくれ!実は俺は過去から突然ここに来たんだ!詳しいことは言えないが、信じて欲しい‼︎何か大きな力で過去から未来のここに飛ばされてきたんだ!
気付薬は良く効くぜ!
マズイ、骨組みだけの我が家が突然現実味を帯びて来た。わしは一体何を…真理に魅せられ、足元がお留守になっておったのか…
当初の目的をすっかり忘れていたわい…
ヨシ、今度こそ街に行く。絶対だ!というか、明日にでも行こう。ここで行かないとまた真理に取り憑かれて先に進めなくなる。収穫まではまだ1ヶ月以上有るから、今なら行ける。
糸も紡いだ、ような、気がしなくもない。だめだ、全然思い出せない。
「ネロ兄、俺ちょっと街に買い物行ってくるけど何かお祝いで欲しいモノない?」
おれは気遣いができる子なんだ。
それから直ぐに出発の用意に取り掛かる。
先ずは糸。旋盤で真っ直ぐに整えた棒に綺麗に巻き取られ、撚られた糸。沢山。
食いきれない量の麦、干し肉、蜂蜜、蜜蝋
蜜蝋?遠心分離機⁉︎回転だ‼︎家畜の毛脂もこれで高純度に⁉︎こんな大事なモノを忘れてたなんてオレは……‼︎‼︎
ハァハァ、違う!今は!準備を‼︎
ダメだ!考えが纏まらない!回転に触れて心が昂まってしまってる!
神棚で急ぎ祈りを捧げて沈静化を試みる。
ふーー
鍋は持っていこう。保存食までは作って無いから、普通に飯を作って食うしか無い。
荷馬車にどんどん売り物を載っけてく。ちょっと麦が予想以上にあるな。この際だ、詰められる物なら何でもいいから、持って行けるだけ持ってくか。
袋とかあったかな?壺とかを使うしか無いか?こんな事で苦労するとは…跳ねて割れないように縛り上げないとじゃんか…
買い物は新婚さん用の家庭用道具に樽とか袋なんかの入れ物、調味料の塩で残りは接着剤に全額かな。結構な量になるな…工具とかも欲しいけど…
荷馬車4台全部出すか?帰りの荷物がどうなるか分からないからな。
なんや、ゴル、小突くなや!
あ、嫁さん今妊娠中と…子供達出しますか…いつもその優しさを見せろよ…
変顔して煽られたから尻ぶっ叩いた。全然効いてなさそうで、逆に俺の掌が痛かった…




