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少年期25

「おーい、アルス。馬貸してくれー」

ネロ兄が家に尋ねて来た。

「いいよ。でもあいつらバカデカいけど大丈夫?ヒョロい農具だとぶっ壊れるかもよ?力があり過ぎるから」

「そうなのか?鍬なら大丈夫か?」

「鍬なら大丈夫かもだけど、鋤はまずいかも。今特製農具も作ってるけど、手が足りなくてね」


そんな話をしながら、馬の棲家に案内する


「おいアルス?ちょっと見ない間にお前の所変わりすぎじゃないか?」


まず見えて来たのは旧兎小屋を解体して作った家畜小屋。小山みたいに土を盛り上げて、中をくり抜いた、大きなカマクラみたいな家畜小屋。入り口を少し高くして、浸水にも対応してます。地下に拡張したかったけど、掃除が大変になるから断念。ちょっと畑にはみ出してるけど、ご愛嬌。

次に、井戸予定地付近には大穴と、縄張り。それにさっきと同じ様なカマクラ。ここは俺の休憩小屋。こっちは地下に拡張してあり、現状でもある程度の空間を確保してる。コレでも良いんじゃね?と最近は思ってしまうけど、雨の度に思い直す羽目になる。湿り気がねー。建材土なんで。

そしてここから少し高台には登窯擬きが見える。あそこは現在稼働してないけど、ここより大分開放的な乾燥場所が丘に掘られてる。庇屋根みたいになるよう掘り込まれた空間が、断続的に何箇所か掘られてる。


最後に、ネロ兄を案内した水場の馬小屋。小屋ってか洞窟。アイツらが窮屈しない程度の穴掘ったら、丘に出来た洞窟みたいになった。粘土質の土は建材に使用するので、ちょっと離れたところに丘っぽいものを造成した。

ここまでするのに3ヶ月くらいかかった。途中、何度か崩落事故が起きたらしいが、人身事故は幸いなく、土ちゃんが埋まった程度で事なきを得た。ご苦労様でした。

馬房とは別の空間に作りかけの馬具とかも転がってる。


「さすがに変わりすぎだろ…それと、それはなんだよ。石の円盤?」

「あぁ、それ。それは車輪にする予定の物」


口半開きで呆然としてるネロ兄の顔、オモシロ!


「なんで車輪?」

「なんでって、この村に馬車作れるような職人いるか?居ても、何と馬車交換するのよ?無い無い尽くしなんだから、自分でこさえるしか無いでしょ」

「それにしたって…コレはどうなってんだよ…」

「魔法だよ魔法!俺は皆んなより非力だけど、その代わりの力だわな。俺は妹にすら腕相撲で負ける自信あるぞ!100回やって100回負ける自信が!」

「あぁ、そういう事か。お前の才能はそっちだったから、心配になるくらい非力だったのか…」


めっちゃ納得された。それはそうか。俺の貧弱さは村一番の呼び声が高かったもんなぁ。頭は回るけど、力は全然無い。かと言ってそれを卑下して無いから、憎めないみたいな。

なんだかんだ自分、愛されキャラでやってますから!皆んなと仲良くやってもいますしね!


「まあそれはさておき、この作った荷車使ってみて。感想きかせてよ。おーい、ハルー!こっちおいでー!」


組み立て前の大八車っぽいのに木ちゃんが育てた選りすぐりの、真っ直ぐな車軸ぶっ刺して、石の車輪をセット。車輪が外れないように、石のパーツで車輪を固定してっと。パーツの一つ一つがバカ重たいな!

ハルに縄を引いてもらうんだけど、痛く無いように胸当ての所は当て布を厚くしてあげる。ゴルだったら縄目ゴリゴリで引かせるんだけど。


ここまでして、ようやく少し前進した気分だな。

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