少年期16
氾濫から9日目早朝。
暁に導かれて…コレだと違うネタになっちゃうか?やはりネタ的に夜にすべきだったか?それとも正反対の真っ昼間にすべきだったか?
クソしょうもない事を考えながら、大聖堂とでも形容すべき教会に初めてお邪魔する。教会では朝の礼拝の最中なのか、祈りが既に捧げられている。
街の人も何人か朝の礼拝に参加していて、掃除の手伝いなんかもしてるっぽい。
大聖堂の内装は床にモザイク画調の物が配され、壁面には立派なフレスコ画が描かれてる。明かり取りの窓はステンドグラスで、コッチの世界の神話の一場面が描かれてる、と思う。いや、パーツがデカ過ぎで、何の何処を切り取ってるかは説明されなきゃ分からん。
お上りさん丸出しで教会を堪能しつつ、托鉢の若い見習いっぽいのに浄財を寄付。ガキだから、こんなもんで勘弁な!
礼拝が終わり、人が疎にはけていく。その間もお上りさん全開で絵画や彫刻をたのしんでいると、ハルモニア女神像を見つけた。
自然と祈りを捧げる。たぶんそんなに長い時間じゃなかったと思う。ただ、まぁ初めて守護神像を見た感動で、ちょっと深く祈っちまった。瞑想から目をあけると、すんげー柔和な顔した、すんげー立派な服着た爺様が、コレまたすんげー笑顔で隣で祈ってた。
「ハルモニア様ですか?」
「えぇ、常の感謝をと」
会話のきっかけに軽く教会の感想と牽制を。
「いやー、立派な教会ですねぇ。田舎から出てきて、一度は寄ってみたいと思っていたんですよ。あぁ、ご身分とか名前とかはやめて下さい。一応、自覚は有りますが、村には待ってる家族も居ますので」
「おや、つれないですね。何処の高僧が来たかと思ってみれば、こんな少年が居たんですから。構いたくもなるでしょう?」
爺様ニッコニコや。人を珍獣か何かと思ってんか?ロックオンされてんなぁ。
「もう大分構って頂いてますので、これ以上は過分に過ぎますよ。もう少し放任して頂いても良いと思うのですが、どうにも手のかかる子とでも思し召しか、良く構って頂いておりますよ」
「でしょうな。先程御身に降り注いでいた気配に、この老骨も何事かと年甲斐もなく驚き、遂にお迎えが来たかと思ったものですよ。得難い経験をまさかこの年で再び味わうとは…感慨深いものですよ」
あー、これは不味い案件か?やっちゃった案件か?でも感謝を捧げないのも、それはそれで違うんだよな。逆にやっちゃえ案件だったのかも?分からんわ。
「こうなる事は、何となく分かってはいたんですけどねぇ。だからと言って素通りするのも心情に反しますし。まぁ、内密にお願いしますよ。まだ時じゃ無いって言われている気もしますので」
「そうですか…非常に残念ですが……ところで、そこまで御心が分かるのかい、少年?」
爺様、さすがにそれは買い被り過ぎよ。
「いえ、故郷にやり残してきた事がまだ多く、今回の氾濫でここにはたまたま来ただけですので。やりかけの物事を途中で放り出す事を望んでいるとは思えませんので」
「あぁ、それは確かにそうですね。ではその時が来る事を首を長くして待っていますよ。出来れば私が生きている内だと良いですね」
おい、度々差し込む老人の寿命ジョークやめろ。笑って良いか分からんわ。
「ところで御老人、教会では何度かこういう事が起きるので?後学のためにも知っておきたいのですが」
毎回お祈りで驚かれちゃたまらんからな。今回は深くお祈りしちゃったからアレだったけど、コレがどれくらいの物だったかは知っておきたい。
「今日ほどの気配を身近に感じたのは、寵愛深かったここの先代が亡くなった時以来ですね」
結局オチも寿命ネタかい‼︎




