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少年期5

収穫の時期が来た。大麦畑の黄金の輝きがどんどんと刈られていき、干されていく。「農業」スキルの力なのか、ちょっとした重機じみてる。

異世界農家のパワフルさに圧倒される。なんというか、フィジカルギフテットの集団って感じ。そりゃ、開拓作業だって捗るってもんか。



肉体的な基礎能力に倍率が掛かる系のスキルなのか?基礎能力が低い俺には恩恵があまり無いのかも。そりゃ妹にフィジカルで負けてると感じるわけだ…

逆に、魔法的要素は一切感じないスキルでもある。

村の皆んなが使う「開墾」スキルは力こそパワーって感じだ。


「兄ちゃん、遅いよ!日が暮れちゃうよ!」

「カミラちゃん、危ないからもう少しゆっくりで良いんだよ?麦は逃げないから、明日もやれば良いんだよ」


俺と同じかそれよりも早い速度で、鋭い鎌捌きを披露して麦を刈り取る妹に戦慄する。来年はたぶんもう勝てない(確信)


刈り取った麦は順次干されていき、乾燥後に脱穀される。収穫を歓んだのも束の間、税として半分以上が持っていかれる。

持ってかれたと嘆いていても仕方ないので、他の食い物を栽培したり、家畜用の牧草を植えたりと空いた畑で食い物を育てていく。


夏から秋の忙しい時期が過ぎて、ようやく開墾地の最終整地が終わった。地面もある程度均されて、種蒔きが出来るくらいにはなった。

冬の種蒔きにはなんとか間にあったので、来年は今年より腹いっぱい食べられる様になるかな。


「もうちょっと広げても、数年後には何とかなるかな?」


兎を膝に抱えながら、開拓した畑を眺めて物思いに耽る。

俺にはフィジカルが無い。成長しても相当非力な部類に入るだろう事は、ほぼ確定だろう。でも逆に、魔法的な能力は村で随一ってか唯一かな?神父さんですら神聖魔法が使えないくらいだ。

冬の度に被害の大小の差はあれど、風邪が流行った。それでも神父さんが魔法で病気の治療をしている姿は見た事がない。(代わりに俺が陰ながら治療してた)

そこから考えるに、魔法スキルの有無は結構デカいんじゃなかろうか?

そして、ここが問題なんだが、治療をしてきた結果として村の人口が増えた。特に妊婦と乳幼児の死亡率が極端に下がった。数年後には村の人口が爆発する気しかしない。


うちでもマテオが最近産まれたし、そこら中の家庭で赤ちゃんが産まれてきてる。

せめて親戚とか顔見知りが口減しで不幸な目に遭わない様に、今から準備をした方が良いのじゃなかろうかと思う昨今。幸いにも麦は灌漑してまで水を必要としない作物だから、手付かずの原野を開墾すれば何とかならないかなと。


兎の手触りを楽しみながら、取り留めもなくそんな事を考えた八歳の冬だった



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