拠点暮らし18
「まあまあなんじゃない?」
「そうですね」
地下に格納した水車室にて、光ちゃんに照らされた水車が結構な勢いで回ってくれてる。お陰で遮蔽壁を作っていても水が部屋に飛び散っております。機構部分に悪さしないように、もう一枚壁が必要か?
ガイ君と並んで水車一号を見つめる。
結構なお手前で完成したんじゃないでしょうか?
軸受に多少難有りとはいえ、程々に回っております。
今回、畜力から水力へと変わって、何が変化したかっていうとメリットなら時間による拘束から、少し解放された事。
家畜の休憩や睡眠時間に左右されなくなったので、労働時間が増えた。やったね!社畜の鑑だよ‼︎
夜間も照明さえ有れば動かし続ける事が可能になり、生産性がその分向上した。そして研究もその分出来るようになった。
言ってしまえば、餌も休憩も必要としない無尽蔵に近いエネルギーを汲み出すのが水車って物だ。しゅごい。
ただ、デメリットも勿論ある。
生き物じゃ無いから、不具合が出ても飯食って寝てれば勝手に治るって訳じゃない。どこが壊れたか見つけて、バラして修理や部品の交換が必要になる。そして、動力たる水を引く水路にもその手入れは必要になって来る。大雨が降ろうものなら、水路に砂や泥がじゃんじゃん入って来るし、取水口辺りの石積みも点検補修が出て来る。
一長一短あって、ここまでしてまあ色々と感じた。いや、水路整備してた時から、薄っすら思ってた。
別に俺1人の研究だったなら畜力でよk…
俺は過去を振り返らない、常に前を向いてる漢なんじゃ!
ただ、本当に水車の恩恵を感じるのは、その無尽蔵のエネルギーなんだ。ここだけは嘘じゃない。
長時間の実験とか耐久実験とかの時には重宝するってのは、施設を作る前から思っていた。これに関しては事実ですわ。だから頑張れたとも言えるし。
ただ水車を見た時に脳を灼かれたとかそういう理由じゃ…そういう理由も若干…
「ところで先生、こんな狭い地下室じゃ碌なものも置けないんじゃないですか?」
「あぁ、ここからさらに軸を上に伸ばして、そこが研究場所になる予定だ」
「まだコレで終わりじゃないんですか?」
ガイ君の呆れ顔が少し辛い。えぇ、これでまだ終わりじゃないんです。上に掘立て小屋で良いんで作りたいな。間口を広く取って、大きなのは外でも実験できるようなのが理想ですな。
「まぁ、何でも良いですけど。どうせここまで作ったんなら先生の村でやったって成果を見せてくださいよ。先生の好きな大麦も時期的に収穫ですし、脱穀とかの機械を見せて下さいよ。他の連中だって楽できるって喜びますよ」
ふむ、ならば金属歯車四号の小型歯車の試運転でもしてみるか。前は出来なかったけど、ここなら金属も手に入り易いし、釘バットみたいな脱穀棒でも作ってみて。
どこまで高速回転に耐えられるか、いよいよ実験じゃ!
二日酔いでやんす




