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2.転生悪役令嬢様……たらしすぎだと思います!


わたくしは15歳で社交界にデビュー&乙女ゲームの舞台である国立の学園に入学しました。乙女ゲームが開始されたのはその1年後。初イベントは入学式。らしいです。あのお決まりのヒロインちゃんが遅刻するというもの。らしいです。わたくしはこのゲームを触っていないので実際はよく知らないのですが。

わたくしはこのイベントを見るためにすごく頑張りました!生徒会長にならない限り、上級生は入学式に参加出来ないのです。さて、ヒロインちゃんが入学してからのことを振り返ってみましょう。


入学式が始まり学園長の無駄に長い話が終了するとわたくしの出番です。壇上に立ち一礼をし、その後不自然にならないように新入生を見渡す。


そしたらなんと!


全員きちんと指定された座っていたのです!!(ぐうすか寝ている人もいますが!!失礼ですね!!)


つまり!!!


ヒロインちゃんは遅刻していないということです!!!!



動揺を隠しつつなんとかそれらしいことを言いましたが、わたくしの頭の中は大混乱です。実はここは乙女ゲームの舞台ではないのか?ヒロインちゃんは転生者?など様々な疑問が頭に浮かんでは消えました。


まぁ考えても仕方ない。これ以外どのようにイベントが発生するか知らないし、騒ぎが起こったら生徒会長として様子を見に行く振りをして堂々とイベントらしきものを眺めようと決めたのだ。が、


人だかりができる場所の中心にいるのはいつも悪役令嬢様!!


ある時は悪役令嬢様が無実の罪を着せられそうになり、婚約者の第2王子殿下が無実を証明していたり。


またある時は大層おモテになる悪役令嬢様の義弟と中庭で踊っていたり。それがまるで絵画から切り取られたようであったので人だかりが出来ていたり。(本当に何してるの)


またある時は階段から突き落とされた悪役令嬢様を次期外交大臣がお姫様抱っこしていたり。


何が起こってるの?悪役令嬢様が来てから面倒事は増えるわ、ヒロインちゃんがイベント起こしてるところは全然見えないわ……どうなってるのよ!!わたくしの心労の分だけ甘いシチュエーションを献上しなさい!!それか新入生用のこの資料誰か代わりに作って!!


そんな自分勝手なことを考えてると生徒会室のドアをノックする音が聞こえた。


「どうぞ。入ってください」

「失礼いたします。1年生のA組の提出物を持ってきました」

「ありがとうございます。そちらの机の上に置いといーーふぇ?」


わたくしの中で話題の悪役令嬢様?!?!役員してたんですね!!


「どうかしましたか?」

「いいえっ!公爵家のご令嬢が役員をしていたので驚いただけです。大変失礼いたしました」


咄嗟に思いついた言葉を並べて頭を下げる。


「気になさらないでください。……それにしても生徒会長が女性だなんて驚いた。確かゲームでは男性だったのに」


……今超小声で言ってたけど超重要ワードでしたよね!もう転生者決定じゃん!


「提出ありがとうございます。これから重要書類を作成しますので、申し訳ありませんが退出願います」

「はいっ!長居してすみません」


悪役令嬢様はにぱっ!という効果音が似合う笑顔を向けて出ていかれました。


わたくしは椅子にもたれかかりながら状況整理をする。

悪役令嬢様は転生者。自分が断罪されるのを知っている。これはあれだろう。よくネット小説で見る、無自覚で周りの人を垂らしまくってるやつ!!

わたくしあれ嫌いなんですよねー。大体自分が推しているキャラとくっつかないので。


……わたくしが生徒会長の時に修羅場を起こさなかったらもうなんでも良いです。ーー別に現実逃避ではないのですよ!!


後日、ヒロインちゃんとすれ違ったら騎士様と仲良く歩いてました。

なるほど。堅実な道を選びましたね。騎士様の家は伯爵位。しかも弟さんが爵位を継ぐことは決まっているので婿養子として受け入れてくれる家が必要。そしてヒロインちゃんは男爵家。しかも一人っ子。爵位の差も攻略対象者の中だと1番無い。無難でいいんじゃないかな!

ちなみに彼女も転生者。何故知っているのかって?

「なんでアイル様がハーレムを?」

と言っていたのを聞いてしまったからです。アイル様=悪役令嬢様らしいです。わたくし顔と爵位しか知りませんでした。


生徒会長任期では何も起きず安心していたら今さら巻き込まれるとは思いもしませんでしたわ!!

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