気持ちいいのは…最高だよ……
「それで、この人はどうしますか?これ、このままにも行きませんし………」
とアーシアが指を指したのは私が手に持っている銃で殺した人である。これは数分間の説教から解放したときに、幸福に入ろうとした途端の事だ。クオーレのせいで持ち物も着るものも剥がされた全裸の死体。それを見てるアーシアはまるで殺しかけた小動物を見ているかのように心配そうにいってきた。
……まず、この死体って、どうしたらいいのだろうか……。人が死んだ後は運営の野郎は何するんだろうか。まずは……火葬?まぁ、それが妥当かな……。なんかやりそうだし。いや、俺から見れば、あいつらはそんなことはしないはずだ。いっそ、そのまま土に埋めそうな気がするし。それとも海に放り投げて魚たちの餌にする?もしくは天日干しして、犬の遊び道具……に?やばい、そう思うだけで体が寒気と共にゾクッとしたわ。でも、このままじゃ、通行の邪魔になるし……な。
「そうだな……。クオーレ、ナイフ貸して」
「ん?いいよ…」
しばらく考えた俺は銃を置いて、クオーレからナイフを借り、全裸の死体に近づいた。まずは全裸の死体の手首を切ろうとした。すると
「待ってください」
「ん?」
突然、アーシアに止められてしまった。
「どした?」と俺がなんだ?なんだ?かのように言うと
「何するんですか?」
「………干し肉」
「その人を?」
俺は何事かのように清々しくこくんと頷いた。これは当たり前だろう。だが、アーシアは驚いた顔で一歩後ずさった。目は引いているようだ。
「え、本当に……食うの?その人を!?」
「当たり前だ」
と。凄く大声で叫んでたアーシアは凄く驚いた。まるで、本気か!?のような目をしながら。
「……!!そんなことは出来ないでしょ!」
「ええ!何で!?」
「ええ………じゃ、ないでしょーが!」
アーシアが勝手に死体を解体をしようとしたナイフを取ろうとした。取ろうとしたのを気づき反応が早かった俺は即座に逃げようとしたが遅かった。俊敏性はアーシアのほうが有利であった。アーシアはすぐにナイフを持っている俺の手にギュウ……と強い力で「いでぇ!」と俺が自然的にナイフを離してしまった。ナイフを取ったアーシアは即座にナイフを手にして俺から一歩下がろうとしたのだが、俺は反応が早いため一歩の退こうとしたアーシアの裾を引っ張ってはアーシアを転がせてナイフを取り返そうとした。が、これが男女の握力か、それとも個人差かであるが、すごい力でナイフを離しちゃくれない。俺はすぐにでも無理矢理に、手を離そうとした。しかし、なかなか離れやしない。
「てめぇ………離せや!その手!」
「シェリアさんだって分かるでしょ!?人の肉を食うのは死ぬんですよ!?毒と同じみたいですよ!?」
「安心しろ。確かに死ぬかもしれないが髪や爪は致死率ゼロだと。………と、なんかよく分からん本に書いてあった」
「そのよく分からない本の事を信じちゃダメです!それは何度も本を読み返してから言ってください!」
「いやいや。これは確かな事だ。だから……」
「はいはい。そこまで、そこまで」
と今まで黙ってたクオーレが間を持って入ってきた。そして、その呑気なクオーレに間を持たれたことで俺とアーシアは「あああ!もう!」と言ってお互いにクオーレを肩を掴んでは
「クオーレも何とか言ってくれよ!こいつに最近の世界の食糧問題に語ってやろうぜ!」
「それがなんですか!いつだって問題ですよ!もし、そうだとしても、人を食べる事はないでしょ!人は食い物ではありません!戦時中に食べられたとか何とか言われても、そうとはいきませんから!クオーレさんも言ってやってください!この子は変だって!」
「それはお互い様でしょうが……」
「「どこだがよ!」」
と同時に言われたクオーレはええ……とか、俺が言わないといけないの?引く顔であった。しかし、そんなの口論しまくる俺達をほったらかして何か察したのか
「とりあえず………ほーらほら、隠れよう、隠れよう」
とクオーレは即座に勢いよく俺とアーシアの体を軽々しく持ち、すぐに死体の位置から離れた。「お、おい!?」「何かあったんですか!?」と俺とアーシアが戸惑って体を暴れだしても、「はいはい、暴れだしちゃダメですよ〜」とよしよし、赤子を触ってるかのように背中を撫でてた。誰が赤ちゃんだ!と言いたいところだが、いい所を見つけたのか、クオーレはすぐに俺とアーシアを投げだして胸ポケットに入れてあった望遠鏡を手にする。俺は何があった?と思うばかりである。いや、それはアーシアも同じ事だ。
「お、おい……何が……」
「しー、声が聞こえちゃうでしょ。」
「え、なんの事だ?」
「ほらほら、見て見て。見たら納得する……かもしれないから」
と笑顔で少し離れた死体がある位置に指を指した。まるでUFOを見てる少年のようだ。でも、俺は大人で死んだんだよ。そんな子供の眼差しをしても……ね、困るわ。俺は「ふっ」と吹いた。これぞまさに大人の余裕を見せたのだ。でもなんだか、クオーレを見ていると、あの頃の俺に戻ったみたいだ。あの時は好奇心旺盛だったな。でも、これでも前世で大人になってお亡くなりになった身である。クオーレがその子供らしい好奇心旺盛の様子を俺が見守ってやろうではないか。俺はすぐに煽るようにこう言った。
「どしたー。これから俺があれを解体したいだけどなー」
俺は先程までアーシアに奪われたクオーレのナイフを指で振り回した。アーシアはハッと気づきナイフが入ってあったポケットをあちこち探る。全然ないと気づいては目を睨んでリスのように頬を膨らませ拗ねらせた。……何で、目と頬が矛盾してね?そこは頬は膨らまないだろう。俺は呆れてた。こいつ、あんまり表情の表現が出来てないのではないか(だが、可愛いからよし)と。すると
「お、来た来た。」
と丁度クオーレが横を向いていた俺の肩を軽く叩いた。俺が顔の向きをクオーレの方に変えたら、クオーレは静かに興味津々な目で少し離れてた死体を見つめた。俺とアーシアは何事かのように顔を合わせた。そして、クオーレのところに近づいて死体のある方向に見てみると俺は目を丸くした。なんと、上からドローンが一機、降りてきたのだ。ドローンを降りてすぐにまるですでに察知したかのようにビービー!と音を鳴らした。あまりにも巨大な音だったので俺達は目を閉じて耳を塞いだ。
「うわぁぁぁぁ!」
「きゃぁぁぁぁ!」
「うぉぉ……」
キィーン!と今でも耳鳴りがはっきりする音で鳴りまくった。少しながら俺はまだ瞼を閉じてはなく、目を少し開けていた。そこにいたのは音を聞きつけて来たのか、黒のトレンチコートを着ていた三十代半ばの男性がいた。いや、立っていた。しかも、よく見ればこの音が耳栓をしている。ずるいなコイツ……と引かれていたが、男は音が鳴っているドローンを近づき、黙りながらドローンのスイッチを押した。ドローンは静かに徐々に音を鳴らすのをやめていく。音が来た途端にドローンは上に上昇して、どっか行ってしまった。男は全裸の死体を担いでいた。が、その時、突然俺達の方に向いてきたのだ。まるで何かに察知したのかみたいに。それを見て俺はビクッと目を開いてしまった。気づかれた……!?と俺は今すぐにでもクオーレとアーシアと共に離れようとし、一歩、退いた。しかし、
パキッ
__あ……、やべ……
と俺は焦ってしまった。俺の視界に足元が見えていなかった。ふと、足元を見ると踏まれて折られた枝があったのだ。すごく大きな音だった。すると、鼻筋から水が綴った。やばい………めっちゃ汗が止まらない。死ぬのか……?俺ら……。と視線を感じた俺が前を見ると男がこっち見ていた。俺は思わず息を飲んだ。このままでは……殺される。と、手に持ってるナイフを用意をした。今現在に黙殺とかしたこの空間。
__来るなら……来い!
俺は覚悟を決めたように来るか来るかと待ち望み息を飲んだ。しかし、男は来ることはなかった。むしろ、何故かため息をつくだけだ。男は俺らを無視して死体を担いだまま俺らが目につかない方へと行ってしまった。
「あ、あれ?」
と俺は頭の中でズッコケた。いや、来ないんかーい。普通なら来るものだろ?死体を降ろしてでも、向かうのだろう。まぁ、面倒になるのから逃げたのもあり、として頭で処理できるのだが、俺はただ単に戦いたいんだ。無視のままなのはいかないというのだ。でも、それはそれでもあるのだが展開というのを知らないのかね、あの男は。
「シェリア、見たでしょ。すごいよね〜」
とクオーレは関心そうにまるで慣れたかのような片手でスマホをかざしてた。きっと、これを残すために撮ったのだろう。だが……
「それ、撮ってどうすんの?運営に流すの?」
「ううん。万が一の時にですよ。記憶に「あれ?」と思った時にこれを見るの。昨日、これを見た時にそう思ったんだ〜」
「へー……。え?昨日!?」
「うん。暇だな〜、って、思ってぇ。それでシェリア達がいっぱい人を殺したところを見に行ったらね、あのおじさんがいたの!いや、他にもいっぱいいたか」
「うん。つまり、見てなかったの?寝ていたアーシアを…」
「あ。あー……」
とクオーレは今更かのように気づいては俺から視線を逸らしてる。
「………はぁ!」
失敗した……。コイツに役所を見渡せとけばよかった。俺は苛立ち、頭をくしゃくしゃと掻き出した。まさか寝ていたアーシアを放置して、自分は例の所を見に行っただぁ?ふざけるんじゃないよ。もしも、アーシアが殺されたらどうすんだよ……。俺は呆れてため息をついた。前を向くとクオーレは俺を無視するようにスマホをいじってた。ダメだコイツ、全然伝わってねぇよ。それどころがすっげぇ気まづいよ〜。もう、このまま無視して行こうかな?すると
「本当に……死体が運ばれるなんて……」
とアーシアが俺の方に近づいてきた。その時のアーシアの顔は目を見開いて、少し口が開いていた。
「だよな。俺も最初はそのまんま放置なのかと思ったが……嘘のように運んでたよな……。きっと、運営の野郎は死体が通行の邪魔と判断したのだろうな。あ、あと……それと……」
「はい?」
「悪かった。俺、焦ったかもしれねぇ……」
「いいえ、僕も焦ってましたし、気にしてませんから」
とアーシアは微笑んだ。本当にいい子だな。母親が目の前にいるみたいだよ。
「さてと、そろそろ帰りますかぁー」
颯爽とクオーレが立ち上がるとスマホをポケットに入れた。
「もう、そんな時間でしたか?まだ、夕方ではないですが……」
「これをよく見て」
とクオーレは入れた直後であったスマホを取り出して画面を見せつけた。スマホの時計はもう四時に回ってる。あれ、もうそんな時間なのかと思い、俺もスマホを取り出し画面を見てみると、本当に四時であった。そんなに歩いて、こんな見せ場にも熱中したのか、正直俺は引いた。でも、こんなものかと納得はした。俺が体内時計は遅いのか?でも、時間は時間だ。流れは早いものだなと改めて時の早さを思い知った。明け暮れには早いがそろそろ帰った方がいいよな。俺は立ち上がると
ぐぅーーーーーーーー
と俺らでもきこえるぐらいに腹の音が鳴った。これは……と俺はアーシアを見ると、やはり腹の音の正体アーシアであった。アーシアは自分の腹の音だと気づき、腹を抱え膝を崩れさせた。少しすると、アーシアは俺の目を合わせて、「ば、ば……」と慌てて
「ぼ、僕の、せいじゃないですから!まだ、おぉ、お腹すいてませんし………」
「でも、腹の音が鳴ったのアーシアの方だよ。お腹すいているなら、パンあげるよ。少し硬いけど……」
「うぅっ」とアーシアはぐぅのねも出なかった。ぷるぷると震える手でアーシアはクオーレからもらったパンをちぎり、申し訳ないような顔で食べた。その直後に、パンが美味かったのかと思われるようにアーシアは一気にパンを頬張った。頬張った顔も本当にリスであった。俺はリスでも飼ってたのか?俺もカバンの中からクッキーを取り出して、一個をクオーレにあげた。
「ほい」
「ありがと」
袋を開けて、クッキーを一口ずつではなく一個丸々と頬張った。やはり空腹時に食べるのは実に美味しい。ここが戦時中の空気ではなければすごく美味しかったのだろう。
「あ、あの……」
「ん?」
「クッキー……食べてもいいでしょうか」
「ん……(ゴクッ)。ほい」
「あ、ありがとうございます」
とアーシアはクッキーの袋を開けて、クッキーを丸々と頬張った。ここで座ってパンやらクッキーやら食べる……まるでピクニックな気分であるな。いや、ここはピクニックでないんだけどな。でも、これはこれで悪くないな。俺はチョコ部分が溶けかけてたチョコクッキーを一つ食べたのだ。腹を満たせなければ戦はできぬ(?)そんなことわざを思い出し、俺はクッキーやパンを食べ続けた。俺らはピクニック気分で食べた。この殺し合いの空の下で。
【視点:アンバラ】
「___以上、現在の死亡者と生存者でした」
「あい〜、それじゃ引き続き頼むぜ」
「……はい」
現在中間報告の電話は謎の空間とその後の返事で切られた。きっと、電話は俺が人の心がないと言いたいんだろう。でも、言えねぇのがルールなんでな。これはこれで仕方がないわよ。しかも、数十万人…いや、二十六万人ぐらいはいたはずの人数はもう十九万人に減られている。強者に殺された者、海にいる兵士に殺された者、そして、自殺者。他にも色んな事があって殺された者もいたが、主に死亡の理由がこれぐらいしか思い浮かべない。まぁ、ほとんどは自殺者だけどな。近くに通りかかった人は幸運だと思えるな。ま、そりゃ今から殺し合いしますと言ったら、大体ならガチの殺し合いすると俺は思ったが、意外だった。余程、死にたい人がいるようだ。人それぞれとはまさにそれだ。俺がポテチに手を伸ばしていると、あれ?ポテチきれた?はや、これで五袋目だぞ。でも、ポテチはやめられないよな。特にうす塩味は。だって、めっちゃ美味しいもん。おれは棚からポテチをとるために立ち上がると
グギィ………
やべ!腰がいてぇ……。しばらく、ずっとここにいるから、全然体を動してねぇや。ついではモニターを見すぎたせいで目もいてぇ。俺は机の棚から目薬を取りだしては即刻さした。
「くぅ〜」
染みる……。目薬やなんだけどな俺。毎度毎度に使うけど、未だに慣れねぇ……。もういっその事、目薬の飲み薬でも買っておこうかな。ていうか、飲める目薬はあるのか?今すぐ検索しとこ。と俺はコーヒーのカップの隣にあったスマホを取ろうとしたが……
「ん?」
俺はある事を思い出し、リモコンを取り出して例の画面をみる。そう、あのポイントランキングだ。昨日はマリシャスの野郎が一位だったが……今回は、どうかな?と半分を期待を持ってロードを待ってた。ロードが終わるとすぐに十位から順に出てきた。多分……さすがにとは思うが……五位辺りくらいは……千はいってるかな?
十位 ウンラン・シア…900ポイント
九位 エルデ・ヴァイスハイト…1000ポイント
八位 ポワゾン・イノセント…1200ポイント
七位(同率) ニクス・ラピドゥス…1600ポイント
七位(同率)クオーレ・キャーヴェ…1600ポイント
五位 エシェル・クラージュ…1900ポイント
四位 シェリア・オリエント…3200ポイント
三位 カルマ・テキエロ…4500ポイント
二位 ビーダ・シエンプレ…6400ポイント
一位 マリシャス・ロストライト…23000ポイント
__え?
俺は目を擦った。え?二万三千ポイント?んなわけないない。俺はもう一度見ると、確かに一位は二万三千ポイントであった。俺は唖然とした。からの「はっはっはぁ…」と笑ったさ。まさか……マジで二万以上のポイントを取るバカがいるわけないとは思ったが……。まぁ、一応、予想はしたさ。だが、本当にやれるのかと思ったさ。うん…まぁ、これはこれでいいと思うさ。今頃のマリシャスはポイントを狙っている輩を襲われまくってるさ。けど、四位以降は総入れ替えか……。いや、一位から四位が変わらねぇのはそれはそれですげぇさ。とりあえず、しばらくは変わらなそうだな。そして、俺はリモコンでとあるサイトを開いた。開いて早々に
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」「うがぁぁぁぁぁぁ!」「いやぁぁぁぁぁぁ!」
ドドドドドドドドドドド…パパパパパパパパパパン…!バァァーン!
ドピュ、グギィィ……。ゴ、ゴゴゴ……
__うっわぁ………グゥロ……
あんま慣れねぇなこれ。モザイクとか加工して欲しいと思えたサイトは死亡者の最後の映像が見られるサイトである。言わば、動画サイトのグロすぎバージョンである。あの島には幾千に超える監視カメラに、透明の小型のカメラがある。もちろん上からも見られるようにドローンにも仕込まれている。海にも専用カメラがある。映像の内容はもちろん死亡者の死亡内容だ。内容は主に刺殺、射殺、絞殺、斬殺に殴殺と、色々な殺し方で殺られた人がいっぱいいた。……俺は正直に言えば、このサイトは気味が悪い。でも、今では中毒性があってたまらない。これって、重症かな。今まではそうはならなくて、このサイトを無視していたはずなのに。たかが死んだ人の内容の動画だ、そんなの要らねぇだろ?と思ったのに。何でだろうなー。今回はそうはいかないのは。特にその殺し方には、中毒性がある。まずは、一位のマリシャスの野郎。最初の冷静さを保ちながらの殺し方、他人の武器を利用するほどの冷酷の外道。まるで、本物の殺し屋を見ているようだ。次に二位のビーダ・シエンプレ、三位のカルマ・テキエロの二人。あいつらは常に二人で殺しまくっている。ビーダが前線に立っていて、カルマが援護をするように殺しまくってた。あの様子からして常に仲がいいんだろう。モニターからもカルマが唐突に一方的にハグしても、ビーダは一瞬だが、驚いていたが少し微笑むところが確認している。さらにビーダの野郎は某魂の天パのような死んだ魚の目をしてるのに、いざ、となれば短刀一本で首だの頭だのを向けて斬る。まさにマリシャスと同じ殺人鬼だ。マリシャスもビーダも冷静さを保っていて本当に人間かと疑いがあるよ。ちなみに三位のカルマは多少は感情らしき行動はあった。そして、マリシャスもビーダとは同じようで違う冷静さ(?)が一人いる。それは四位に入っているシェリア・オリエントだ。あのシェリアの野郎。一人の男を守るために三十人ぐらいは殺したのはまさにザ・サバイバル主人公感がましていいが、その時の顔がすごく怖かった。最初の殺した時の顔よりはるかに怖い。さすがに度肝が抜かれたよ。まるで垢が抜けたような、スッキリしたかのような顔をしていた。確かにマリシャスもビーダもカルマなど殺人鬼達の殺した時の顔も怖かったさ。でも、シェリアだけは何かが違う。ああ、今も思い出したせいで顔が青くなりそうだ。シェリア。一体、あんたの中に何かを飼っているんだ?と問いたくなる。人の心をどこかに捨てたような目に荒ぶっている手振り。女ではない獣の歩き方。たまに忍者らしい動きがあったがとにかく令嬢の皮をかぶった化け物でも見ているかのようだった。
「あ、やべ……」
恐怖のあまり汗をかいてたせいか喉が渇き、麦茶を一口飲んだ。あれはとにかくすごく怖かった。でも、怖かったのは………ほんの一瞬だった。それ以降はとても気持ちよかった。まるで動画の撮ってある殺人鬼達みたいに……。マリシャス、ビーダ、カルマやシェリアのような殺人鬼達みたいに……。
「……っは!バカみてぇだな」
とうとう俺もおかしくなってしまったようだ。殺す瞬間を怖いの恐怖感では無く、気持ちいいと快楽になっていくなんて。俺も入りたくなってうずうずしていて仕方がない。こんなになったのは初めてだ。
「俺もあいつらの仲間入りに……なりてぇな。気持ちいいのは…最高だよ……」
俺は麦茶をもう一口飲んだ。喉の渇きが忘れるかのような感じに体にも異変があった。ああ、狂ったな俺。まるで後ろ姿で見ていた先輩みたいに……なっていくように狂うのだった。




