面白そうだから、シェリアが
意外と難しいな小説書くのって
げど、殺らなければ殺られるからな
【視点:シェリア・オリエント】
「ねぇ、シェリア」
「んあ?どしたー」
俺が後ろを向くとクオーレが何かつまんなそうな顔をする。
「つまんない」
「だったら、暇があるなら手伝えよ……こっちは忙しいぞぉ……」
「……」
と、この会話の繰り返しである。もう十回ぐらいは繰り返してる。俺は今、銃をすぐに変えれるように替えを作っている。一個、一個。丁寧に入れるのは愚策ではあるが、今の状況ではこれが最適の方法だ。まぁ、他の方法もあるわある。が、今はいつ誰かが襲い来るのかが分からない状況下だ。そうおうに、気をつけなければならない。しかし、
「ねぇ、シェリア」
「ん?どしたー」
「暇、つまんない」
「だから、暇があるなら手伝えや……こっちは忙しいぞぉ……」
「……」
こいつが手伝っておけばすごく早く出来るんだがな。この有り様である。めんどいなこれ。こいつにいっちょ、頭に弾丸ぶち込もうかな。替えを作れないのは分かるけどさ。さすがに俺に任せるのは良くなくね?
「……はぁ」
俺はため息ついた。なんでこんなにも上手く行かないのだろう。
まぁ、一応、俺はご都合主義や主人公愛され系な小説は嫌なんだけどさ。でも、これはないだろう?いや、これが『上手く行かないかな?』思っているのがご都合主義の展開の醍醐味なのか。これは仕方ないか。何せ恋愛漫画を見ている時は「あ、これはハズレかな?」と勘で気づくことがあった気がする。
__だが、これが恋愛漫画の醍醐味なのは分かるけど……泥沼な略奪愛系の漫画はちょっと……な。
「……あ。そうだ」
俺はある事を思い出し、作業中の手を止めて、後ろにいるクオーレに質問をした。
「なぁ、クオーレ」
「ん?何、シェリア」
とクオーレは興味津々そうに俺に近づく。そこだけの発声はいいのだなと、俺は感心そうにしたところで俺はある事を聞くことにした。
「何で、俺らのことを庇った……というか、助けたのか?」
「ほぅ、そこ聞く?」
「いや、なんでそこを突っ込んでだよ」
クオーレは俺を珍しそうな目で見た後、
「あの場合、俺たちは二人であいつらは数十人程度だったのに……なんで助けたんだよ。俺は」
「そうだねぇ……うーん、なんて言うんだっけ……」
と彼らしくない腕を組んで考えていた。可哀想だから助けてやった……?そんなんじゃない。もっと彼らしい事があるはずだ。ついでにそんな正義感のある主人公なセリフを言うはず無さそうだし。だとしたら、それはそれで面白いよ。個人的に。
「あっ、そうだ!」
クオーレはしばらく考えた後に頭に電球が光ったかのような子供っぽい笑みを浮かべた。
「面白そうからだよ」
「……あー、はいはい、そうですか」
「シェリアが」
「え?」
予想はした。なんとなく予想はした。が、まさかその理由が俺だなんて、思ってもいなかった。こいつ、もしかして漫画に出てくる変な奴なのかと慎重な目で見ながらクオーレに言った。
「俺の何処が面白そうなんだよ」
「昨日の剣……さばき?で、すっごーいカッコイイな〜って、」
クオーレはいっぱい手を広げて楽しそうに語った。大きく素振りを見せる、この様子からも分かるように彼は楽しんでいる。まるで、面白いものを見てきた目のようだ。俺は不思議に思った。この場なら恐怖を感じるやつだぞ。だが、あれは刀さばきな。第一、昨日のあの剣さばきでカッコイイとは思うのは分かる。だが、あの場所……元い、ここは戦場という殺し合いだ。そして、俺は立派な殺人だ。クオーレもそうだが、俺はもっと人を殺した。カッコイイ気持ちも分かるがさっきのはやってはいけないことなのだから。すると
「それに」
を圧力的に強調しつつ、クオーレは体ごと俺に近寄ってきた。興味津々な目で、好奇心旺盛を俺に向けるような目で見つめながら
「シェリアがすごく面白い目をしてたから、俺は助けた」
__「………は?」
思っていることが口に出してしまった。俺は呆気に取られた。俺が面白い目をしてた?何を言ってんだ?と思った途端にクオーレは一旦離れては
「言ったよね?俺は気に入った人がいるって」
「そうは言ってたが……………あ!まさか…」
「そう、君だよ」
とクオーレは興味津々ながらの目でまた俺に近寄ってきた。しかも、ニヤニヤの顔で。今度はキスしてもおかしくない近寄りで
「シェリアがあんな面白そうな目をしてたから僕はシェリアに、君に気に入ったんだよ」
と言った。正直に言えばいいのだろうか。あの時の俺は助けるのに必死でアーシアを助けるのに焦ったのかもしれない。でも、何でだろう?まるで図星に突かれた気分になってるのは。と俺が目を逸らすと
「ほら、図星にあたった」
「え……」
俺は驚いた。
「俺、分かるよ。今、考えてかくらい」
とニヤリ顔でクオーレに言われた。でも、確かにクオーレの言う通りだ。あの時、アーシアを助ける前提に自分の楽しみを優先してたのかもしれない。それはとにかく楽しいフリをして相手を戸惑わせるのではなくまるで快楽を求めるような感じに楽しんでいたのだ。でも、アーシアを助けるのは変わりはないが、何故か心の底からはアーシアを助ける気はなかったのだ。だとすれば、あれは彼にとっては奇跡で言えるしかない。けど……と俺が戸惑ってると
「近づきすぎですよ」
声が聞こえた方向である横を見るとアーシアに手を腰に置いていた。少し、威厳があるよな態度で。
「いいじゃん。シェリア、困ってないし」
「その顔の何処が困ってますか。いいから、離れなさい」
「ちぇ〜」
とクオーレは拗ねた顔で頬を膨らませ俺から離れた。これを見るとまるで子供だ。こいつも俺と同じ十三とは思いたくない。これは確かに仕方がないとは思うが思いたくないよ……。すると、アーシアがきっちりと整理してないマガジンを見つけたのだ。アーシアはその場で腰をおろしては弾丸が入ってないマガジンに手を伸ばして、いつの間にか散らばってた弾丸を一つずつ入れたのだった。まるで当たり前のように一つずつ入れたのだった。
「え、あれ?」
俺は呆気にとられてた。その理由は、これはさすがのアーシアも出来ないと思ったからだ。
「何、見てんだ?見る暇があるなら、手を動かしてください」
「え、いや……アーシア……」
「安心してください。これくらいの事なら出来ますし、それにこれは慣れというものですから
………」
と言いアーシアは顔を俯かせては弾丸をマガジンに入れていた。その顔はまるでれっきとした兵士のようだ。ここで、俺は思った。
__きっと、この人は……経験者なのだろう。
それは目の前の丁寧にマガジンを入れてくれるのはそうだが、すげーことに、奇跡的に間違えなさすぎる。普通の人なら反対入れることは、しばしばある事もある。たが、この人は反対になる事も一度もなく、丁寧に入れている。それに、昨日の事もそうだ。本来なら普通の人の場合、慌てて銃を発砲する。そして、銃を発砲した代償として、反動で転んだり、尻もちをして腰が動けなくなることがあるのだ。これって、引力の法則とか何とかの法則というだっけ?分からんが。しかし、アーシアの場合は冷静に反動した素振りを見せずに撃ったのだった。冷酷な目で。何度も殺ってきた普通の目で。現在絶賛、つまんなそうに、ブーブーと豚の真似をしてるクオーレならわからんかもしれないが、俺なら分かる。昨日のあの時でも、兵士らしく気配を察知とかも出来ているからだ。
__まさに能ある鷹は爪を隠すって、事だな。
そうして、アーシアの協力のお陰で替えのマガジンを十個くらい作りを終えれた俺は、替えと菓子が入れてあるカバンを担ぎ、役所を離れる準備をした。
「さて、俺……私はここを一旦離れるけど二人はどうするの?」
「さっきまで、『俺』って言ってるのに何でアーシアがいてからは『私』って言ってるの?」
「そこは突っ込まなくても、いいだろ」
「僕はいいですよ。一人称なんて人それぞれですから」
「ええ……」
これには何故かアーシアに対しては絶対に丁寧語で話さないといけないと言う、謎の義務感があるからだ。
いや、今まで丁寧語で話してないからいっか。
「で、私……俺は行くけど、お前達は?」
「俺はシェリアについて行くよ。今、すっごく暇だし」
「え、じゃあ、アーシアは?」
「ぼ、僕も…クオーレさんの言う通りです……」
「え……」
大変だ。まず、漫画でのこの場合ならば、みんな別れて『次にあった時は敵同士だ!』と誰かが言うはずがまさかの一人について行くという
、何処ぞの王道なろう小説みたいな展開になってしまった。だが、そうはいかないのが現実だ。そんな昔(?)みたいな展開あるもんか。俺はため息をついて
「分かった。じゃ、行くか」
「うん」
「はい」
と俺達は役所を後にした。
__もう、何分ぐらい経ったのだろうか。
と俺は歩きながらスマホを取った。スマホの画面は今、十一時を指している。役所から歩いてた時間が九時、十時辺りと推測するともう一時間半は過ぎている。かれこれもう、十キロぐらいは歩いている。後ろの二人は大丈夫だろうか、と俺は後ろを振り向いた。二人、息切れの様子も疲れてる様子もなく、ただ普通にほぼ同じ歩幅で歩いているのだ。まるで痛みと疲れを感じない人形のようだった。これは心配だなと思った。
__それにしても……何だこのスマホは……
と俺は目の前にあるスマホを覗く。前世でテレビで見た時はなんか本のように厚いかと思いきや、いざ、触れてみると思ったよりすっごく薄い。まるで三百ページもある本が凝縮したような薄さだ。厚紙よりは厚い方だがこの薄さは前世で持ってたガラケーよりも薄い。だが、薄いのが元凶か、画面がすごく広い。しかも、ボタンのようなやつも無く、画面に指でタッチみたいな感じで動くなんて……。しかも、これが令和という時代で若者はこんなのが流行ってんのか?今更だが、訳が分からん。ガラケーの方が一番使いやすいな。と不満そうに思ったら。
「うわっ!」
と前を見なかったせいで思いっきり浮かんだ木の根っこに引っかかり転んでしまった。クオーレとアーシアはハッと気づき「シェリア!」「シェリアさん!」と心配するかのように近づいてきた。そして、この時を思った。
__君たち……本当にいい子だな……
これまでなら俺が転んでも気づかない人が多かった。むしろ無視、厳しく注意されるのが多かったと言っても理由に位置づけられる。けど、唯一優しくしてくれてたのはケイだ。あのケイの女神かのような優しさを思えば二人も同じ女神や。いや、男子だから《めっちゃ優しい少年達》の方がしっくり来る。前は家族からの冷たかった視線が痛くて、転んでも弱音を吐かずにいたから。なのに今ではアーシアが俺の手を引っ張って、クオーレが心配しそうに「シェリア、大丈夫?」としゃがんで優しく声を掛けてくれたのだ。もう、これだけで涙が出そうだよ。弱音が吐きそう。すると
「あまり前を見ないと駄目ですよ。こうやって転びますから」
「ああ、そうだな」
と俺は新たなことに気づいて反省した。歩きながらスマホをいじるのは良くないなと。
__前世でもガラケーをいじりながらこんな感じに転びそうになった事があったな……
俺はすぐにスマホをポケットにしまい歩き続いた。そして、一旦
「ところでさ……」
「「ん?」」
「お前らは疲れてないか?」
おっと、これは忘れてた。そう言えばこの事を言うのが、すぐにスマホの事で一気に忘れてた。きっと、我慢してる。そう思うと
「俺、大丈夫だよ!歩くの好きだし」
「僕も……クオーレさんの意見と同じです。全然疲れてないですし」
「ええ………」
ここんとこの男って、随分体力があるのか?前世の記憶があるというのに、今世は貴族が上の時代だから庶民は体力はないのかと思った。差別した俺が悪のぅございました。すると、
「!…………下がって」
「え、」
「なんだ?なんだ?」
「なにか来る」
葉をする抜ける音が聞こえた。風が吹いた跡がない、聞こえたのがガサガサとまるで、草をかき分ける音だった。僅かに一瞬だったが、近くに何かがいるのが分かった。俺はすぐにアーシア達を後退させた。そして、ガシャリとハンドガン《グロック17》で撃てれる用意をする。ここはこのハンドガンの射程内距離なのだ。だが、辺りを見渡してもそれらしき姿が見えなかった。上には見えなかったから下に潜って見えないように進んでると考える。まるで兵士のようだな。確かにここんことの周辺は草だらけで必死にかき分けながら探索してるのは分かるが。音はしっかりと、はっきりと伝わっている。
__きっと、上手くいくと思ってるのかな。
すぐに無言のまま音の聞こえる方に近づいた。あの体型だと、多分小熊だろう。俺は猿のように木を次から次へと移し出す。アーシアが「猿か!」とのツッコミがあるが仕方がないのでな。すると、突然にやっと気がついたのか影が現れた。俺は即座に迷わずに撃った。そして、その衝動に背中が地面を打ち付けた。
「いってぇ!」
これは痛い。背中の骨の一部が折れてるか心配だ。でも、これは素早く動けたかな?相手が気づいてなく、どこから撃っていくもの。所謂、不意討ちというのだ。相手はまさか自分が撃たれるかと思われると思ったのだろう。だがそのまさかだ。これも運の尽きだな。きっと絶てぇ、撃たれてないのだろうとは思った。と俺は仰向けのまま目を上の方に向けた。それがなんと、立っていた影がいない。つまり、一発で命中をして、影は倒れたということなのだ。これは奇跡と言っても過言ではない。とりあえず、当たったことに感謝するしかないな。痛めつけた背中の痛みを抑えながらも俺は撃った方向に東北に向かう。
「熊であってほしいな」
もしも、本当に熊であったら、スマホでクマの肉を使った料理もあれば、毒の抜き方や後処理も簡単に調べられる。俺は歩きながら撃った方向に向かった。
「さて……撃たれたのは何かな………ん゛ん゛!」
「どうしたのだ!?」
「どうしましたか?」
とクオーレとアーシアが追ってきたかのように俺のところに近づいた。
「え、人!?」
アーシアが驚いたのは俺の下にいた撃たれた後の死後の人であった。そう、俺が撃ったのは、または殺したのは、人であった。撃つ前に俺は即座に思った。熊って威嚇するときは立つのかな?と。でも、そんなの俺の中の教科書ではあった……はずであった。でも、影を見た時はなんか……人っぽかったが……。まさか、また人を殺すとは思ってなかったよ。
「……ぁー」
失敗した。俺は頭をくしゃくしゃした。いやでも、確かに自分の命のためだとか言うかもしれないけど……。でも……ねぇ……。
「シェリアさん」
アーシアの今にも怒りそうな声で俺は体ごとビクッとした。後ろを向くとアーシアの顔は呆れ果てたかのような顔であった。アーシアはため息をつき。
「まさか、殺したとか言わないですよね……」
とまるで俺の心を読まれたかのようなことを言った。
「……」
俺はもう一度、下に倒れている人を見る。その人は頭から撃たれましたよと解釈するのかように頭から血が流れでてた。俺は笑う寸前だったよ。なんで、こんな事になったのかなと。そして、もう一度、クオーレとアーシアの方に向いては、てへぺろの顔で
「殺っちゃった☆」
と俺にとっては可愛らしい声で言ってやった。もう、これしかないと。いや、これがやり方だと思ったからだ。しかし、アーシアは
「自分が可愛いからで済むものですか」
と冷たい声で突っ込まれた。
__はい、知ってました……。
これが現実であると。怒られるのは当たり前であると。その後、シェリアはアーシアお母さんに暫く説教されられました。勝手に死体のものを盗むクオーレを無視して。




