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お題→第3次世界大戦、救世主、氷の棺

　2030年。

　この年、日本でひとつのアニメが放映された。

『激辛救世主メシアたん』

　激萌の救世主少女が世の中に対して激辛コメントを残す原作小説。新進気鋭の絵師による鼻血が出そうな挿絵。多くのファンを抱えるベテランのツンデレ声優。

　このアニメは世界50カ国語に翻訳され、世界中で空前のメシアたんブームを巻き起こした。

　だが、しばらくの後。

　某国から日本政府に対して原作者の身柄引き渡しを求める強い声明が発表された。

　原因は、アニメ化されていない原作初期のメシアたんの発言。当時世界中で迷惑をかけていた、とある宗教に対する彼女のコメントだ。

「今どき流行らないわよ、あんな時代遅れのクソ宗教、氷の棺にでも収めて南極の下にでも埋めておいたらいいわ」

　日本をはじめとする自由連合は、表現の自由を盾に結束して反発した。

　一方で、その宗教を国教にすえる国は某国に同調し、日本各地でテロ事件が起き始めた。

　世界は二分され、落ち着かない空気が漂い始める。

　そして2032年。

　メシアたんの「本当に真面目に謝ります。メンゴ（はーと）」というセリフを発端に、第三次世界大戦が勃発した。