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第9話[喪服の神話、朝七時]
朝からカラスがやかましい。
「クワッ、クワッ、クワッ」
冬やのに、真っ黒に日焼けしたカラス。――いや、それは地黒や。
全身ブラックで統一、どう見ても喪に服している。――ちゃうやろ。
カラスの鳴き声には、どうやら回数制があるらしい。
一回鳴けば「おはようさん」
二回鳴けば「気ぃつけや」
四回以上は緊急速報、非常事態。
ところが今朝は三回、断続的。
三回て、何。合図? 暗号?
まさかの――厄払い?
「クワッ、クワッ、クワッ」
近所一帯、強制浄化。ありがたい…のか?――ホンマかいな!!
そもそもカラスは太陽神アポロンの使い、昔は真っ白、しかも人間の言葉を話せた。
しかしアポロンの恋人コロニスの件で、彼のの逆鱗に触れ、言葉を奪われ、羽を黒くされてしまった。
それ以来ずっと、カラスは喪に服している――という設定らしい。
だから今朝も喪服で三回、意味深に鳴いたのだ。
「クワッ」……知らんけど。




