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鳥獣戯詩  作者: 妻戸裕次


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第43話「黒い燕尾服の哲学者と、パンの行方」

今朝、いつもの池へ。


万年亀はいない。

(万年筆みたいに言うな(笑)。)


水鳥たちの姿もない。

どこ行った?会議?有給?


残されたのは――

相変わらず真っ黒に日焼けしたカラス。(いや元からや。)


てくてく、堂々と歩いている。


ふと、目が合った。


カラスと僕。

静かな対峙。


「よぉ!!」


と、僕は片手を上げる。

なぜか社交的や。


目を逸らせば負けた気がするし、見つめ続ければ、こちらが観察対象になる気もする。


どっちが人間で、どっちが野鳥か。


ああ、黒い燕尾服の哲学者。


その一瞬、

世界がほんの少しだけ――


「カァ。」


と、笑った気がした。


カラスはというと、

なにやら迷子の宅配員のように右往左往。


僕は心のWi-Fiで念を送る。


「世界は広いけど、パンはあっちや。」


届いたかどうかは知らない。


やがて、

ふわりと羽ばたく黒い背中。


僕はそっとつぶやく。


どうか今日も、

風を味方に。


世界の片隅を、

黒く、誇らしく染めながら。


……って、

何のこっちゃ(笑)

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