↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鳥獣戯詩  作者: 妻戸裕次


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/44

第42話『みんな、ないた日。』

何もかもおかしな世の中。


お寺の鐘がゴォーンと鳴いた。

空を黒くしてカラスがカァーと啼いた。

赤ん坊がオギャーと産声あげて、つられて大人がわんわんと哭いた。


みんな、ないた。


夜になれば野球はナイター。


泣いたー?鳴いたー?ナイター? 何のこっちゃ、ボールも笑うわ。


先日から、春一番が髪をくしゃくしゃにして、夏日は気ぃ早すぎて半袖で走り出す。


冬は置いてけぼり、迷子の迷子の白い猫。


季節まで道に迷うてる。

どないなってんの、この世界。


今日は雨模様やけど、そのうち陽炎(かげろう)までゆらゆら泣いて、アスファルトの上で現実まで溶け出すやろ。


異変や、異変や言うてみたら――


胸がむかつく? それは胃炎や。

咳が出る? それはえへんや。

秘密の話? それは人には云えんや。


ちゃうちゃう、

ぼくの言うてるのは

そんなんと違う異変や。


笑うてるのに、どこか寂しい。

泣いてるのに、ちょっと可笑しい。


何もかもおかしな世の中で、まともな顔して立ってるほうが、ちょっと変かもしれん。


もうエエわ――

そう言いながら、

今日もまた鐘が鳴る。


ゴォーン。


…ほら、また誰か泣いとるやないか(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。