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2.勇者一行が壊した地形修復係
「ここが異世界なんですね、博士! 感激です!」
「うっかり死なないように注意しておくれよ、助手君? 死体は自分で動かないから、持って帰るのが大変なんだ」
「悲しいとかそういう理由じゃないんですね……」
「見て御覧。勇者様御一行だ」
「わぁ! 本物だ! 山ごとモンスターを吹き飛ばしてる! すごい! ……けど、勇者たちの後からぞろぞろついていっているあの人たち、誰ですか?」
「ああ、あれは、勇者、戦士、僧侶、魔法使いなど、それぞれの職業を引退したOBOGだよ。勇者たちが壊した地形を修復するために、認識阻害魔法で周囲から見えないようにして暗躍しているんだけど、異世界からやって来た私たちには認識阻害が効かないんだ」
「へぇ~」
「ちなみに、勇者が壊した地形修復は勇者のOBOGが、というように、各々の職業に応じて担当しているんだよ」
「あれ? 戦士のOBOGだけ、やたらいませんか? 滅茶苦茶人数が多いような……」
「そりゃそうさ。だって、戦士だからね。他のOBOGたちと違って、皆、足が無いだろ?」
「!」